警視庁本部=東京都千代田区 東京メトロが保管していた遺失物を落とし主に成り済ましてだまし取ったとして、警視庁下谷署は29日までに、詐欺容疑で、東京メトロ元社員の無職米田陽斗容疑者(25)=千葉県松戸市上本郷=を逮捕した。容疑を認めているという。
逮捕容疑は4月28日、東京メトロ飯田橋駅構内の「お忘れ物総合取扱所」で、現金約16万円などが入った遺失物の財布を落とし主に成り済ましてだまし取った疑い。
同署によると、米田容疑者は社内のシステムで名義不明の遺失物を検索していた。自身が拾った他人の運転免許証を身分証として、財布やICカードなどを繰り返し詐取した疑いがあり、同署は関連を調べている。
東京メトロなどによると、米田容疑者は顔を隠すなどして財布を受け取っており、受取人の名義やシステムの検索履歴などを社内で調べたところ、同容疑者の関与が浮上した。社内調査で計6回、他人の遺失物を詐取したことを認め、同社が被害届を出していた。
飯田橋駅務管区の駅員だった米田容疑者は処分を受け、5月20日に退職。同社は「信頼を著しく損なうもので、ご迷惑をおかけしたことを深くおわびする。再発防止に努める」としている。