「母親の過干渉が原因」で婚期を逃す職業は断トツで「医者」。“マザコンが多い”納得の理由

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2024年05月30日 16:21  日刊SPA!

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 こんにちは。結婚相談所「マリーミー」で代表を務める植草美幸です。設立15年、累計約1000組のカップルを成婚に導いてきました。
 今年2月に放映された、『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)での特集をご覧になられた方もいらっしゃるでしょうか。番組の内容は、当社の婚活中の会員の方々に密着したもので、大変な反響をいただきました。

 本連載では、特に男性向けの恋愛や婚活のノウハウを、婚活最前線の現場からご紹介いたします。もしあなたがモテたいと思うなら、結婚したいのならば。実績に裏打ちされた自信がありますから、覚悟してついてきてくださいね。

◆婚活市場で無双できそうな男性が、なぜ?

 今回のテーマは、最近SNSで論争のタネとなりがちな“ハイスペ弱男”についてです。恋愛市場ではもとより、婚活市場でも無双できそうな彼らが、なぜ“弱男”状態に陥ってしまうのでしょうか。

 多角的に問題を捉えることは可能ですが、原因として最初に疑うべきは「ママ」。

 母親がどんな存在で、現在までどのような関係性でいるのか。言葉を選ばず言えば、マザコンであること、すなわち精神的な自立を親子ともども果たせていないことが、弱男化の原因であるケースが非常に多いのです。

 この“マザコン”問題が深刻なのは、当人たちには一切その自覚がないことです。稼ぎがあるばかりに、「親子仲が良いだけ」「親孝行なだけ」と、客観視できぬまま勘違いを続け、ドツボにはまる人が後を絶ちません。

◆「ブスだし品格もないし教養もない」と婚約者を一蹴する母

 とはいえ、言葉を尽くした抽象的な説明より、具体的なエピソードの方が納得感を抱いていただけるでしょうか。私が過去に戦慄した、とある元会員のお母様の発言から紹介します。

「ブスは嫌なんですけど……もっと綺麗な子はいないんですか? 孫までブスになったら困るんです」

 息子さんは40歳くらい、お相手の女性は一回り以上年下の26〜7歳ほどで、年齢や経歴など、男性側が事前に提示されていた希望条件をすべて満たした、奇跡的な女性でした。

 いくら医者とはいえ、この年齢差を許容されるには、スマートな振る舞いの容姿端麗な男性でないとなかなか成婚には至れません。この方は「医者」という肩書き以外は、正直大きなアピールポイントはありませんでした。

 そうした状況のなか、やっとのことで巡り会えた貴重な女性と、初めての挨拶で顔を合わせるなり、即「嫁失格」の判を母親が押すのです。

「顔がマズければ、服装も趣味が悪い。主人と話す様子を見ていても、教養や品格をまったく感じられない。おまけに近眼だなんて、ありえません。息子は外科医なのだから、目が命。孫が近視を引き継いでしまったら、外科医になれないじゃありませんか。主人は東大出の学者で、息子は医者です。こんなひとつもいいところがない女性とは、釣り合うわけがありませんから、結婚は認めません」

 ちなみに挨拶の日程よりも前にあった女性の誕生日には、男性本人ではなく母親から、「若い女性にはなにを贈ったらいいかしら」と、相談を受けました。買いに行くのも母親で、男性はお膳立てされたプレゼントを渡すのみ。

 そんな息子はもちろん母親の傀儡ですから、母親にダメ出しされるなり、当日中に交際終了を申し出ました。

◆息子に嫌われたくないから、相手の女性を“いびる”

 次の事例は、ラジオに寄せられたとある女性からの相談を紹介します。

 相談者の女性は、26歳の公務員。20歳から交際を続けているというお相手は、29歳の弁護士で、実家も弁護士事務所とのこと。

 交際6年にして、初めてお相手の実家でご両親と対面したそうです。終始和やかなムードで会話は弾み、つつがなくお開きとなるかと思いきや、彼がお手洗いに立ったタイミングでお母様からこんな爆弾が。

「あなたは学歴も低いし、弁護士事務所の大変さも理解していない。息子にとって、あなたはふさわしくない」

 このように、「息子に嫌われまい」と、息子本人に反対の異を唱えるのではなく、お相手の女性を“いびる”ことで、交際や結婚を妨害する親も実在するのです。

 本ケースがその後どのような展開となったか、続報はありません。

 けれど、交際相手の女性が母親から不当な扱いを受けたことを知ったときには、「うるさい! 黙っておいてくれ」とばかりの強気で言い返せる覚悟が必要です。

 そうでなければ、子離れできていない母のもとでの恋愛や結婚には暗雲が立ち込める未来になるでしょう。

◆ママにダントツ注意すべきは「婚期を逃した医者」

 ただ、ハイスペと一口に言っても、その仕事はさまざまです。

 しかし、これまでご紹介した事例のように、ママや家庭が非モテの最大要因となっているハイスぺは、「医者」である場合が圧倒的多数です。

 つまりマザコン問題は、社会的地位も給与も昔から高い、クラシカルでお堅い仕事ながらも婚活に苦戦している人たちが抱えている例が多いのです。

 ハイスペ息子をマザコン化させてしまうチャイルドコンプレックスの母親は、旧態依然とした価値観に固執しています。そんな彼女たちは、「医者こそナンバーワン職業」的な考えを持っています。

 先進トップIT企業に高待遇で勤務している人や、外資金融マン、青年実業家など、そのほかの現代的高年収エリートの存在をほとんど知らず、その人気ぶりも言うまでもなく知らない。

 だから、我が息子の婚活市場価値を過大評価してしまうのです。とりわけ、「医者の母」が頭一つ抜けている要因はおそらく、世襲率と教育投資額の圧倒的な高さでしょう。

 手塩にかけ期待をかけ、数千万円の大金をかけ、ようやく育て上げた自慢の息子24歳。認識がそこで止まったまま、10年も20年もの時の流れに、追いつけていない母親がたくさん存在しています。

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 時代は変わり続けるものです。並行して、今を生きる人たちの考え方や価値判断も、常に更新されていきます。

 狭くて居心地の良い「実家」という世界に居座り続けてはいないでしょうか。世や人の変化に対して、主体的かつ柔軟な応答をしなくなっては、どんなに地位や稼得能力が高くても、交際相手から幻滅されるのが現代です。

 血縁であるお母様でなく、今目の前にいる相手の言葉や態度を真摯に受け止めること。これが“ハイスペ非モテ”脱却の、ファーストステップと言えるでしょう。

<TEXT/植草美幸>

【植草美幸】
結婚相談所マリーミー代表取締役、恋愛・婚活アドバイザー。 1995年にアパレル業界に特化した人材派遣会社エムエスピーを創業。そこで培ったマッチング能力・人材発掘力を生かし、2009年に結婚相談所マリーミーを設立。日々カウンセリングを行いながら、セミナーの開催、テレビやラジオへの出演など幅広く活動中。著書に『ワガママな女におなりなさい 「婚活の壁」に効く秘密のアドバイス』(講談社)、『モテ理論』(PHP文庫)など

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