6月の食品値上げは「614品目」 円安値上げ「年後半にかけてさらに拡大する可能性」 帝国データ発表

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2024年05月31日 12:19  ORICON NEWS

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6月の食品値上げ「614品目」
 帝国データバンクは5月31日、同社調べで6月の食品値上げが「614品目」となり、「円安値上げ」が年後半にかけてさらに拡大する可能性があるとする調査結果を発表した。

【画像】昨年との比較も…月別値上げ品目数の推移

 同社は独自調査をもとに「主要な食品メーカー195社における、家庭用を中心とした6月の飲食料品値上げは614品目を数えた。大規模な値上げラッシュとなった前年同月(3775品目)に比べて3161品目・83.7%減と、6ヶ月連続で前年同月を下回ったほか、2ヶ月連続で1千品目以下の水準にとどまり、値上げ沈静化の傾向が続いた。また、値上げ1回あたりの平均値上げ率は6月単月で16%となり、22年以降で最高だった前月(31%)を大きく下回った」とした。

 また、「2024年通年の値上げ品目数(予定含む)は10月までの累計で8269品目となり、年間の平均値上げ率は17%となった。なお、23年の値上げ予定品目で8千品目到達が判明したのは22年12月時点だったのに対し、24年分では同年5月と、前年より5ヶ月遅いペースだった」と報告。

 この背景には、足元で急速に進む「円安」の影響があるとし、「24年(1-10月)に予定される値上げ品目のうち、『円安』要因の値上げは品目数ベースで29.2%となり、前年の同時期(11.5%)に比べて約3倍の水準に拡大した。要因として最も大きい「原材料高」は90.7%を占め、特に春以降の値上げで原材料高の影響が広がった。猛暑や干ばつなど天候不順による不作で、カカオ豆やコーヒー豆、オリーブ、オレンジなどの輸入果汁で価格高騰が目立った。国産食材でも、不作により海苔製品を中心に価格を引き上げたケースもみられた」と説明した。

 6月の食品値上げのうち、最多329品目を占めたのは「加工食品」。味付け海苔など「海苔製品」をはじめ、カカオ豆を使ったチョコレート菓子やココア飲料、オレンジ果汁を使用したジュース、乳製品のアイスクリーム類の値上げが目立った。7月以降は「パン」が、輸入レーズン等の価格高騰を受け一部製品で1年ぶりの値上げとなるほか、ワイン・ウイスキーなど輸入洋酒の値上がりするとした。

 今後については、「円安値上げ」が顕在化して「年後半にかけてさらに拡大する可能性」と見通した。34年ぶりの安値となった円ドル為替相場を「2022年半ば〜23年前半の値上げラッシュを引き起こした当時の円安水準を超えており、24年4月における円ベースの輸入物価指数は前年同月比6.4%の上昇となるなど影響が顕在化している。既に、24年通年の値上げ要因では全品目数のうち3割を『円安』が占めるなど影響力が増しており、今秋にかけて「円安値上げ」の割合がさらに高まる局面も予想される」と分析。「2024年後半の値上げは、店頭での値下げ圧力とコストアップの板挟みとなりながら、当面は月平均1千品目前後、年間で最大1.5万品目の値上げペースが続くとみられる。ただ、1ドル150円台後半の円安水準が長期化、または円安が一段と進行した場合、当初予想の品目数から上振れすることも想定される」とまとめた。
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