『ジョブチューン』ほかTBSがゴールデンで連発する“企業案件番組”とCP最強のカラクリ

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2024年05月14日 12:01  日刊サイゾー

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TBS

 その昔、「トイレはCM中に」と言って干されたタレントがいたが、現在の状況なら「いつでもトイレにどうぞ」と言うのが正解かもしれない。TBSが、企業を取り上げるバラエティ番組をゴールデンタイムで連発。安易な手法に頼る姿勢が顕著になっている。

「代表的な番組は、『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』と『坂上&指原のつぶれない店』です。どちらも番組名は違えどやり口は同じ。コーナーが2〜3個あれば、少なくとも1つは大型チェーン店が紛れ込んでいて、徹底調査という名の下で売れ筋商品を紹介したり、オトクなサービスを紹介したりと、延々と企業の宣伝を見させられることになります。『ジョブチューン』は新メニュー開発に立ち会う特集も得意技。コンビニやファミレスの新メニュー採用会議を番組で行い、放送翌日には視聴者がお店に走るという寸法です」(民放バラエティ番組制作関係者)

 全国区で放送される番組なら、全国展開するチェーンを取り上げるのは当たり前。より多くの人に有益な情報を提供するのはテレビの使命だが、「CMと何が違うのか?」という疑問はある。そして問題なのは、頻度があまりに高いことだ。ここ最近、TBSが放送した“企業紹介モノ”は以下の通り(放送日・番組名・紹介した企業)。

【4月24日】
『日本イチバン旅&ワールド極限ミステリー』 鳥貴族、磯丸水産
【4月25日】
『ニンゲン観察モニタリング』 コストコ
【4月27日】
『熱狂マニアさん!』 業務スーパー
『いくらかわかる金?』 ニトリ、くら寿司
【5月1日】
『世界くらべてみたら』 大戸屋

 これに『ジョブチューン』と『つぶれない店』が加われば、いかにこういった番組が多いかは一目瞭然だ。さらに、これ以外にも『櫻井・有吉THE夜会』や『マツコの知らない世界』なども、企業紹介が入り込んでくることがある。とりわけ厳しい声が寄せられたのは、新番組の『いくらかわかる金?』だ。

「この時間帯は長らく『世界ふしぎ発見!』が放送されてきた枠。テレビ界の良心のような番組の後継番組だけに、その内容が業界内で注目されていましたが、フタを開けてみれば、回転寿司店で大食いしたかと思えば、ホームセンターの売れ筋商品紹介が続き、正直、拍子抜けしましたね」(同上)

 その感想は視聴者も同じ。放送後、ネットには、「ふしぎ発見の後番組がコレって泣けてくるな」「まさかコレがふしぎ発見の代わりじゃないよね?」「TBSバラエティって企業タイアップ番組しかなくないか?」といった声が寄せられた。なぜTBSは似たような番組を連発しているのか?

「こういった番組は制作費がとにかく安く収まります。ロケ場所は企業に提供してもらえるので、ロケハンは不要。番組内で紹介する情報は企業の広報からもらえばいいので、手間が掛からない。“マニア”という名の一般人を使えば、出演者のギャラはせいぜい数万円。紹介した商品がSNSでバズれば企業は大喜びで、後々の広告出稿も期待できる。とにかく良いことずくめだからです。視聴率的に大爆発は期待できませんが、チェーン店の名前と『おすすめ』といったキーワードで検索すると、検索上位に引っ掛かるようになっており、そこから『TVer』などに誘導する手もあります。これだけコストパフォーマンスが良い番組は、テレビ界の一大発明といって良いでしょう。ただ、視聴者も、企業案件の番組が多すぎることに気付き始めています。こういった番組は概して企業側に都合が良い情報ばかりが放送され、客観性を欠いた内容になりがち。やり過ぎると局全体が信頼を失う“毒饅頭”なのは間違いありません」(キー局関係者)

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