60歳以降に厚生年金に加入せず働きたい場合、週何時間までならOKですか?

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2024年05月17日 08:11  All About

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年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、60歳以降に厚生年金に加入せず働きたい場合の注意点です。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

今回は、60歳以降に厚生年金に加入せず働きたい場合の注意点です。

Q:60歳以降に厚生年金に加入せず働きたい。週何時間以下ならいい?

「60歳以降は、厚生年金に加入せずにパートをしたいです。しかし働き過ぎると厚生年金に入らなければならないと思います。週何時間以下であれば、入らずにすみますか? パート先の会社規模にもよるのですか?」(58歳)

A:働く時間が週20時間未満なら加入する必要はありません

厚生年金保険とは、会社員や一定の条件で働くパート・アルバイト等の給与から天引きされる社会保険料の一つです。

厚生年金保険の被保険者数が101人以上の事業所(特定適用事業所)で一定の条件のもとで働くパート・アルバイトは厚生年金に加入しなくてはなりません。労使での合意があれば、100人以下の事業所でも適用されます。

パート・アルバイトが厚生年金に加入する要件とは以下のすべてに当てはまった場合です。

【1】週の所定労働時間が20時間以上であること
【2】雇用期間が2カ月以上、見込まれること
【3】賃金の月額が8万8000円以上であること
【4】学生でないこと

したがって、働く時間が週20時間未満なら加入する必要はありません。今後、さらにパート等の短時間労働者が厚生年金保険に加入することになる要件が引き下げられる予定で、2024年(令和6年)10月には「厚生年金保険の被保険者数が51人以上の事業所」となります。

相談者は厚生年金に加入せずパートをしたいとのこと。たしかに厚生年金に加入すると、給与から厚生年金保険料が天引きされますので手取り収入が少なくなりますが、将来もらえる老齢年金は増えることになります。

現在は、人生100年時代といわれるほどの長寿社会ですので、厚生年金に加入して老齢年金を多くもらえるようにしておくと、老後の年金生活が楽になりますよ。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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