店内でおもらし、開店前に侵入…“迷惑老人”に苦しむ携帯ショップ店員の本音「ここは老人ホームじゃない」

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2024年06月06日 16:01  日刊SPA!

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大手キャリアの販売代理店で働いる高田さん
◆迷惑老人から罵声を浴びせられる毎日
 高田花さん(仮名・20代)は都内の携帯ショップに5年間勤めている。学生時代に接客業のアルバイトを経験し、「お客様の笑顔が見たい」という思いから選んだ仕事だった。

「一番のやりがいは『あなたに頼んでよかった』と言ってもらえることですが、感謝されることはほぼありません。むしろ『そんなことで金をとるのか』『お前のせいで故障した』と怒られる毎日です」

 罵声を浴びせてくる人の大半が高齢者だという。

「若い人は自分で機種変更やキャリア変更をできるので、携帯ショップに来店されることは少なくなってきました。今ではお客様の9割が高齢者で、その半分以上が“迷惑老人”です」

 高田さんを苦しめているのは「お客様は神様」という昭和生まれの精神。「すべてに応えていたら仕事にならない」と語る。

◆「アンテナ壊れた」「アプリ消えちゃった」で来店

「オープン前にドアをこじ開けて入ってきて、『膝が悪いから座らせてほしい』と言ってくる80代の女性がいます。『開店準備があるので外でお待ちになってください』と伝えても『後期高齢者に冷たくするのか』と騒ぐので、なだめるだけで一苦労です。

 肝心の要件はいつも、そんなことで?という内容ですね。この前は、『通信アンテナが壊れた』と意味不明なことを言われ、実際は機内モードになっていただけでした。

 他にも、『通知のランプが消えない』とか、『アプリを消しちゃったから入れなおしてほしい』とか、本当に私がやることなのか、と思ってしまうお願いをしてくる迷惑老人は多いですね。スマホを購入した店舗であれば、何でもしてくれると勘違いしてるんです。

 こういう人たちは『簡単なことなんだからすぐやってくれ』ってよく言うんですよ。簡単ならお前がやれよって思います(笑)。お客様は神様だって本気で思ってるんでしょうね」

◆「ここは老人ホームじゃない」とうんざり

 迷惑老人の中には、ボケていると思われるような言動や行動をする人もしばしば。

「毎日『故障だ!』と慌てて来る男性がいます。いつも充電がないだけで、コードを刺してあげると『直った』と言って満足そうに帰っていくんです。

 あとは、機種変更した翌日に『昨日から心臓の調子が悪くて、新しい携帯を持つと息が苦しい。前の機種に戻してほしい』と言われたこともありましたね。携帯のせいじゃないと思って、すぐ病院に行くように勧めました」

◆店内でまさかの…

 高齢者が店内で脱糞・失禁してしまうこともあるというから驚きだ。

「他のお客様も騒然としてしまい、その日は業務どころではなくなりました。清掃業者にお願いできるわけではないので、同僚と掃除をしましたよ。ここは老人ホームじゃないぞって思っちゃいました(笑)」

◆契約に同意したのにまさかの詐欺師扱い

 ボケの兆候が見えても、本人は無自覚。携帯ショップでは契約の際に顧客から同意のサインをもらうが、迷惑老人には意味がない。

「後日、ご家族の方と一緒に来て『なんでこんな契約したんだ。今すぐキャンセルしてほしい』と言われることはよくありますね。当の本人は『面倒だから任せるよ〜』なんて言っていたくせに、ご家族の前では被害者ヅラ。

 まるで私が詐欺師みたいな扱いを受けるのは、本当に不本意です。もう75歳以上の方は、誰かしっかり判断できる方を同伴必須にするべきだと思います」

 高田さんの本来の労働時間は10時から19時までだが、上記のようにイレギュラーな対応が多く、残業が発生してしまうことも多い。

「最近は高齢者が来店するだけでイライラするようになってしまいました。これで手取りが18万円程度なので、割に合わないですよ。やりたくて携帯ショップ店員やってる人なんているんですかね」

 現在、転職を検討しているという高田さん。彼女のキャリア変更がうまくいくことを祈る。

取材・文/日刊SPA!編集部

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