「女は結婚して一人前」うるさい親戚を一発で黙らせた、“ソボクな質問”/義実家・家族人気記事BEST

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2024年06月07日 09:00  女子SPA!

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 女子SPA!で大きな反響を呼んだ記事を、ジャンルごとに紹介します。こちらは、「義実家・家族」ジャンルの人気記事です。(初公開日は2021年6月29日 記事は取材時の状況)

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 身内の冠婚葬祭は、普段なかなか会えない親戚たちに会える機会でもありますよね。でも、それがとてつもなく面倒くさい! という人も少なくありません。

 妹の結婚式のために帰省した青島由佳里さん(仮名・34歳)は、披露宴が始まる直前に親戚の中でもなにかと有名な、3人組の“かしましオバさん”につかまってしまったそう。

◆「女は結婚して、子どもを産んで育てて一人前よね」

「この3人は父方の伯母・叔母なのですが、とにかくやかましい。5年ぶりくらいなのに、会って第一声が『まあ〜、恰幅(かっぷく)よくなっちゃって(笑)』『老けたわねえ!』と容赦なくトゲのある言葉を投げかけてくるんです。その日は着物を着ていたのですが、『やだ、旅館の女将みたいな貫禄(笑)』とグサリ。悪意はなくて、ナチュラルにデリカシーがないから余計に厄介なんです」

 会って早々、聞くのも面倒くさい発言の連発。さらに怒涛の“口撃”は加速していきます。

「私は三姉妹で、今回は次女の妹の結婚式。2年前に末っ子の妹が先に結婚しているので、姉妹の中で未婚は長女の私だけ。それがさらに伯母たちの燃料になりました。そんなに揃うかね!? とツッコミたくなるほど、3人が口を揃えて『先、越されちゃったわね(笑)』とニヤニヤ。ほかにも、『やっぱり女は結婚して、子どもを産んで育てて一人前よね』とか、『〇〇ちゃんも急がなきゃ』と矢継ぎ早に、遠慮なくグサグサ心をめった刺しにしてくるんです。
 もう何を言われても、ひたすら頭の中で歌手のAdoさんの『うっせぇわ』を爆音で流し続けていました」

◆結婚にまつわる素朴な疑問をぶつけてみたら……

 思わず「うっせぇわ」のように、くせぇ口塞げや、限界です!!……と大声で歌いたくもなりますが、相手は言い返してもビクともしない、おしゃべりと噂話が大好きな“かしましオバさん”たち。三船さんが言い返したところで、1言い返したら3に、3言い返したら10と、何倍にもなって返ってきます。

 そこで青島さんが思いついたのが、
「そんなに結婚、結婚と言うなら、その良さを語ってもらおう!」作戦でした。

「嫌みではなく、それだけススめてくるのだからその理由を知りたくて。だって、そんなに言うからには、結婚の良さを熟知しているはず。元々私は仕事が好きで、妹たちが結婚をしてもとくに焦っていませんでしたが、話を聞いてもしかしたらちょっとでも価値観が変わるかもしれないと思ったんです。

 だから、もう本当にそのまま『じゃあおばさんたちが結婚してよかったって思うところはどこ?』『家事や育児はやっぱりおじさんたちとの協力プレイ?』『結婚したら時間やお金にも余裕できるのかな?』と思いをぶつけました。すると、あれだけピーピーうるさかった伯母たちが、一気に静かになってしまって……」

 青島さんは思い出します。

 彼女たちの夫は、ギャンブルにどハマりしてろくに働かないおっさん、過去に浮気して騒動になったおっさん、仕事人間で家族を大事にしないおっさんと、揃いも揃ってなかなかのダメ男揃いだったのです。

「結婚して良かったところを聞いただけで、目の前のおばさんたちの顔が一瞬で白くなってしまって。しかも誰もしゃべらないし。何も考えずに急所を突いてしまった……! と焦りました」

◆質問をきっかけに、違う方向へヒートアップ!

 静まり返る披露宴の親族の控室。凍り付く場の空気を読んで、そろり、そろりといなくなる親戚たち。

 すると、一人の伯母がせきを切ったように一気にしゃべりはじめました。

「『……ごめん、〇〇ちゃん。結婚して良かったと思うところ、今はあまり思い出せないわ』と、言われたかとおもったら、今度は別の叔母さんが、
『もうホントうちの人なにもやらなくて、今日の身支度からペットホテルの手配、子どもたちを迎えに行って、ここまで2時間半の運転も全部わたし』
『お互い働いてるのに、家事は全部女がやるものって思っているからね。たいした稼ぎもないくせに! むしろ私の方が稼いでるくらいなのに』と」

 違う方向にヒートアップする伯母さんたち。披露宴中も、親族席でお酒を片手に女性陣だけで大盛り上がりし、男性陣は居心地悪そうにせまい喫煙室にぎゅうぎゅうに固まっていたとか。

◆最後は仲良く“女子会”で盛り上がる

 ため込んでいた不満が一気に爆発したようですが、披露宴後に青島さんはこんなことを言われたそうです。

「不満を口に出すことで、少しスッキリしたんでしょうね。結婚せずにがむしゃらに仕事に励む私のことを、『ちょっとうらやましかったの』と言われました。また、違う人生を歩んでいる誰かの小言を言うことで、自分を肯定していた、と。伯母さんたちが本音を伝えてくれたので、驚きましたね。初めてです。

 それからはすべて伯母たち頼りの旦那を放置して、私と私の母も入れて5人で地元の温泉と食事で女子会をして大盛り上がり。途中で何度か伯母たちにそれぞれの旦那さんから電話がかかってきましたが、『それくらい自分でやりなさいよ!』とピシャリ。色々な人生があって、幸せは一つじゃないんだなあ……と考えさせられました(笑)」

 幸せは十人十色、ひとそれぞれの形があるはずです。そしてときに、みんな“ないものねだり”をしてしまうのも世の常。
 誰かと比較するのではなく、小さな幸せをひとつひとつ噛みしめられるようになりたいですね。

―結婚式のトンデモ話―
<文&イラスト/赤山ひかる>

【赤山ひかる】
奇想天外な体験談、業界の裏話や、社会問題などを取材する女性ライター。週刊誌やWebサイトに寄稿している。元芸能・張り込み班。これまでの累計取材人数は1万人を超える。無類の猫好き。

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