写真【今日のにゃんこタイム〜○○さん家の猫がかわいすぎる Vol.144】
骨折が見られ、立つこともできない状態から奇跡の回復を遂げたのは、いんぬさん(@ynu_w)宅で暮らす、ごんべいくん。
2022年12月13日、飼い主さんは学校帰りに、身動きが取れなくなっていたごんべいくんを保護しました。
◆溝の中で動けなくなっていた野良猫を保護!
学校が終わり、友人と自転車で帰宅していた飼い主さんは歩道の脇で“動く何か”を発見。一度は避けて通ったものの、気になり、その場所へ戻ってみると、溝の中に猫の姿が……。
「前足を上手く使えず、歩けない状態でした。その日はとても寒く、このままでは死んでしまう、どうにかして助けたいと思い、着ていたウインドブレーカーで覆ってお母さんに電話しました」
併せて動物病院や動物保護団体にも連絡をしたものの、時刻が19時を過ぎていたこともあり、繋がらず。そこで、迎えに来てくれたお母さんと帰宅し、後日、動物病院へ向かいました。
◆安楽死の選択もあるほどの重症
野良猫だから警戒心が強くて、治療が難しいのでは……。飼い主さんは、そう思っていましたが、予想に反し、ごんべいくんは大人しく、スムーズに動物病院へ連れて行けたそう。検査の結果、両前足と骨盤の骨折が判明。獣医師からは、安楽死の選択もあるほど厳しい状況であると告げられました。
◆ごんべいくんと共に生きることを決意
「手術はリスクも高く、麻酔から覚めるか分からない状態だとも言われました。だから、家族や先生たちと話し合い、自然治療をしていくことに決めたんです」
この子はもう思いっきり地上を走ったり、高いところにジャンプして遊んだりすることはできないだろう。でもこの出会いは決して偶然ではなく、何かの運命だ。これから先は自分たちが責任を持って面倒を見ていこう――。そう決心し、飼い主さんはごんべいくんと共に生きる道を選択したのです。
◆立つことすらできない愛猫を懸命にサポートした日々
保護後1ヶ月は立つことすらできなかった、ごんべいくん。排泄は、ペットシーツの上で行っていました。そんな姿を見て、飼い主さんは心配が募り、ケージの前で眠る日々。その中で、ごんべいくんとの間に少しずつ信頼関係ができていきました。
「ある日、少しずつケージの中に入ってお腹を撫でていたら、いつの間にかごんべいと一緒に寝ていました。その時、ごんべいはとても優しい顔をしていて。僕は改めて、家族になってくれてありがとうと思いました」
◆家族の愛情を一身に受け、少しずつ快方へ
家族から愛情を注がれ、適切なサポートも受けたごんべいくんは保護から2ヶ月も経つと、ふらつくことはあるものの、自分の足でトイレへ行けるまでに回復。そして、保護から4ヶ月後にはよちよち歩きながら、行動範囲を広げるようになりました。
現在も左前足は外側を向いた状態で上手く機能はしていないそう。しかし、骨盤の骨折は治り、右前脚も骨がくっついてくれました。
「家に来てからは怒ることもほぼなく、誰でも触ることを許してくれる優しい子です。撫でられるのが嬉しいのか、ゴロゴロ言って甘えてくる時もあります」
自宅には先住犬がいたため、お迎え当初は不安もありました。しかし、2匹はほどよい距離感を保ち、共生。
ワンちゃんの元気な声を聞いているからか、ごんべいくんは時々、犬の遠吠えのような鳴き声を響かせることもあるのだとか。
◆家族の様子をうかがう“ミーアキャットな姿”にキュン
「前足が上手く機能していないからか、みんなの様子をうかがう時にはいつもミーアキャットみたいに立つ。めっちゃかわいいです!」
すっかり、ごんべいくんの愛くるしさに魅了された飼い主さん。愛猫の姿を見ると疲れが吹き飛び、日常の中では笑顔が増えました。
「毎日の疲れを癒してくれる大事な家族。治療に付き合ってくれた家族や頑張ってくれたごんべいから僕も元気をもらいました。どちらも偉大な存在です」
優しさと小さな命を守る覚悟を持った飼い主さんと出会えた、ごんべいくん。頑張った分、これからのニャン生には笑顔だけが溢れますように。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
【古川諭香】
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291