スバル、トヨタ、マツダの3社が電動化時代に向けた新たなエンジン開発を三社三様で宣言

2

2024年05月28日 18:50  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

スバル、トヨタ、マツダの3社が電動化時代に向けた新たなエンジン開発を宣言した。
 5月28日、スバル、トヨタ自動車、マツダの3社は、カーボンニュートラル実現に向けて、電動化に適合する新たなエンジン開発を三社三様で宣言した。新たなエンジンでは、モーターやバッテリーなどの電動ユニットとの最適な組み合わせを目指していくほか、エンジンの小型化によるクルマのパッケージ革新に加え、多様なカーボンニュートラル燃料にも対応することで、内燃機関でのカーボンニュートラルを実現する。

 この3社は、スーパー耐久ST-Qクラスを使ってカーボンニュートラルへの挑戦を続けている3社であり、カーボンニュートラル実現に向け『敵は炭素』、『意志ある情熱と行動で選択肢を広げよう』というキャッチフレーズをを掲げ、エンジンとそれを支えるサプライチェーンや雇用の未来を見据えた取り組みを続けてきた。

 3社はレースという極限状態の場を使い、2023年から投入された液体水素エンジン車、2022年から登場したCN燃料を搭載した車両で参戦するなど、パワートレーンや燃料の選択肢を広げる活動を進めてきた。

 そうしたなか、カーボンニュートラル実現に向けた未来のエンジンの役割が明確になってきたという。次世代のエンジンはエンジン単体の性能向上だけではなく、電動ユニットと組み合わせることを前提に、エンジンと電動ユニットがそれぞれの得意領域で最適に機能することを目指すという。

 また従来のエンジンと比べて、高効率・高出力を実現しながら小型化し、クルマのパッケージを革新させていく。これによりエンジンフードをさらに下げることができ、デザイン性と空力性能を向上させながら、燃費性能の改善にも貢献する。また今後厳しくなる排気規制への対応も念頭に開発を進めるとしている。

 さらに、新エンジンは化石燃料から脱却。eフューエルやバイオ燃料、液体水素など多様な燃料に対応することでカーボンニュートラルを実現する。これにより、新エンジンはCN燃料の普及にも貢献していくとする。27日には、出光興産、エネオス、トヨタ自動車、三菱重工業の4社がカーボンニュートラル燃料の導入、普及に向けた検討を開始したと発表したばかりだ。

 この発表に合わせ、トヨタは開発中の1.5リッター直4エンジン、2リッター直4エンジンを公開。マツダは1ローター、2ローターのロータリーEVコンセプトを公開した。またスバルは次世代ハイブリッドシステムを公開している。

 今回の好評にあたり、スバルの大崎篤代表取締役社長・CEOは「カーボンニュートラル社会の実現は、日本の産業界・社会全体で取り組む課題です。私たちはクルマの電動化技術を磨くとともに、カーボンニュートラル燃料の活用に向けて、水平対向エンジン自身もさらに磨きをかけます。これからも志を同じくする3社で日本のクルマづくりを盛り上げてまいります」とコメントした。

 またマツダの毛籠勝弘代表取締役社長・CEOは「電動化時代における内燃機関を磨き、マルチパスウェイでカーボンニュートラルの実現可能性を広げ、お客様がワクワクするクルマを提供し続けます。電動化やカーボンニュートラル燃料と相性の良いロータリーエンジンを社会に広く貢献できる技術として育成できるよう、共創と競争で挑戦してまいります」とコメントしている。

 そしてトヨタ自動車の佐藤恒治代表取締役社長・CEOは「カーボンニュートラルに貢献する多様な選択肢をお客様にご提供していくために、未来のエネルギー環境に寄り添ったエンジンの進化に挑戦してまいります。志を共有する3社で、切磋琢磨しながら技術を磨いてまいります」とコメントを残した。

 これらの取り組みのなかで、3社はエンジンやクルマの“味付け”など商品づくりの分野では“競争”しながらも、マルチパスウェイでのカーボンニュートラルを実現するという同じ志のもと、エンジンへの想いや技能を持つ仲間とともに日本の自動車産業の未来を『共創』していくという。スーパー耐久ではST-Qクラスに参戦するメーカーたちが『共挑』のコンセプトを掲げているが、似た言葉で表現されている。

このニュースに関するつぶやき

  • 陰謀めいたBEV一辺倒ではなく、走る楽しさを最優先させた脱炭素を目指す。日本企業の考え方に他国が同調してくれれば良いのだが。
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングスポーツ

前日のランキングへ

ニュース設定