声優・梶 裕貴が始球式イップスを振り払うノーバン投球 『忘却バッテリー』で自身が演じる山田太郎との共通点を語る

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2024年06月07日 10:30  webスポルティーバ

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 「幼い頃に家族と来たことがある西武球場(現・ベルーナドーム)に、声優として戻ってくることができて感慨深いです。思い出に残る1日になりました」

 5月11日にベルーナドームにて行なわれた埼玉西武ライオンズ対東北楽天ゴールデンイーグルスの試合前、アニメ『忘却バッテリー』×パ・リーグ6球団コラボイベントのセレモニアルピッチに登場した人気声優の梶 裕貴さん。自身の誕生日でもある背番号「0903」のユニホームに袖を通し、スタンドのファンへ丁寧に頭を下げて挨拶をした後、真っさらなマウンドに足を踏み入れた。


【"始球式イップス"になりかけも"ノーバン投球"を披露】

 出身地は東京だが、幼少期から学生時代までは埼玉県坂戸市にある実家で過ごした梶さん。縁のある埼玉の地のマウンドに上がる喜びを噛み締めながら、躍動感あふれるフォームで投球。大きな弧を描いたボールは、右打席に入る西武の球団マスコット・レオの内角低めいっぱいに吸い込まれていった。

 キャッチャーミットからこぼれたため、思わず両手で「セーフ!?」のジェスチャーで観客を沸かせたシーンもあったが、判定はノーバウンドでのストライク。スタンドからは大きな拍手が送られた。

 セレモニアルピッチ終了後には、「普通、プロの選手になって、ようやく上がることができる神聖な場所。そういった意味での緊張感やプレッシャーはありましたが、今日お越しくださった方が楽しんでくださればと思って、とにかく全力で投げさせてもらいました」とコメントを残した。

 これまでも、東京ドームやみずほPayPayドーム福岡など、多くの球場で始球式を務めてきたという梶さん。「5球投げて、その中でいいやつを使います!とかじゃないじゃないですか(笑)。一球勝負っていうのはやっぱり難しい。何回やらせていただいても慣れるものではなく、本当に"始球式イップス"になりそうでした」とこれまでの苦い記憶を語る。

 それでも今回、自身も"過去イチ"と認める見事なノーバン投球を披露。「自分の中では、本当にいい球が投げられたと思っています。今のところ次(の始球式)の予定はないので、気持ちの良い締めくくりじゃないですけど、この思い出で終われてよかったなと」

【山田太郎はチームを結びつける"職人"「尊敬できる」】

 この日の試合では、現在放送中のTVアニメ『忘却バッテリー』(テレ東系列)とのコラボイベントを開催。同作で山田太郎 役を務める梶さんは、セレモニアルピッチ以外にも、試合開始前のスタメン発表のアナウンスや、イニング間のバズーカタイム、試合終了後のスペシャルトークショーなど、1日を通してベルーナドームの雰囲気を盛り上げた。


 TVアニメ『忘却バッテリー』は、「少年ジャンプ+」(集英社)にて連載中の高校野球を題材にしたマンガが原作。中学時代に怪物バッテリーと恐れられながらも、野球無名校へと進学した捕手・要圭が記憶を失っている、という展開から幕を開ける。一人ひとりのキャラクターの個性が強く、ギャグとシリアスが絶妙なバランスで盛り込まれているのが大きな魅力だ。

 この作品について、梶さんは「序盤はとくにギャグ要素が強くて(笑)。もちろん、それも『忘却バッテリー』の魅力なんですけど、難しいことを考えずに笑いながら観ていると、気づけばキャラクターたちを応援している自分がいて。徐々にちゃんと野球をしてくれるようになっていって、そこからの展開には、もう誰もが夢中になってしまうかと」と、チームやキャラクターが成長していく過程が見どころだと語る。

 また、「要圭が記憶を失くしているということもあって、ポジションのことだったり、それぞれの役割だったり、しっかりと言葉にして説明してくれるんですよね。ですので、野球初心者の方にとっても、入り口としてすごく踏み込みやすい作品になっています」と"忘却"が読者・視聴者への配慮につながっているとも。

 梶さんが演じる山田太郎は、本作の語り手兼ツッコミ役ではあるが、性格は温厚で常識的な、いわゆる"普通の子"という印象も受ける。演技を通しても「自分の中で、わざわざギアを変える必要がないというか、自然にやれる役です」という。でも、だからこそ「山田太郎 役で合格できたのは嬉しかったですね。ほかのキャストも、これ以上ないっていうぐらい皆さんぴったりで。現場も本当に野球部の部室みたいな感じで和気あいあいとしているんですよ」と、自然体で臨んでいるアフレコ現場の空気を振り返った。

 本作の原作者・みかわ絵子先生からも「梶さんがヤマ(山田太郎の愛称)で本当によかったです」と喜びの声をもらったという。この言葉に「声優として、本当に嬉しかった」と感慨深げな様子だった。

 作中で山田太郎は一人ひとりの癖が強い小手指高校野球部にバランスを与えている。彼の存在がなければ、『忘却バッテリー』という作品は成り立たない。それはアフレコ現場での梶さんの姿勢とも重なる部分があるという。

 「野球はチームスポーツ。ひとりだけが優れていても絶対に勝てないわけで。それを結びつける、軸となるような人物は絶対に必要ですし、それが山田太郎だと思っています。まさにアフレコも、ひとりだけ頑張ってもどうしようもない総合芸術。みんなで作るものなんですよね。僕自身も、現場や役どころにもよりますけど、自分のお芝居をきっちりするのは当然のこととして、その場にいる誰もがその作品づくりを楽しめるような環境であってほしい。そのためにどう動けばいいのか、というのを、すごく考えるタイプなので、彼の立ち振る舞いにはすごく共感できるし、尊敬できます。自分もそういう職人でありたい」と語る。

【アニメ後半は心震わせられること間違いなし】

 梶さん自身も、小学生の頃にはサッカーチームに、中学時代にはソフトテニス部に所属。チームスポーツの経験があるからこそ、山田太郎の様な存在の重要さを、より感じることができている。

 「ソフトテニスではダブルスだったので、チームというよりはパートナーですけど、一緒になって戦っていく感覚──、そこに時間をかけて向き合い、絆を紡いでいった経験と記憶があります。僕自身としては、これまで野球をがっつりとやったことはないのですが、それでも同じスポーツとして通ずる部分はあると思いますし、作品を通しても、また、今日こうやって試合(西武対楽天戦)を観させていただいていても、(チーム内における軸の存在の大きさは)感じるところですね」

 最後に、視聴者へメッセージをもらった。

 「早いもので、もう今クールもいよいよ後半戦!というタイミングで、まさかの新キャラクターが登場したり、もともと野球同好会にいたメンバーも、より一丸となって次の試合に向かっていきます。ギャグ要素多めな序盤が嘘じゃないかと思うぐらい、後半はシリアスな展開が続きます。

 はじめは『なんか面白そうなギャグアニメやってるな』と思って作品に入った方も、今となってはそれぞれのキャラクターに愛着が湧いているのではないでしょうか。彼らにどういう過去があって、どんな思いで今、小手指高校野球部にいるのか、というのが明かされていくんですよ。僕自身も現場でお芝居を聞いていてグッときたので、視聴者の皆さんも、そのドラマに心震わせられること間違いなしかと。

 さらに、謎が多かった"要圭の記憶喪失"という部分にも踏み込んでいくことになるので、放送を見終わる頃には、もっと彼らのことが好きになっているはず。ぜひ毎週欠かさず、最後までご覧になっていただければと思います」

【プロフィール】

梶 裕貴(かじ・ゆうき)
9月3日生まれ、東京都出身の声優・ナレーター。幼少期を埼玉西武ライオンズの本拠地である埼玉県で過ごす。『ハイキュー!!』(孤爪研磨 役)、『僕のヒーローアカデミア』(轟焦凍 役)、『進撃の巨人』(エレン・イェーガー 役)など代表作多数。

◆スポルティーバのYouTubeチャンネルで、古田敦也さんと上原浩治さんの夢のバッテリーが『忘却バッテリー』を語り合う動画を配信中!
https://youtu.be/7MU5qg0v4mE

◆TVアニメ『忘却バッテリー』 毎週火曜深夜24時よりテレ東系列にて放送中。
(https://boukyaku-battery.com/)

◆原作マンガは「少年ジャンプ+」にて大好評連載中。「少年ジャンプ+」アプリなら初回全話無料。
(https://shonenjumpplus.com/episode/10834108156630506434)

◆『忘却バッテリー』×パ・リーグ6球団コラボの情報はこちらから。
(https://boukyaku-battery.com/special/pa-collabo/)

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