五右衛門風呂に入って「現代詩の母」の暮らしに思いをはせてみては? 永瀬清子生家保存会が改修、入浴希望者募る

1

2024年05月22日 14:40  まいどなニュース

  • 限定公開( 1 )

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

まいどなニュース

改修前の風呂場。壁や屋根が崩れ、風呂釜やタイルは土ぼこりをかぶっていた

 「現代詩の母」と称される詩人永瀬清子さん(1906〜95年)の生家(岡山県赤磐市松木)で進められていた五右衛門風呂の改修工事が完了した。NPO法人永瀬清子生家保存会が風呂釜とタイル張りの洗い場を再現。永瀬さんの暮らしに触れてもらうことで一層の顕彰につなげようと、入浴希望者を募っている。

【写真】永瀬清子生家の五右衛門風呂がある建物

 生家は江戸末期から明治初期に建てられた町家建築。保存会が前身時代から修復を始めギャラリーやカフェを整備、運営している。

 風呂は木造の建物で、改修前と同サイズの風呂釜(直径80センチ)を設置。洗い場は、床を覆っていた幾何学模様のタイルの一部を装飾に再利用した。近くにある井戸や薪を使っての水くみ、湯沸かしも可能。窓を開けると湯に漬かりながら中庭が見える。

 来訪者から「入浴してみたい」との声が多く寄せられたため改修を企画。クラウドファンディングや支援者からの寄付で約300万円集め、昨年末から3カ月かけて仕上げた。

 永瀬さんは夫や子らと戦後20年ほど生家で暮らし、風呂たきの様子を詠んだ詩もある。保存会の横田都志子理事長は「入浴一つとっても一苦労だった生活の一端を体験し、当時に思いをはせてみて」と話す。

 入浴は予約制で1組1500円。生家保存会のホームページから申し込む。問い合わせは保存会(070―3783―0217)。

(まいどなニュース/山陽新聞)

動画・画像が表示されない場合はこちら

    ニュース設定