柴犬の正しい読み方、3割が勘違いしているが… プロの明かす「真の呼び名」にグッと来た

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2024年06月06日 05:50  Sirabee

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Sirabee

(©ニュースサイトしらべぇ)

プードルにダックスフンド、ポメラニアンにシーズーなど様々な犬種が存在するが、やはり自国の「日本犬」に愛着を抱く日本人は多数。現代では日本だけに留まらず、世界各国で日本犬の魅力が認知されている。

今回は、そんな日本犬を代表する「柴犬」の意外な真実について探っていこう。

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■「しばけん」が主流だった記憶が…

まずは「柴犬」を、声に出して読んでみてほしい。

「しばいぬ」と「しばけん」で読み方が分かれることと思うが、中には「しばけん」と読みたい気持ちから目を背け、断腸の思いで「しばいぬ」と読んだ人もいるのではないだろうか。

記者個人としては、これまで「しばけん」と読んでいたにも関わらず、2010年ごろから突然「しばいぬ」読みが一般的になり、困惑した記憶がある。また、知人らに確認したところ、同様に「しばいぬ」読みにモヤモヤを覚えている人物は数十名にものぼったのだ。

そこで今回は、全国の10〜60代の男女702名を対象として「柴犬」の読み方に関する意識調査を実施することに。その結果、「しばいぬ」派が70.7%、「しばけん」派が29.3%であると判明したのだ。

前出の通り、「しばいぬ」読みが主流となったのは、ここ15年ほどの印象を受ける。そのため「年配の世代ほど『しばけん』読みが定着しているはず」と予想していたのだが…。

なんと年代別の回答結果を見ると、10〜30代と比較して40〜60代の方に「しばいぬ」派が多いと判明。さらに言うと、唯一「しばけん」派が過半数となった世代は10〜20代、という結果になっている。

エリアごとの回答傾向を見ても大きな偏りは無く、「柴犬」の読み方の違いに地域性は関係なさそうだ。

 

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■JKCでは「シバ」表記が正式

今回は、純粋犬種の犬籍登録、有能・優良犬の普及、畜犬の飼育の指導奨励、動物愛護精神の高揚のために活動する国際的愛犬団体である一般社団法人「ジャパンケネルクラブ」(JKC)に話を聞いてみることに。

「柴」という名称について、JKC担当者からは「同犬種の語源は、山野に生える雑木の『柴』から来ています」との回答が。

さらに、担当者は「有名な話ですと『桃太郎』冒頭にある『おじいさんは山へしばかりに、おばあさんは川へ洗濯に行きました」のしばで、このしばは『芝』ではなく『柴』です」と、身近な例をあげて説明してくれたのだ。

「柴」には「小さい」という意味も含まれており、転じて「小さな犬」といった意味もあるそうだ。

JKC担当者は柴犬の特徴について、「日本古来の土着犬の中で最も小さいサイズの犬種ですが、他の日本犬種と同様にかつては猟犬として使われており、その名残を今も残しています。骨格や筋肉がしっかりしていて剛健であり、動作は敏捷です」と説明する。

加えて「耳とマズル、三角形で目尻が上がった目から作られる表情は、柴の特徴のひとつと言えるでしょう」「日本犬に多く見られる特徴と言えますが、忠実で警戒心に富んだ性格や、素朴感のある美しさがこの犬種の大きな魅力です」と、その魅力について語ってくれた。

なお、JKCでは正式な犬種名を「柴」と表記統一しており、同団体の国際課からも「海外で呼ばれる際は『シバ』が一般的です」との回答が。

そこで続いては、日本犬、ならびに柴犬に造詣の深い2つの団体に「柴犬」読みに関する取材を実施。その結果、思いもよらぬ方向から、驚きの事実が明らかになったのだ…。

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■では「秋田犬」を何と読む?

1928年(昭和3年)に創設され、 日本国内における、最古の犬種団体としての権威と、90年の伝統を備える公益社団法人「日本犬保存会」の事務局長・井上実さんは「1936年(昭和11年)に天然記念物に指定された際、『しばいぬ』という読みで登録されました」と前置き。

その上で「しかし『しばいぬ』と『しばけん』のどちらが正しい読み方か、明確な決まりはないと思います」とのコメントを寄せてくれたのだ。

とは言え、井上さん個人としては「しばいぬ」読みに馴染みを感じているそうで、「半世紀近く前、アメリカでも『しばいぬ』という呼び名で、同犬種が普及されました」と、例を挙げる。

また「『しば』と『いぬ』はどちらも訓読みですが、『けん』は音読みですよね。なので個人的には『しばけん』という読み方には、少し違和感を覚えてしまいます」とも口にしていたのだ。

多くの団体では日本犬を「◯◯いぬ」と読むのが一般的だそうだが、井上さんは「秋田犬のみ例外で『あきたけん』と読みますね」と補足。その直後に「ただし、秋田犬保存会さんでは、秋田犬も『あきたいぬ』と読みます」との情報が飛び出し、頭が混乱してしまう…。

こちらの理由について、井上さんは「秋田犬保存会さんの本部は秋田県にあるため、秋田犬を『あきたけん』と読むと混乱してしまうので、このように読んでいるそうです」と、笑顔で説明してくれたのだった。

小型の日本犬の真の姿を追求し、柴犬の純化と固定化を目指して活動する「天然記念物柴犬保存会」の秋田支部・村岡朋子さんも「『しばいぬ』が正式な読み方です」「音読み、訓読みの統一も影響していると思いますが、あくまでも日本犬は『◯◯いぬ』と読みます」と説明する。

一方で村岡さんは「しばけん」読みについて、「本来であれば気にしなければならないのでしょうが…私自身は、読み方をさほど気にした経験はございません」ともコメント。

続けて「日本犬を『にほんけん』と呼ぶのであれば、『しばけん』と読むのも致し方ないのではと思いますし、JKCさんでは『柴』との表記のようですので、犬を愛するお気持ちがあれば、間違いだと訂正しなくても良いと思います」と、1人の犬好きとしての思いを語ってくれたのだ。

「しばいぬ」「しばけん」のどちらで呼ぼうと、犬を愛する気持ちが備わっていれば、それは「正しい呼び名」と言えるのだろう。

 

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■柴犬エピソード、どれもかわいすぎる…

続いては、実際に柴犬を飼っている人々に、同犬種の魅力を語ってもらおう。

表情豊かで、かわいらしい笑顔が魅力的な「ミッキー」くんの飼い主さんは「ミッキーはお散歩やドライブ、旅行が大好きで、飛行機や船にも乗れます。どこでも我が物顔で歩きます」「まだまだお家に帰りたくない時は『拒否柴』で座り込みを発動しますが、ビビりなので、花火や雷が鳴ると一目散に家へダッシュします」と、我が子の特徴について笑顔で語る。

ヘソ天で爆睡しながら大声で寝言を言うそうで、もはや人間なのでは…? とも感じたが、気分次第ではとても甘えん坊になる気まぐれさから、飼い主さんは「猫ちゃんぽいのかもしれません」ともコメントしていた。「笑顔が分かりやすい」点が、柴犬の魅力だという。

世界で一番幸せそうな表情で抱っこされる「たび」ちゃんの飼い主さんは「日本らしい素朴さを感じるのが、柴犬の魅力だと思います」「窓際に座っている姿など、なんとなく素朴でほっこりしますし、桜や唐草模様が似合うのは柴犬ならではかなぁと思います」と、目を細めつつコメント。

佇まいに凛々しさを感じる一方、目の上の白と赤毛の模様がカモメやミッキーマウスに見えて、「おもしろかわいい」というギャップ萌えに癒やされているようだ。

かつて「太郎」くんを飼っていた男性は「柴犬は尻尾がくるりんとなっているのが、めちゃくちゃかわいいですね。愛嬌もある一方で忠誠心が強く、番犬にも向いているとのことで、実家のガーディアン的存在になっていました」と振り返る。

しかし太郎くんは「餌をくれる人にめっぽう弱い」という、番犬としては致命的な弱点があったそうで、「そば屋の出前のおじさんが毎回持ってくるちくわで完全に餌付けされ、防犯能力が一気に低下しました。以降、出前を頼む際に住所を伝えると『ああ、“柴犬の佐藤さん”ね』とそば屋さんから返ってくるようになり、もはや飼い主の名前より、柴犬のほうが覚えられていました」ともコメントしてくれたのだった。

長きに渡り、犬が人類の良き相棒であったことは周知の事実。中でも我われ日本人は、どの国よりも日本犬、柴犬との絆を深めてきた。「しばいぬ」と「しばけん」で読み方が分かれようと、その言葉に込められた深い愛情は、きっと柴犬にも届いていることだろう。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力と機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2024年5月9日〜2024年5月16日 対象:全国10代〜60代男女702名 (有効回答数)

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  • 松阪牛←正しくは「まつさかうし」みたいなものですね����‍🦺。
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