「だからこそタカとユージでいられる」舘ひろし&柴田恭兵が、ずーっと仲良しでいられる理由

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2024年05月24日 06:00  週刊女性PRIME

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舘ひろし、柴田恭兵 撮影/渡邉智裕

 タカこと鷹山敏樹(舘ひろし)&ユージこと大下勇次(柴田恭兵)。ダンディーでセクシーなふたりによる『あぶない刑事』は'86年に連ドラでスタートし、最高視聴率は26.4%!

 これまでにドラマ(スペシャルを含む)は3シリーズ、映画は7本公開されてきた。前作から8年、ついに最新作が公開される……!

 前作『さらば あぶない刑事』('16年)で刑事を辞したふたりは、ニュージーランドで探偵事務所を開業。8年の時を経て『帰ってきた あぶない刑事』はふたりが探偵として横浜に戻ってくるところから始まる。

アクションは「キレがなくてもいい」

ーー8年ぶりの劇場版。その製作を聞いたときの気持ちは?

柴田恭兵(以下、柴田) 僕はね、最初“もうやらなくてもいいじゃない”と思った。『さらば あぶない刑事』で完結していると思っていたから。
 でも、今作ではタカとユージの娘かもしれない女性(土屋太鳳)を登場させると聞いて。ふたりの父親としての顔や思いが出せたらそれは素敵かな、と。“やりましょうか”とお返事しました。

舘ひろし(以下、舘) 僕はオファーをいただき、すごくうれしかったですね。気持ちのうえでは『さらば あぶない刑事』で終わっていたから“もうないかな”と思っていたけど、また恭サマとご一緒できる。ただ、体力的にアクションがちゃんとできるかだけが心配で(笑)。

柴田 でも8年ぶりって感じは本当にしなかったんですよね。感覚的には3年ぶりくらい?

 そう。全然しなかった。年を取るとね、1日が早いから(笑)。たとえ久しぶりであっても、会った瞬間からタカとユージにはすぐなれます。

ーー心配もあったというアクションシーン。やっぱりカッコよかったですが、準備はされたんですか?

 僕はオートバイに乗ってるだけなので、体力はいりませんから(笑)。ただ8年前からずっと乗ってなかったので、一応慣れておこうと思って、初日に20分ぐらい乗ったかな? やっぱり20〜30分乗ると、自分の身体に馴染んでくるから。

柴田 もう暴走族ですから(笑)。昔から逆立ちして乗ってましたからね(笑)。

 逆立ちはしてないけど(笑)。ただ、恭サマは大変だったと思う。まったく変わらず、あれだけ走れるってのは本当に素晴らしいと思います。

柴田 僕は昔ほどキレがなくてもいいと本当に思っていたんですよ。70歳を過ぎたふたりの元刑事の話ですから、年相応にというか。もちろん、頑張って一生懸命やりましたけど。

 ただ70歳を過ぎても一生懸命走っている姿はキレキレじゃなくてもいいと思った。たとえヘロヘロでも、もしかしたらそっちのほうがカッコいいんじゃないか、と。それを見てほしいと思って、やっていましたね。

 ラストにふたりでジャンプするお決まりのシーン、思ったより跳べないんですよ(笑)。あれ、カメラはすごい下から撮ってるんですよ(笑)。

柴田 舘さん、20センチくらいだったと思う(笑)。それをね、合成でググーッと(笑)。

 あはははは。

金髪美女を連れてフラッと現れた

ーーおちゃめな冗談が飛び交い、とっても仲良しなふたり。普段から交流も?

 たま〜に一緒にゴルフをすることはありますけど、基本的にはプライベートで会わない。だからこそ、タカとユージでいられるのかなという気がします。

柴田 本当に。テレビシリーズのときから、“撮影が早く終わったからみんなで飲みに行かない?”っていうことが1回もないんですよ。浅野(温子)さんや(仲村)トオルくんを含めて。
 そんなプライベートの部分に立ち入らない微妙な距離感だからこそ、いつも新鮮で、いつも楽しくて、いつも仲良し。

 だから、いつもタカとユージのまま。舘ひろしと柴田恭兵という関係はないんですよ、きっと。

柴田 よーいドンのタイミングから、ずーーーっと仲良しなんですよね。

 そうだよね。それぞれにないところがみんなあって。お互いがお互いを支え合っているんじゃないかな。恭サマは僕にないものを持っているから、やっぱりすごいと思う。

 ふたりが並んでいると似ているように見えるかもしれませんが、でも俳優としては重なり合うところがない。立ち位置のようなものは、対角線くらい離れている。感性とか、芝居の仕方とかね。だから、面白いんじゃないのかな。

柴田 『あぶない刑事』('86年)でコンビを組むってお話をいただく数年前かな?近所にある、食事ができるプールバーに行ったんですよ。そこに舘さんがフラッと現れて。金髪の美女を連れて(笑)。

 あははははは。

柴田 すっごくカッコよかったんです。すっごくダンディーで。

 やめてください!

柴田 その何年か後に“舘さんと一緒にやりませんか?”と『あぶない刑事』のお話をいただいて。まったく僕にはないカッコよさ、ダンディーさがあるから、“ぜひやりましょう”とお返事しました。舘さんは、ずーーーっとダンディーです。ずーーーっと女性のことしか考えていない(笑)。

 それはまったく否定しませんけど(笑)。

柴田 プールバーでは“見かけた”という感じで。ちゃんと対面したのは『あぶない刑事』の撮影初日でしたね。

ーー最初から息ピッタリだったんですか?

柴田 そうですね。ただ最初は僕がアドリブを言ったりすると、舘さんが戸惑う感じがあったかもしれない。それを舘さんが“なんかうまくできていない。カッコ悪い感じがする”と僕やプロデューサーに相談してくれて。

 そのときに“やっぱり、すごく素敵な人だな”と思ったんですね。なかなか言いづらいじゃないですか。でも、根っこの部分でとっても優しかったり、弱い部分も見せてくれたりする。

 そんなことがあって“この人とだったら、きっと素敵なものができる”と確信しました。そもそも、舘さんはアドリブを受け入れても受け入れなくても、そこにいるだけでカッコいいんだから。

『あぶない刑事』撮影の前に“どういうお芝居をする人なんだろう”と思って、恭サマの映画『チ・ン・ピ・ラ』('84年)を見て臨んだんですが、それまでに見たことのないようなお芝居をする人で。

柴田 あはははは。

 アドリブもだし、とにかくカッコよかったんです。ところがね、僕は最初、それをなんだか受け入れられなくて“変わったお芝居をする人だな”なんて思った。でも撮影が始まって1か月もすると、それが恭サマへの嫉妬だったことに気づいたんですね。

 恭サマは、僕にできないお芝居をさらっとやる人だと。そこからはすごく気が楽になって、恭サマのことを心からリスペクトできるようになった。そして、いろんなことがすごくうまく働き始めたような気がするかな。

やっぱりいちばんの代表作は“あぶ刑事”

ーーそんな38年前のスタート時、作品がこれほど大きくなり、長く愛されるものになると思っていましたか?

柴田 まったく思ってなかったですね、始まった当初は。

 本当に。最初にドラマ(『あぶない刑事』)を1年やって。すぐに映画を2本('87年『あぶない刑事』、'88年『またまたあぶない刑事』)。その後すぐにドラマ('88年『もっとあぶない刑事』)と映画('89年『もっともあぶない刑事』)をやったんだっけ?

柴田 かな?

 その後、僕は石原プロの作品をやることになって。でも本当はずっと『あぶない刑事』をやりたかった。なんでかっていうと、すごく面白くて、すごく楽しくて、すごく新しかったから。

 ただその後、映画を何本かできたので、すごくよかったなと思っています。僕にとってはというか、俳優にとって、やっぱり“代表作を持つ”ということはすごく大事なことで。僕にはいくつか代表作があるんですけど、やっぱりいちばんの代表作は『あぶない刑事』だと思っていて。『あぶない刑事』、そして恭サマに出会えたことは、僕にとっては非常に幸運だったなと思います。

柴田 正直、『あぶない刑事』がこんなにヒットするとは、もちろん思っていなくて。『あぶない刑事』をやったことで“もっと面白い作品を作りたい”“もっと素敵な作品はできる”という気持ちが生まれました。

『あぶない刑事』ですごく楽しいことをやったから、次は見る人を泣かせて、感動させるものをやりたくて。『はみだし刑事情熱系』('96年〜'04年)はそんな気持ちで(脚本を)書いてもらい、その方向に進ませてもらいましたね。

 でもやっぱり『あぶない刑事』の根っこにあるチームワークと面白さ。何作もやればやるほど、こんなにもファンの人が支えてくれている作品はない。ファンの人の思いはやっぱり感じていましたから、今回応援してくれたみなさんに恩返しのような作品ができたことは、とてもうれしいですね。

ーー最後に、本作の見どころをお願いします!

 今回の『あぶない刑事』は新しい監督&新しいカメラマンなど、本当に若いスタッフと撮っているので。きっと若い方が見ても、今までとはまったく違った『あぶない刑事』がお届けできていると思います。

柴田 ファンの人はもちろん、今まで見たことのない人にも、ぜひおすすめです。見終わったときに“あー、とってもよかった!”と思ってもらえる、素敵な映画になっているはずです。

ーー5月24日の公開を目前に恐縮ですが、さらなる続編もお待ちしています!

「あはははは。そう言っていただけるとうれしいです」

柴田「ありがとうございます(笑)」

5月24日(金)公開『帰ってきた あぶない刑事
出演/舘ひろし、柴田恭兵、浅野温子、仲村トオル、土屋太鳳 ほか
(C)2024「帰ってきた あぶない刑事」製作委員会

撮影/渡邉智裕 ヘアメイク/岩淵賀世(舘)、澤田久美子(柴田) スタイリング/中村抽里(舘)、古舘謙介(柴田)

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