親は良かれと思っていても実は子どもの成長を阻んでいる言葉とは?

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2024年06月03日 18:01  新刊JP

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親は良かれと思っていても実は子どもの成長を阻んでいる言葉とは?(*画像はイメージです)
子育てをしている人は、我が子をどう育てるのが最善なのか、常に迷いながら、模索しているはず。一人目の子どもはもちろん、二人目以降の子どもであっても、お兄ちゃんお姉ちゃんの時のやり方がそのまま当てはまらないのが子育ての難しいところかもしれません。

特に「言葉がけ」は難しい。親としては良かれと思ってかけている言葉が、子どもの自主性や積極性が育まれるのを阻んだりすることは、珍しいことではありません。子どもの成長に親の言葉がどれほど影響するかは議論が分かれるところですが、少なくとも子どもに悪影響を及ぼす言葉がけはしたくありませんよね。

◾️親の価値観を反映させた言葉がけはNG

『子どもを伸ばす言葉 実は否定している言葉』(天野ひかり著、とげとげ。イラスト、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)は、子どもの能力を伸ばす言葉がけとはどのようなものかを教えてくれます。基本になるのは

「親の言うことを聞かせる言葉」から「子どもの判断を認める言葉」に変える。

という考え方です。親の価値観を反映させた言葉をかけると、どうしても「〜しなさい」「こうした方がいよ」といった言葉が増えます。こうした言葉を親は良かれと思ってかけているはずですが、子どもは自分が考えたことややっていることを否定されたように受け取ってしまうことがあるのです。

では、「子どもの判断を認める言葉」とはどのようなものなのでしょうか?

◾️本当の意味で子どもの自主性を伸ばす言葉がけとは

「子どもの判断を認める言葉」をかけるには、まず「子どもをそのまま受け入れる」ことが必要です。ただ、そんなことは親であればほとんどの人はやっていることかもしれません。

問題は、子どもがルールを破っていたり、危ないことをしていて、親としてはそのままにさせるのはまずいと感じる場面が子育てをしているとままあるということです。そんな時にどう「子どもの判断を認める言葉」をかけるべきなのでしょうか。

たとえば、他の子どももいる場所で一緒に積み木をして遊んでいた我が子が、積み木を投げ始めてしまったとしたら、親としては「やめなさい!」と言って積み木を取り上げたくなる場面です。他の子にけがをさせる可能性があり、とても放置はできません。

でも、こんな場面でも子どもの判断を認める言葉をかけられる可能性があるのです。たとえば、その場にある遊び道具の中に、ボールのように投げてもいいものがあったなら、「上手に投げられたね」と褒めたうえで「もっと遠くに投げる練習をしてみようか」と言ってボールを手渡すことができれば、子どもの「投げる動作が楽しい」という気持ちを満足させつつ「積み木を投げてはいけない」というルールも教えることができます。

「子どもの判断を認める」とは「子どもを放任すること」とは違いますし、放任できない場面では頭ごなしに叱りつけることだけが選択肢ではありません。「放任かやめさせるか」の二者択一の考えを捨てることが、子どもの自主性を育てる言葉がけ、「子どもの判断を認める言葉がけ」をするための第一歩なのかもしれません。



「しなさい」「するべきだよ」といった言葉がけがよくないことは、今や多くの親が知っています。そのうえで「親が強制したくなる場面が絶対あるのに、そんな時にどう言葉をかけるかがわからない」というのが悩みどころだったはずです。

本書はそんなちょっと困った場面でどう声をかけるべきかについての疑問や悩みが氷解してくれます。子育てに関わる人ばかりでなく、人を育てる立場の人にとっても学びが多い一冊です。

(新刊JP編集部)

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