『テルマエ・ロマエ』作者、現地の人の指摘に苦笑い「ローマ人の血が入っていないのに、なんで描けるのか?」

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2024年06月06日 15:10  ORICON NEWS

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漫画賞『第28回手塚治虫文化賞』贈呈式に登場した(左から)朝日新聞社社長、ヤマザキマリ氏、とり・みき氏 (C)ORICON NewS inc.
 漫画賞『第28回手塚治虫文化賞』贈呈式が6日、都内で開催され、マンガ大賞(年間のベスト作品)作品『プリニウス』の作者・ヤマザキマリ氏、とり・みき氏が登場した。

【画像】すげぇ…11年ぶり続編!『テルマエ・ロマエ』新作イラスト

 手塚治虫文化賞は、日本漫画界の巨星・手塚治虫さんの業績を記念し、志を継いで漫画文化の健全な発展に寄与することを目的に1997年に創設された表彰企画。漫画家の秋本治、里中満智子らが社外選考委員を務めており、短編賞は過去に、芸人で漫画家の矢部太郎の『大家さんと僕』が受賞して話題を呼んだ賞となっている。

 『プリニウス』は、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリ氏が、とり・みき氏を迎えた合作で、ふたたび魅惑の古代ローマ世界に挑んだ作品。物語の主役は、博物学者にして、艦隊の司令長官。古代ローマ一の知識人にして、風呂好きの愛すべき変人。その男の名は、プリニウスだった。

 火山の噴火や雷といった自然現象や、動植物の生態など、森羅万象を観察するために古代ローマ帝国中を旅し続ける一行は、地震や津波、そして謎の怪物ともニアミスしながら、皇帝ネロが待ち受ける「世界の首都」ローマを目指して一路北上。そこで待ち受けるドラマとは? 圧倒的な構成と画力で2000年前の世界を描く、歴史伝奇ロマンの決定版となっている。

 ヤマザキ氏は2010年に『テルマエ・ロマエ』で同賞の短編賞を受賞しており、再び古代ローマを描いた作品が同賞より評価され、スピーチで「これは古代ローマの力」とニヤリ。

 『テルマエ・ロマエ』含めて古代ローマの世界を見事に描いていることから、イタリアやフランスの現地人より「なぜ、DNAにローマ人の血が入っていないのに、なんでこんなにローマのことを描けるのか?」と指摘される機会が多いと告白。

 ヤマザキ氏は1984年よりフィレンツェ国立アカデミア美術学院で美術史・油絵を専攻しており、イタリアでの暮らしも長い。そのためイタリアの歴史に対して理解も高く、漫画で表現ができている。

 古代ローマ作品が評価されることにヤマザキ氏は喜びつつも、息子の反応は「14年前、この賞をいただいた時、私の息子は当時ポルトガルにいました。電話をした時、一言『えっ!あんな漫画でそんな賞を取ったの?』と言われて…」と苦笑いしつつ、今作については「素直に喜んでくれました(笑)。非常に満足しております」と笑わせた。

 この日は新生賞(斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者)の受賞作品『神田ごくら町職人ばなし』の作者・坂上暁仁氏、短編賞(短編、4コマ、1コマなどで優れた成果をあげた作品・作者)の受賞作品『ツユクサナツコの一生』の作者・益田ミリ氏も参加した。

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