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ラジオでは、パンへの愛をポエムで語る場面も
――まずは、『EARLY GLORY』のナビゲーターを務めることが決まったときの率直な気持ちから聞かせてください。小林:「えっ!? ほんとに?」と驚きました。ラジオ番組にレギュラー出演したのは、2023年1月〜6月に、サッシャさんがナビゲーターを務めるJ-WAVE『STEP ONE』でアシスタントのノイハウス萌菜さんの産休に伴い、代理アシスタントを務めたのが初めて。その後、同じ年の7月31日〜8月3日には『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)、10月8日には『ARROWS』(ナビゲーター:チャラン・ポ・ランタン もも)のお留守番ナビゲーターをさせていただいたのですが、まさか、初めてアシスタントをした約1年後に、3時間の生放送番組を一人でやることになるとは……。「誰か一緒じゃないの!?」と思ったりもしましたね(笑)。
――手ごたえなどは感じていますか?
小林:そうですね。ナビゲーター初心者ということで、初回放送時はガチガチに緊張して、とにかく必死でした。でも、リスナーの皆さんが本当にあたたかく迎えてくださって。たとえば、番組のコーナー「TOKYO BREAD LOVERS」では、私がパンへの愛をポエムにして語る場面があるんですけど、そのポエムに対して、リスナーの方がツッコんでくれたり、乗っかってくれたりもして。そんなふうに、回を追うごとに「かっこつけずに伝えてもいいんだな」という空気感が少しずつ生まれてきたのではないかなと手ごたえを感じています。
朝ドラ視聴者からは「日曜日はわりとポップな人なんだね」
――直近の放送を聴かせていただいたのですが、日曜の早朝にピッタリな明るく元気な語り口であるように感じました。小林:ありがとうございます。最初は正解を出さないとと真面目ぶったところがあったのですが、スタッフさんに「自分らしくやっていいんだよ」と言われてから、だんだんと自分らしく楽しく、ポジティブな要素が強まってきたような気がします。やはり、日曜朝の番組ですし、これから休日が始まるというときに堅苦しいのは嫌ですから。聴いてくださっている方の「今日がよくなるように」という願いを込めて放送をしています。その思いが、自然と声に乗っているのかもしれません。
――ということは、3時間の生放送にもうすっかり慣れたということでしょうか?
小林:まだ全然、慣れてません(笑)。今も生放送終了後には反省会を行い、毎週3回くらいは放送の音源を聴き返して改善に努めています。とはいえ、番組ではそのときの空気感やリスナーさんとのコネクティングを大切にしているので、たぶん慣れることは一生ないんじゃないかなとも思っています。
――ナビゲーターを始めたことでどんな反響がありましたか?
小林:NHK連続テレビ小説『虎に翼』で演じている久保田聡子は日本で初めての女性弁護士役なので、月〜金に放送される同ドラマで私のことを知り、『EARLY GLORY』を聴いてくださった方から「日曜日はわりとポップな人なんだね」とおっしゃっていただいたことが印象に残っています(笑)。
――番組で今後やりたいことがあれば教えてください。
小林:『EARLY GLORY』では「こどもみらいプロジェクト」とコラボした「LITTLE SUNSHINE CLUB」という子どもたちから届いた質問に答えるコーナーを展開しています。このコーナーに寄せられる質問の中には面白いものがたくさんあり、「大人になってなぜ自分は疑問を持たなくなってしまったんだ」と毎回刺さりまくるんです。そういった気付きが多い番組でもあるので、食とキッズ、環境とキッズといった具合にコーナーとコーナーがリンクして、大人も子供も皆一緒になって学んでいけるような新しいスタイルの番組になるといいなと考えています。
パラレルキャリアで「切り替え」をやめた理由
――小林さんは俳優のほか、農業従事者、経営者の顔を持ち、いわゆる「パラレルキャリア」を歩まれています。全く異なるジャンルのお仕事をする上で気持ちの切り替えなどはしているのでしょうか?小林:以前は、切り替えようとしていたんですよ。だけど『EARLY GLORY』でも、旬の食材の生産者さんや料理人の方とお話しするコーナー「WONDERFUL HONEST」がありますし、先日はNHKで生産者さんをテーマにした番組にもゲスト出演しました。そもそも小林涼子という人は一人。取り組んでいることはいくつかありますけど、すべてがアイデンティティだから、切り離せるものではないんですよね。だから「もういいかな」と受け入れたというか。無理にカッチリ切り替えていく必要はなく、その時々で求められる側面を自然体で見せていけたらいいと考えています。
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小林:それでいうと、私は万年五月病のようなものです。早く寝たいし、昼寝したいし、なんなら朝だって二度寝したいし、出勤もしたくない(笑)。
――全然そのようには見えませんでした。
小林:いやいや、私も普通の人ですから。できるだけ何もしないで生きていたいですよ(笑)。どちらがいいかの問題だと思うんですよね。私はおいしいものが大好きです。なので、寝ることと天秤にかけたとき、頑張って働いておいしいものを食べ続けられる未来を創っていくことのほうを優先したい。ただそれだけなんですよ。
――それでは、そんな「寝たい」「働きたくない」となったときに自分を奮い立たせるコツがあれば教えてください。
小林:私はとりあえず、足の親指に力を入れることから始めています。不思議なもので、足の親指に始まり、足の指先、足の裏全体と順番に力を入れていくと、脚が動くんですよ。脚が動けば、どうにか身体を起すことができる。だから、『EARLY GLORY』の生放送当日は朝の2時半〜3時には起床しているんですけど、この「まずは足の親指に力を入れること」を実践しています。とはいえ、ラジオは大好きなので、スタジオに来さえすればすごく楽しいんですけどね。
20代の「自分探し」が30代の糧に
――小林さんはインタビューなどで「20代は暗黒時代だった」と度々語られていますよね。その暗黒時代だった20代を経て、迎えた30代の今をどう捉えていますか?小林:私も30代中盤を迎え、今年の11月には35歳になります。いわゆる「アラフォー」と呼ばれる年齢に差し掛かりました。周りからは「結婚はするの?」とか「これからのキャリアはどうするの?」とか聞かれて、「何だか残酷だなぁ」と感じることもあります。それに、女性が社会の中で活躍していくことに難しさを感じたり、苦しい日だって当然あります。でも、ボトムだった20代と比べると、当時想像していなかったようなチャンスをもらえて、お仕事ができて、キャリアを歩めている30代のほうがよっぽど楽しいんですよね。もちろん不安もあるんですけど、きっと40代はもっと楽しいんじゃないかなって、最近期待を持てるようになりました。
――30代に入ってから、俳優および経営者としてより一層活躍されているようにお見受けしますが、ご自身の経験を踏まえて、30代以降の人生・キャリアを豊かなものにしていくために、何が必要だと考えますか?
小林:若い頃にひたすら苦しむことだと思います。20代の頃、私はずっと自分探しをしていました。色んな本を読んで、色んな習い事をして、色んな場所へ足を運びました。今考えれば、タイパもコスパもめちゃくちゃ悪かったのですが、様々な経験をしたからこそ、好きなこと、続けられることが見つけられた気がするんです。なので、苦しんでも何でも、まずはやってみることが大事……というのが私なりの考えです。
――最後に、番組を楽しみにしているリスナーの方、ファンの方に向けてメッセージをお願いします。
小林:ぜひ参加していただけたら嬉しいです。『EARLY GLORY』は、リスナーさんからたくさんのコメントをいただきながら作っていく、私の番組というよりみんなの番組だと思っています。この番組の行方がどこになるのか見守りながら、参加していただきながら、皆さんと一緒に歩んでいけたらいいなと思っています。
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(取材・文=小島浩平)