【漫画】ノーリードの大型犬に噛まれた!「犬を殺処分したら…あなたを許さない」加害者も犬も被害者もつらい「犬の咬傷事故」の実態に衝撃

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2024年05月16日 19:50  まいどなニュース

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加害犬が「狂犬病予防接種」を受けていなかったら……『保護犬茶々のお話』【第32話】より(画像提供:ヨシモフ郎さん @yosimofurou)

群馬県で発生した犬の咬傷事故で、小学生を含む12人を噛んだ加害犬について、法律で定められた犬の登録や「狂犬病予防接種」などが行われていなかったことが発覚した。

【漫画】大型犬に噛まれた話を読む…しかもワクチンを接種してなかった!

2月27日付けの群馬県伊勢崎市の発表によると、当該犬の狂犬病は「陰性」と診断され、当該飼い主が飼育する計7頭すべてに「狂犬病予防接種」が実施され、全頭が他者へ譲渡されることになったという。

そんななか、犬との暮らしを描いたコミックエッセイ『ドベとノラ 犬がくれた優しい世界』で知られる漫画家、ヨシモフ郎(@yosimofurou)さんが、2023年末から「犬の咬傷事故」を描いた漫画(第20話〜第30話)を、X(旧Twitter)にポスト。

偶然にも、第27話の投稿が群馬県で咬傷事故が起きた日と重なったこともあり、大きな反響が寄せられた。

無責任に「殺処分」と言わないで

【第20話】

元野良犬だった愛犬、ノラくんと、2週間前に預かったばかりの保護犬、茶々くんと夜の散歩をしていたヨシモフ郎さん。役場が管理する野球用グラウンドの側を通りかかった際、犬が立ち入れないはずのグラウンドに、ノーリードのゴールデン・レトリバーらしき大型犬3頭を無断で遊ばせている人物を発見。犬同士のトラブルを避けるため、足早に通り過ぎようとしたその時、フェンスの穴から突然、興奮した大型犬が飛び出してきた。

【第21話】【第22話】

すぐに自身の犬2匹に、「伏せ!」と号令をかけるヨシモフ郎さん。しかし、危険を察した愛犬ノラくんは警戒モードに突入し、預かり犬の茶々くんは怯えてパニック状態に。怯える茶々くんに大型犬が襲いかかってきたため、首輪を掴み、横倒しにして制圧したヨシモフ郎さん。慌てて飼い主がかけつけるも、今度は興奮した2匹目の犬が現れ、ヨシモフ郎さんの手に噛みついてしまったのだ。

【第23話】【第24話】【第25話】

「早くリードをつけてください!」と叫ぶヨシモフ郎さんの声で、急いでノーリードの3匹を捕獲する飼い主。噛まれた手の傷口を水で洗い流したヨシモフ郎さんは、戻ってきた飼い主に「連絡先」と「狂犬病と混合ワクチン」の接種の有無を確認する。

【第26話】【第27話】【第28話】

だが飼い主から返ってきたのは、「前にも犬が人身事故を起こしている。次に事故を起こしたら殺処分と言われている」という無責任な言葉……。湧き上がる怒りをこらえ、ヨシモフ郎さんは飼い主に伝える。

「簡単に『殺処分』と言葉にしないでください」「もしこの件でその子たちを殺処分したら、あなたを許しません」

【第29話】【第30話】

翌日、噛まれた傷の治療で病院に行くため、留守を任せる姉に電話をしたヨシモフ郎さん。その直後、例の飼い主男性から着信が。

「狂犬病のワクチン証明はあったんですが、混合ワクチンは…多分……打ってないです…」と男性。理由を問うヨシモフ郎さんに男性から返ってきたのは、「わからないんですけど、多分…自然派?的な」という、飼い主としての責任が微塵も感じられない返答……。

【第31話】【第32話】

犬に噛まれた手の治療のため、病院に着いたヨシモフ郎さん。レントゲンを撮り、破傷風のワクチンを接種した後、笑顔で先生が言ったのは、「相手の犬が狂犬病予防してたのはせめてもの救いだったね〜。狂犬病、治療法なくて発症したらほぼ100%死ぬから」という衝撃の言葉。

さらに、相手の犬が「混合ワクチン」未接種だったことを受け、「発熱と頭痛や嘔吐が止まらなかったらすぐ来て」「あと手の怪我だけど、腫れが心臓に向かってきたら、急いで病院来て。ここが閉まってたら救急病院ね」と、笑顔で恐ろしいことを告げる先生……。

「噛んだ犬」ではなく、責めるべきは「飼い主」

今回の事件のように、犬の咬傷事故は命に関わる場合があることを、犬を飼う人は絶対に忘れてはならない。

犬を適切に管理するという責務を果たさず、安易に「殺処分」と口にした「無責任な飼い主」に対し、「許さない」と、きっぱり告げたヨシモフ郎さん。その毅然とした態度に共感の声が殺到した。

「おい、犬の命を盾に許してもらおうなんて思ってないよね(ゴゴゴゴゴ…)」
「飼い犬を愛してるからじゃなくて、『自分が事故を起こして犬を殺した』ってことにしたくないんですよね。命の重みを背負いたくないだけの身勝手な飼い主」
「読んで、涙が出ました。飼い主には犬が人を噛んだ時、その子がどうなるのかを考えてほしいです」
「ちゃんと、ちゃんと、ワンコを飼ってください!命なんですから」

「命」の責任に気づかせてくれてありがとう

13話に渡り描かれた咬傷事故は、ヨシモフ郎さん自身が経験した実体験だ。

「20話以降の話は、著書には収録していないSNSオリジナルのものになります。犬に嚙まれるということは、噛んだ犬にもその飼い主にも噛まれた側にも、とても重く難しい話になります。今回は自分が”噛まれた側”なので、どうしても相手を”加害者”として悪く描いてしまいます。

読者の視点からも、噛んだ犬やその飼い主がとても悪い人に見えてしまう…という懸念がありました。実際、ギリギリまでSNSに投稿するかどうか迷ったお話になります。今でもこの話を描いて良かったのか…と考えることもあります」(ヨシモフ郎さん)

一方で、「ありがたいことに、読者の方からたくさんのご感想を頂き、なかには『描いてくれて良かった』と言ってくれる方もいて、救われています」と、ヨシモフ郎さん。

小型犬などの小さな犬であっても、室内犬・屋外犬を問わず、年1回の「狂犬病予防注射」の接種は法律で定められた飼い主の「義務」だ。群馬県で発生した犬の咬傷事故のように、未接種犬が咬傷事故などを起こした場合、飼い主の責任が問われるだけでなく、加害犬にも厳しい処分が待っている。

「狂犬病予防注射」の接種は任意ではない。どうしても接種に納得できない場合は、「犬を飼わない」という選択をするべきだろう。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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  • 千葉県警は犬を射殺しちゃうけどね。実際約10年位前にあったそうですよ。
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