現在61歳。あと2年は、月収14万円ぐらいのパートを続ける予定。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えるの?

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2024年05月30日 20:30  All About

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年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、現在61歳の相談者があと2年間、月収14万円のパートを続けると、どのぐらい年金が増えるのかについてです。
老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、現在61歳の相談者があと2年間、月収14万円のパートを続けると、どのぐらい年金が増えるのかについてです。

Q:現在61歳。あと2年は、月収14万円ぐらいのパートを続ける予定。将来もらえる老齢厚生年金は、いくら増えるの?

「現在61歳です。あと2年は、月収14万円ぐらいのパートを続けようと思います。将来もらえる老齢厚生年金は、いくらぐらい増えますでしょうか?」(匿名希望)

A:年額約1万8416円(月額約1535円)、老齢厚生年金を多く受給できます

日本の公的年金制度は、国民年金(1階部分)と厚生年金(2階部分)の2階建てで構成されています。自営業やフリーランスが加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2種類があります。

厚生年金に加入すると、自動的に国民年金にも加入することになります。厚生年金加入者は、老齢基礎年金(1階部分)に、老齢厚生年金(2階部分)が上乗せされた老齢年金が受給できます。

老齢年金受給額の計算方法は、老齢基礎年金と老齢厚生年金で異なります。

老齢基礎年金は、収入金額にかかわらず、国民年金保険料を支払った期間や免除期間などによって計算されますが、老齢厚生年金は、厚生年金保険料を支払った期間と、現役時代の収入(厚生年金の加入期間の収入:標準報酬月額・標準報酬額)によって計算されます。

老齢厚生年金受給額の計算

相談者が、61歳から2年間、厚生年金に加入して、パートで収入を得た場合の年金受給額は、老齢厚生年金に影響することになります。老齢厚生年金受給額を計算する時には、厚生年金に加入していた期間によって下記の2つの計算式に分かれており、合計した金額となります。

a:平成15年3月以前の加入期間
平均標準報酬月額×7.125/1000×平成15年3月までの加入期間の月数

b:平成15年4月以降の加入期間
平均標準報酬額×5.481/1000×平成15年4月以降の加入期間の月数
(※昭和21年4月1日以前生まれの人については、給付乗率が異なります)

相談者が61歳から2年間、月額14万円でパートとして厚生年金に加入した場合

では相談者が、61歳から2年間、平均月収14万円で厚生年金に加入した場合、老齢厚生年金がどれくらい増えるのか計算をしてみます。【b:平成15年4月以降の加入期間】の計算式を用います(平均標準報酬額を14万円、厚生年金加入期間480カ月として試算)。

14万円(61歳からの平均標準報酬額)×5.481/1000×24カ月(61歳からの厚生年金加入期間2年×12カ月)≒1万8416円

したがって61歳から、平均月収14万円で、パートとして厚生年金に2年間加入すると、年額約1万8416円(月額約1535円)が、老齢厚生年金に一生涯、加算されてもらえることになります。

老齢年金は、一生涯受け取れますので、老後生活の大切な支えとなります。健康を維持しながら働くことで、少しでも多くの年金を受け取れると、将来の不安が和らぐのではないでしょうか?

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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