もしも、ミサイル警報が鳴ったらどうする?“着弾までの5分間”で生存率を上げる方法

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2024年06月07日 16:01  日刊SPA!

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都市部への攻撃で恐ろしいのは飛び散るガラスや建物の破片。これらを避けるためにも、ミサイル警報が鳴ったらまずは避難できる頑丈な建物や地下を探そう
 戦争はいつ起きるかわからない。もし、日本を巻き込む有事が発生したら、攻撃の最初の一手はミサイル攻撃の可能性も高い。もし、自分がいる場所へのミサイル攻撃が現実のものとなる場合、どうすれば生存確率を上げられるのか、『災害からテロ、ミサイル攻撃まで まさか⁉の非常事態で「死なない技術」』 (扶桑社ムック)の著者で自衛隊危機管理教官の川口 拓氏に解説してもらった。
◆素早く近くの頑丈な建物や地下に避難する

 日本では、どこかから弾道ミサイルが飛んできたら、緊急警報が鳴ることになっている。

 しかし、隣接する国から飛んでくるミサイルが国内に到達するまでの時間はわずか10分ほど。その短い時間でどう行動するのか。迅速な判断が求められる。

 警報が鳴ったとしても、ミサイルがどこに落ちるかはわからない。直撃すれば、残念ながら助からないだろう。しかし、生き残る可能性を少しでも高めるために行動しなくてはならない。

 行動できる時間は、おそらく5分程度しかないだろう。その間にできることといえば、少しでも安全な場所へ避難することだ。

 近くに鉄筋コンクリートの頑丈な建物があれば中へ避難。地下鉄や地下街など地面の下の施設に入ることができればなおいい。ミサイルが核爆弾だとしたら、放射性物質の降下から身を守るのにも適している。

◆都市部へのミサイル攻撃で怖いのは飛散するガラス

 恐ろしいのは爆発の衝撃波で割れて飛び散るガラスだ。

 ガラスの破片は銃弾のようなスピードで飛んできて、人体を切り刻む。なので、室内にいたら窓から遠ざかり、低く伏せる姿勢を取るようにしよう。

 もし逃げ込む場所がどこにもなければ、身を伏せてできるだけ低い姿勢を取るしかない。生き延びることを優先するなら、周囲の人の目を気にせずに、迷わず伏せる行動を取るべきだ。

◆爆発への準備姿勢は頭を危険の反対方向へ

 ミサイルの着弾が近づいたら、建物の中にいたとしても、爆発への準備姿勢を取っておきたい。窓など危険な方向に足を向けて、できるだけ身を低くする。カバンや布団があれば頭部をカバーして、致命傷を受ける可能性を極力低くしよう。

 着弾の衝撃で鼓膜が破れることがあるので、できれば耳をふさぎ、目を閉じておくのも鉄則だ。視覚と聴覚は、着弾後の避難に必要な知覚となるので、着弾後の生存率を高めるためにも、恥ずかしがらずに準備姿勢をとることが大切だ。

◆爆発で倒れたときは、急に立ち上がらない

 運悪く、ミサイルなどの爆発で倒れたときはどうするか?

 被害に遭ったと自覚しても慌てて立ち上がろうとはしないこと。混乱状態で傷みを感じておらず、体の損傷に気づかずに体を動かすと、損傷を悪化させてしまう恐れがあるからだ。

 まずは倒れたままの状態で体の損傷をひとつずつ確認。立つときには、四つん這い、膝立ち、二足の順にゆっくりと立ち上がるといい。

◆チェックすべき5つの損傷箇所

 チェックするべき損傷は以下の5つなので、覚えておこう。

・目と耳を確認
鼓膜が破れている可能性も高いので、周囲の音が聞こえるかを確認。そして、ゆっくりと目を開けてみて、周りが見えるかどうかも確認する。損傷を受けているようなら、頭部も心配だ。

・頭部の損傷を確認
頭部の外傷や出血はないか、鼻血が出ていないかを確認。頭が痛かったり、視界が定まらなかったりしても、頭を振ってはいけない。もし損傷があった場合、余計ひどくなってしまう。

・四肢の欠損はないか
手足がなくなっていないか、骨折などしていないかをチェック。実際にその部分がなくなってしまっているのに感覚だけが残っていることもあるので、目で見て確認する必要がある。

・手足の先からゆっくり動かす
手足が傷ついているときに急激に動かすと損傷がひどくなる恐れがあるので注意。指先、手首、肘と末端から体幹に向かって、目視しながらひとつずつゆっくりと動かして確認する。

・吐血がないか
衝撃波は体の内部に損傷を与えるので、目立った外傷がなくても注意が必要だ。もし吐血しているなら、内臓が損傷している可能性が高い。時間が経ってから症状が出ることもある。いまいる場所に差し迫った危険がないなら、極力安静にしておきたい。

◆現場に近づいてはいけない

 ミサイル着弾を生き延びられたとしても、危機的な状態は続いている。爆発音が鳴ったり、人が逃げてきているのを見ても、何が起きているのか確かめようとそちらに向かってはいけない。

 まずは脅威から遠ざかることが生存確率を上げる第一歩。逃げながら、視覚、聴覚、嗅覚を駆使して、事態の把握に努めよう。

<文/川口 拓、原 太一(Great Rhythm) 協力/有限会社SOU イラスト/さじろう>

―[死なない技術]―

【川口 拓】
1990年代よりカナダ、アメリカのサバイバルスクールでサバイバル技術やネイティブアメリカンの古来の教えを学び、2001年にブッシュクラフトやサバイバルの技術を伝える自然学校「WILD ANDNATIVE」を設立。地球とのつながりを感じる自然体験プログラムを実施している。2013年に一般社団法人「危機管理リーダー教育協会」を設立。執筆活動、テレビや雑誌などのメディア協力も積極的に行い、技術を広く共有している。CMLEブッシュクラフトインストラクター養成トレーナー、Japan Bushcraft School校長、Japan Urban Survival School校長、自衛隊危機管理教官、自衛隊サバイバル教官

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