生後1ヶ月でカラスと戦っていたところを保護された子猫。数年後のたくましい姿と“家族の絆”

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2024年05月22日 16:20  女子SPA!

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【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.142】

 いなくなって初めて、当たり前のようにそばにいてくれた家族の大切さに気づくことはあるもの。タイショーさんのパパさんは、まさにそんな経験をした猫飼いさんです。

 愛猫のタイショーくんは、何にでも興味津々のやんちゃさん。

 家族は関わり方に悩んだこともありましたが、ある日を境にタイショーくんとの関係が大きく変わりました。

◆息子さんの友人から保護した子猫を託されて

 出会いは、2016年のこと。飼い主さんは10歳の先住猫3匹と暮らしていました。7月初旬、ひとりで留守番をしていた息子さんは突然、友人から子猫を保護したことを聞かされました。

 その子こそが、タイショーくんです。

 友人は、道でカラスと闘っていた生後1ヶ月ほどのタイショーくんを保護。息子さんはなかば強引に、小さな命を託されました。

 帰宅した飼い主さんは、思わぬ事態に仰天。しかし、小さな命を見捨てることなどできず、愛猫として迎え入れることにしました。

 幸いにもタイショーくんは怪我などしておらず、健康体。食欲旺盛で、トイレもすぐに覚えてくれました。

◆やんちゃすぎるがゆえに問題も……

 ただ、子猫らしい好奇心を発揮して先住猫を追いかけまわし始めたため、家族は困惑。シニアの先住猫たちは無邪気な家族が仲間入りしたことからストレスを感じ、歯肉炎になったり、食欲がなくなったりと体調を崩してしまいました。

 そんな現実を目の当たりにした飼い主さんは、タイショーくんのお迎えを後悔したことも。お子さんもやんちゃなタイショーくんに構うことが減り、家族の間には深い溝ができていきました。

◆一瞬の隙をついて脱走!

 そんなある日、転機となる出来事が。なんと、一瞬の隙をついて、タイショーくんが窓から脱走! 極寒の中、一度も振り向くことなく、外の世界へ行ってしまったのです。

 その様子を見て、飼い主さんは初めてタイショーくんも我慢していたのだと気づいたそう。

 そこで、タイショーくんを探しに家の裏にある林に行ったり、窓を開けて名前を呼んだりと、できることをしながら帰宅を願いました。

◆脱走から3日後……

 すると、脱走から3日後。いつものように窓を開けて名前を呼んでいたところ、「ニャー」というタイショーくんの返事が! 何事もなかったかのように姿を現し、家の中へ入ってきてくれたのです。

「本当は帰ってきてくれて、とても嬉しいのに、家族全員『あっ、帰ってきたの? 外は寒かったでしょ、ご飯食べる?』『お腹すいた?』みたいに、なぜか普通を装っていました(笑)」

 このハプニングを経て、飼い主さん宅には大きな変化が。我が家に帰ることを選んだ健気な想いを受け止め、家族みんながタイショーくんをかわいがるようになったのです。

◆タイショーくんにも変化が……

 脱走事件後、タイショーくんの大切さを痛感し、関わり方を見直した飼い主さん家族。すると、その気持ちが伝わったのか、タイショーくんに不思議な変化が。

「話しかけると、ゆっくりまばたきしながら『にゃにゃにゃっ』と返事をするようになりました」

◆脱走事件を経て深まった“家族の絆”

 相変わらず先住猫とは距離があるものの、体調を崩すことはなくなったそう。オジサン(男の子)という同居猫ちゃんとタイショーくんの間には絆のようなものが見える瞬間もあります。

「オジサンはタイショーに何かと優しくて、ちょっかいをかけられたり、ご飯を横取りされたりしても好き放題にさせています」

 なかなかタイミングよく撮影できないけれど、顔と同じ白黒模様がある上あご(口の中)もかわいい。そして、呼び鈴が鳴ると、必ず玄関までダッシュする姿が面白い。誰かを待っているのか、それとも脱走を企んでいるのか……。

 そう語る飼い主さんはタイショーくんを「仲間」のような存在だと感じています。

「毎晩、晩酌のお供をしてくれます。刺身や焼き魚が欲しいだけだとは思うのですが(笑)」

 ハプニングを経て、ゆっくりと家族に溶け込んだタイショーくん。そのニャン生にこれからも多くの笑顔が溢れますように。

<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>

【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

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