ビデオ会議のダイナミックマイクデビューにいいかも お手頃なFIFINEでミキサー環境を整えてみた

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2024年06月06日 12:51  ITmedia PC USER

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ダイナミックマイクの「FIFINE AmpliGame AM8TW」

 世間ではリアル出社の傾向が増加中との話だが、個人的には複数人で行うオンライン会議の機会がこれまで以上に増えている。話を聞くターンでミュートにしていると、いろいろなことが気になる。環境音やノイズが乗ってくるのだ。


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 人の振り見て我が振り直せ。自分も環境音やノイズを相手に聞かせているかもしれない。向こう側に回ってみないと本当のところは分からないが、何かできることはないか。


 そう考えていたところ、何やら本格的に見えるゲーミングマイクセット「FIFINE AmpliGame AM8TW」(以下、AM8Tマイク)とオーディオミキサー「FIFINE AmpliGame SC3W」(以下、SC3ミキサー)を試す機会を得た。こうした環境はこだわり始めたら終わりがなくてお金もかかるイメージが強いのだが、本格的に見えるのに両方そろえても2万円を切って、さらに音質もいいと動画配信者などの間で評判になっているようだ。


 自身でそうした活動を行う予定はないが、オンライン会議におけるマイク環境でも同様の効果が得られるはずだ。


●安価にダイナミックマイク環境をそろえられる


 AM8TマイクはXLR接続またはUSB Type-C接続で使える単一指向性のゲーミングマイクだ。ノイズシールドが標準装備されているので、環境ノイズだけでなく、「パ」などの口唇破裂音で発生する耳障りな音も緩和される。


 AM8Tマイク最大の特徴は、ダイナミックマイクであることだ。一般的なPCマイクで使われるコンデンサーマイクに比べて感度が低く、周囲の音を拾いにくいという特徴がある。口元になるべく近づけて使わなくてはいけないというデメリットはあるが、自分の声だけを相手に伝えたい場合や、ソフト側の機能としてよくあるノイズキャンセル機能で乗ってしまうノイズをなるべく減らし、高音質を追求したい場合などに適している。


 本体にはXLR端子とUSB Type-C端子の他、モニタリングジャックを備えており、自分の声のボリュームや聞こえ方をチェックしながら音声を入力できる。


 他にもマイクゲイン制御ノブ、モニタリングボリューム制御ノブを搭載しており、かなり本格的な雰囲気だ。マイクを見ているだけで気分がアガる。


 気分がアガるといえば、マイク底部にあるRGBライトもテンションを上げるのに一役買っている。単色で光らせることもできるが、呼吸するように色を切り替えながら光らせるなど、10種類以上のパターンを備えている。もっとも、映像をオンにしたオンライン会議の場面に適しているかはさておきではあるが。


 オンライン会議などでライトな用途に使うだけなら、ケーブル1本でPCと直結できるUSB Type-C接続が手軽だが、今回なぜミキサーまでそろえたか。それは、USB Type-C接続では、わずかだがホワイトノイズが乗ってしまうことがあるからだ。せっかく「ノイズレスにしたい!」と導入したのに、わずかな出費をケチったばかりに、当初の目的を達成できないのでは元も子もない。音質が良くなるXLR接続を試したいと考えた。


 AM8Tマイクと組み合わせて使う場合、同じくFIFINEから出ているSC3というミキサーが適している。こちらも価格は6000円前後と手が出しやすく、気軽に試せるので心強い。


 SC3はごくシンプルなオーディオミキサーだ。XLR接続またはミニプラグヘッドセットからの入力に対応しており、接続するマイクにあわせてダイナミックとコンデンサーの切り替えスイッチも搭載する。


 ラジオ局や音楽スタジオにあるような、音の高さに応じてボリュームを変える、といった高度なことはできないが、必要最低限のこと──マイクゲイン、ライン入力、モニタリング音量、ライン出力の調整ができるスライダーは搭載している。ミュートボタンを活用すれば一発で音声入力をオン/オフできるため、ボリュームを落としてミュートにした状態に比べて、自然な形で復帰できるだろう。「あれ、以前と音量が違うぞ?」と気付かれずに済む。


 ゲーミング仕様なのでもちろん光る。そして本体にRGB切り替えボタンが付いているので、わざわざPCの設定アプリからいじる手間もない。


 しかしながら、音響機器初心者の筆者がこんな高度(そうな)マシンを扱えるのだろうかと思ったが、それは杞憂に終わった。


●つなぐだけだった


 というのも、この2つの製品に含まれていないXLRケーブルを追加購入し、マイクとミキサーを接続したら、後はミキサーとPCをUSB Type-C to USB Standard-Aケーブルでつなぐだけだ。難しいことは何もなかった。


 モニタリングには有線ヘッドフォンが必要だが、今どきであればダイソーの東京ガールズコレクションコラボアイテムのように、百均でもそれなりのヘッドフォンが買える。Bluetoothと有線両対応のヘッドフォンも比較的多い。


 というわけで早速、電源の入ったAM8TマイクとSC3ミキサーを試してみた。


 まずはSC3ミキサーの光り方から見てみよう。RGB切り替えボタンを押すごとに単色(全7色)での点灯、7つの色が位置を変えながらグラデーション的に点灯、7色のうち1色のみを光らせては消灯し次の色に変化するパターンなどさまざまな光り方をする。ビジネス利用のときには、RGB切り替えボタンを長押しして消灯すれば良いだろう。


 なお、AM8TマイクをSC3ミキサーとXLR接続した場合は電力供給がないため光らない。光らせたい場合は、別途、USB Type-Cケーブルを電源用として端子に挿しておこう。


 光っている=電源が入っていると、マイク側のマイクゲイン制御ノブやミュートボタンを使いたくなるが、これらはXLR接続しているAM8Tマイクでは機能しない。SC3ミキサー側で調節する。


 導入後にオンラインミーティングをする機会もあったのだが、残念ながら「音声、どうですかね?」と気安く話しかけられるような人間関係の相手ではなかったため、実際のところはどうなのか分からない。というわけで、PCへの録音を試みた。


 USB接続のAM8TマイクのみとSC3ミキサーを使ったXLR接続での録音では、わずかであるが、後者の方がクリアかつ生々しいといった印象だ。自分で言うのも変な話だが、耳元で生きている人間が話しかけている、そんな印象を受けた。ノイズについては、ビデオ会議アプリの影響のせいか誤差レベルかもしれない。


●ボイスチェンジャー機能も楽しい


 SC3ミキサーには、おまけといえるような機能がついている。それが「ボイスチェンジャー」機能だ。「Male」「Femaie」「Robot」「Monster」「Baby」「Elder」のプリセットがあり、「CHANGE VOICE」ボタンを押すごとにスイッチしていく。ボイスチェンジャーを終わらせたい場合は、ボタンを長押しすれば良い。


 その他、声のキーを微妙に変えられる「ELECTRIC」ボタンもある。ただこれは本当に微妙すぎて、変わったのか変わっていないのか分からなかった。「おまけのおまけ」 程度に考えておくといいのかもしれない。


 以上、XLR接続で使うケーブルを買うのにも苦労するほどの初心者がXLR接続のダイナミックマイクとミキサーを使ってみたが、これだけ手軽に導入できるのであれば、もっと早く試しておけばと感じるほどいい体験であった。


 筆者のように「ダイナミックマイクが(ノイズ対策に)いいらしい」という情報を知って製品を検討しているのであれば、最初の1歩として悪くない選択肢だと感じる。何よりマイクとミキサーをセットで買っても価格が手頃なので試しやすいのは大変心強い。最近はデスク回りにこだわる人も増えているので、こうしたグッズに注目してみるのもよさそうだ。


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