黄土色の尿、乾いた脇の下…梅雨から要注意の熱中症!医師が教える“脱水のサイン”

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2024年05月31日 11:10  web女性自身

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今年の夏も猛暑が予想されているが、気をつけたいのは“梅雨”の時季。暑くないからと自分の渇きに鈍感な結果、おしっこが黄土色、熱中症で倒れるなんてことは避けたい。



気象庁の3カ月予報によると、今年も高温多湿の暑さが厳しい梅雨〜夏を迎えるようだ。気温が上がると注意したいのが脱水症や熱中症。



「脱水症は体に必要な水分量が減ってしまっている状態のことで、熱中症にもなりやすくなります」



こう話すのは湘南鎌倉総合病院 救命救急センター、救急総合診療科部長の関根一朗先生。



「気温が高くなると起きやすい熱中症ですが、湿度も高くなることによって汗をかきにくくなり、体温コントロールのしにくさにつながります。なので、梅雨の時季から患者が増えるのです。私たちの救急外来でも、毎年この季節になると、脱水症、熱中症の患者が非常に増えます」(関根先生、以下同)



人間の体の約5〜6割は水分だが、汗や尿などによって体外に排出される水分量や塩分量のバランスが崩れると脱水症になり、めまいやふらつき、頭痛、しびれなどの症状が現れる。さらに熱が放出されないと、熱が体内にたまってしまう熱中症に進んでいく。熱中症になると、血液の濃度が高くなって固まりやすくなり、心筋梗塞、脳梗塞などの生命の危機を招く重篤な疾患にもなりかねない。





■注意が必要なのは高齢者。りんごジュースで対策を



厚生労働省の調べによると、2022年に熱中症で死亡した人の86・3%が65歳以上の高齢者だ。高齢になると、口渇感が自覚症状として出にくくなる。そのため、喉が渇いていることに気づかず、いつの間にか脱水症状になっていることも少なくない。



さらに更年期世代の女性も意外と注意が必要なのだそう。ホットフラッシュなどの自律神経の症状が出ていると、脱水症状であることに気づきにくいかもしれないという。



「“こまめに”水分を取ることがいちばんの予防ですが、喉が渇いたらではなく、あらかじめ水を飲む時間を決めておいたり、トイレに行ったら水分を取るなど、意識的に水分補給を行ってください。また、水分を体内に入れるだけではなく、水分をため込むためにはミネラル分が必要です。理想は塩分を含んだ経口補水液を飲むことですが、塩味が苦手な場合はりんごジュースを水で2倍に薄めたものをおすすめしています」



補給する水分量は約1〜1.5リットル。少しずつ分けて飲むことが重要だ。ちなみにスポーツ飲料など、砂糖が加えられている飲料はおすすめしないと関根先生は言う。



「スポーツ飲料は塩分だけでなく糖分を多く含んでいます。糖分を含んだ飲み物は、胃腸の中に水分が引き込まれて、より脱水症状を招きかねません」



アルコール飲料には利尿作用があり、本人が気づかないうちに脱水症状を招くこともあるため、BBQや海水浴場など屋外での飲酒時には注意が必要だ。





■体の各所に現れる脱水の印を見逃さないこと



そんな脱水症状を未然に防ぐために、ぜひ知っておきたいのがセルフチェックの方法。関根先生に自宅でできるセルフチェックの方法をいくつか教えてもらった。



「脱水症状になると最初に現れるのが粘膜の渇きです。口の中が乾燥している、目が渇いている感じがするときは体の水分が不足してきているサインです。同時に脇の下も人間の体の水分と関係する部位で、常にしっとりしているはずなのですが、脱水症状になると脇の下が乾いてきます」



次に、鎖骨の下あたりにある皮膚を3秒ほどつまんで離す方法。



「皮膚が元に戻るのに3秒以上かかるようであれば、皮膚のハリの低下がみられる脱水症状のサイン。手の甲の皮膚をつまむ方法もありますが、手より太ももや鎖骨下の皮膚のほうが、正確性が高いです」



爪押しも有効性があるという。



「指先を心臓の高さに上げたうえで、もう片方の親指と人差し指で指先を5秒間圧迫します。その指を離したときに、爪の色が元のピンク色に戻るのに2秒以上かかる場合は、体の中の水分量が足りていない可能性が。ただ爪を圧迫するチェックは、原因が別のものである場合もあるため、ほかのチェックも加えて行いましょう」



さらに観察したいのが尿の色だ。



「野外で活動をしたりスポーツするなど、急に汗をかくことで体内の水分が急激に減って尿の色が濃くなる場合もありますが、高齢者の場合は、高温多湿な場所で過ごしている間に、日々、取る水分よりも体外に出る水分の量のほうが多くなり、数日〜数週間ほどかけてじわりじわりと脱水状態になっていく場合があります。これが一般的にいわれている“隠れ脱水症”というものです」



正常な尿の色は薄い黄色だが、赤、茶色が混じった褐色になると脱水症のサインの可能性がある。排尿の回数は一般的には1日に5〜7回が正常回数とされているので、排尿回数を確認するのもいいだろう。



こうしたチェック法を組み合わせて行うことで、脱水状態を見逃さないようにし、暑い季節を健康に過ごそう。

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