完全に時間停止している「超変則的」食堂、深夜0時に食べるカレーの味が激ウマで…

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2024年05月23日 05:20  Sirabee

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Sirabee

(©ニュースサイトしらべぇ)

インバウンド効果も相まって、連日観光客が大挙して訪れる首都のランドマーク「東京スカイツリー」。その“麓”に昭和のまま時間が止まってしまったかのような、…否、たぶん完全に止まっている超レトロな食堂がある。1948年創業の「キクヤ」だ。

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■深夜0時に開店

東武「とうきょうスカイツリー駅」から徒歩3分。スカイツリーまでは約100mの場所にある「小梅通り西交差点」にキクヤはある。

入口は電灯で明るく照らされているものの、のれんが半分ひっくり返っている、さらには店頭ショーケースの照明がないせいで、営業しているかどうかちょっとわからない雰囲気を醸し出している。再開発が進んだここ押上エリアでは、明らかに外観が異質だ。

同店は、深夜0時開店、14時閉店という超独特な営業時間で続けてきた変則店。それゆえ記者は長年同店オープン時間に行きたいと思っていたが、終電の関係で行くことができなかった。まさに砂漠の遥か向こうに見えるオアシス的な幻の店なのである。

 

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■映画のワンシーンに入り込んだかのよう…

この日は車を借りて深夜0時に同店へ。入口から足を踏み入れると、そこには別世界が広がっていた。

机も椅子も懐かしいデザインで、壁に貼られたメニューはすべて手書き。喫煙可ということもあってか、店内ほぼすべての物が長年の紫煙のせいで茶色に色づいており、セピア色に彩られた映画を見ているかのようだった。

「はい、いらっしゃい。お一人さん?」とご主人が出てきた。「外は寒かったでしょう。どうぞ好きな場所に座ってよ」と笑顔で語りかけられ、瞬時にお人柄の良さを感じた。

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■衝撃価格のカレー

この店は根強いファンが多い。薄っぺらい“エモい”“昭和レトロ”という言葉では表現できないほど重厚かつ懐かしい空気が漂っており、ネットでは「R45」と推奨年齢を代弁するファンもいる。

メインメニューはカレーライス(300円)と讃岐うどん(500円)。カレーは一杯300円という衝撃価格だ。

にも関わらず、スープのよう飲む用なのか「カレールー」なるメニューは500円とところどころ謎も潜んでいる。その他、酒類やつまみのキムチやハムエッグなど、すべては壁を見てメニューを確認する。

営業時間の謎をご主人に聞くと、「近くにタクシー会社があって、仕事上がりのドライバーさんたちが飲んで行くんだよ。座敷席で休んだり、食事しながら談笑したり。そこにある洗濯物はドライバーさんに頼まれた物。代理で出してあげている。早く取りにこないかなぁ」と、嬉しそうになんでも話してくれる。

 

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■怪しい“金庫”の正体

ご主人は「僕は王(貞治)さんと同い年。83歳。最近は面白い店とTVなどで紹介されて若い人も来てくれるんだよ」とも教えてくれた。

そして件のカレーは、じつに濃厚で美味。具材から旨味とコクがしっかり出ており、スパイスとのバランスも最高。トロトロというよりドロドロに近い口当たりで、ピリッとくる辛さがアクセント。

具材には肉や玉ねぎなどの他、しいたけを使うのがポイントだとか。

大量に煮込んでから冷蔵庫で寝かせてコクを出すらしい。あまりの美味しさに大盛りにすべきだったと後悔しつつも、ハムエッグを追加で食べ腹八分目でフィニッシュ。

食べ終わり会計をしようと立ち上がると、古い金庫らしき物が目に入った。

見ているとご主人、「これなんだと思う!? じつは昔の冷蔵庫なんだよ。大きな氷を入れて使ったんだ。今は戸棚として使っているけどね(笑)。ほら」と中を開けて見せてくれる。

昭和、平成、令和と歴史を刻んだキクヤ。ここでしか体験できない唯一無二の空間が確かにあったのである。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)
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