東京のウーバーイーツ自転車配達員が稼ぎの上乗せを期待できる「イベント特需」【チャリンコ爆走配達日誌】

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2024年05月30日 07:40  週プレNEWS

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都内で稼ぎを増やすには「イベント特需」を狙うのもひとつの手です

連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第51回

ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!

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6年半も自転車配達員をやっていると、どの曜日のどの時間帯に注文が多いのか、流れがなんとなくつかめてきます。

私がよく配達をしている東京都中央区では平日の場合、朝6時半から7時半までが個人宅への朝食、昼11時から12時半がオフィスか個人宅への昼食、夜6時30分から8時30分が個人宅への夕食のピークタイムで、そのほかの時間帯は1時間に1、2件の配達依頼が入るかどうかという状況です。

そんなわけで、土休日や年末年始といった特別な日でなければ、稼ぎはMAXで1日1万円程度となります。正直、自転車を1日漕いでこの金額は、副業とはいえ厳しい数字です。ですが、あらかじめイベントの情報を仕込んでおけば、稼ぎを2000円から3000円ほど上乗せすることが可能です。今回は都内で稼ぎを増やすためのポイント、イベント特需についてのお話です。

今はちょうど東京都内の各所でお祭りが開催される時期。今年も浅草の三社祭が5月17日から19日まで、神田祭も5月14日から17日にかけて開催されました。他にも6月7日から9日の台東区の鳥越神社の祭りや、6月7日から17日にかけて行なわれる千代田区の日枝神社の祭りなど、5月や6月は都内各地で大きな祭りがあります。

大きなお祭りの際には大規模な交通規制が敷かれます。神輿や山車などが通る大通りでも通行止めとなるため、自転車配達員以外は神社周辺のマンションに配達するのは困難な状況となります。

さらに、神社周辺の個人飲食店の方はお祭りに参加するため店を休業、飲食チェーン店には祭りに参加する人や見物する人たちが殺到するため、神社周辺のタワーマンションなどに住む、祭りに参加されない方にとって、この期間は外で気軽に食事ができなくなります。

5月、6月は一般的には連休も終わり、大きなイベントのない季節のイメージですが、自転車配達員にとって有利な条件が重なる祭りが多いこの季節は大きな稼ぎどき。ということで、この時期は会場から2、3km離れた飲食店の多い繁華街でスタンバイ。祭りが開催されているエリアに建つマンションからの「イベント特需」を虎視眈々と狙っています。

続いて紹介する「イベント特需」は、夜8時30分以降に発生するもの。

冒頭で書いたように、私が配達するエリアではこの時間を過ぎると依頼がグッと落ち込み、3時間粘っても1000円ほどしか稼げないことが当たり前のようにあります。そこで狙うイベントが、東京ドームのK-POPのアーティストたちによるファンミーティングです。

東京ドームで行なわれるファンミーティングは、たくさんのグループが一堂に会するものが多く、日本全国からファンが集まってきます。公演は夜9時頃に終了するため、各地からやってきたファンは東京ドーム周辺のホテルに宿泊します。周囲の飲食店はすぐに満席となるので、ホテルに料理を運んでほしいという依頼が10時前後に殺到します。さらに、アーティストたちも海外からやってくるため、近隣のホテルに宿泊。10時から11時にかけてハイクラスのホテルへ運ぶ仕事が一気に増えます。

そこで、東京ドームでファンミーティングがある日は、夜8時30分を過ぎると神田や飯田橋など、東京ドーム近くでスタンバイ。稼げる時は、ファンミーティング特需だけで3000円から5000円を稼ぐことができます。

最後に紹介するのは引っ越し特需。大きな荷物は引っ越し業者に運んでもらえますが、棚に食器を入れたり、クローゼットに服を入れたりなどの細かい作業は引っ越す人が行なうもの。そんな作業の最中、引っ越し先の知らない街で飲食店を探すのは面倒。そんな理由からでしょうか、引っ越し作業中の現場に配達することは結構あります。

そんな引っ越し特需は3月に多いのですが、私が配達しているのは東京の湾岸エリア。ここでは現在もタワーマンションが次々と建設されています。マンションは季節に関係なく完成すると入居が始まるため、引っ越しが重なる土日に配達依頼がドカンと増えることがあります。

私は土日にライターの仕事をしているため、普段、マンション特需の恩恵はないのですが、夏休み、冬休み、春休みといった学生の長期休みの期間に引っ越しをされるご家族が多いので、普段から湾岸エリアの新築マンション情報をチェックして、この時期の引っ越し特需を狙っています。

ただ、マンション特需で注意しなければならないのは、新しい土地に建てられたものなので、配達員用アプリの地図ソフトに配達場所がちゃんと表示されない可能性が高いということ。また、注文者もマンションへの入り方がよくわかっていないケースが多く、マンションにたどり着いてから部屋に届けるまでに時間がかかってしまうこと。この点をしっかり把握して、注文者にあらかじめ伝えておかないとBAD評価を受けてしまうこともあるのでご注意を。

文/渡辺雅史 イラスト/土屋俊明

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