家賃滞納で立ち退き命令を受けた3LDK物件 不衛生な環境で猫27匹が生きていた この子たちをどうする?

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2024年06月07日 17:40  まいどなニュース

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まいどなニュース

東京都S区の3LDKのマンションに、27匹もの猫が多頭飼育されていました

2023年から2024年にかけ、東京都内の3LDKのマンションの一室が立ち退き命令を受けました。

【写真】積み重ねられたボロボロのケージ。右上の綿くずの下に猫がいます

借主が家賃を滞納していたことが理由だったようですが、さらに発覚したのが、この部屋の中に多数の猫が暮らしていたことでした。

これを知った東京・練馬のNPO法人・ねこけんのメンバーはまず現場を視察。あまりの劣悪な環境に言葉を失いました。

借主が言う猫の数・猫ごとの状況がまるで違った

いくつものボロボロのケージが積み重ねられ、その中に猫たちが過ごしています。とても衛生的とは言えない状況でトイレは放置。おしっこの匂いが染みつき、ケージにかけられたハンモック状の布や綿がビリビリに破かれたまま。

猫たちが適切な世話をされていないのは明らかですが、信じられないのはこの状況でも借主は普通にテレビを見ていたのです。

ともあれ、ここにいる猫たちを救い出さないといけません。メンバーが借主に聞くと「20匹ほどいる」「避妊去勢手術をしているのは5匹」だと言います。

3匹は借主の新しい引っ越し先に連れていくと聞き、残りの猫をメンバーが保護することにしたわけですが…結局この部屋にいた猫は全部で27匹。避妊去勢している猫の数も借主の申告と全く違うものでした。

保護後、改めて24匹全ての猫の状況を把握

借主が引っ越し先に連れて行った3匹を除き、24匹の猫をねこけんで保護することにしました。メンバーは1匹ずつの猫の性別や避妊去勢状況を把握し、番号をつけて整理。

ほとんどの猫がやせていましたが、メンバーがエサや水を与えると、いずれの猫もバクバク、ゴクゴクと口にしてくれました。あまりに体調が悪い猫はすぐに動物病院で適切な医療ケアをしてもらい、元気を取り戻してくれるよう献身的に世話を続けることにしました。

借主が連れていった3匹が心配だが…

借主は、これらの保護にかかった費用や医療費はもちろん、未払いだった家賃、部屋の片付けの費用も全く払わず引っ越して行ったそうです。あまりに身勝手な行動に憤りを覚えますが、しかし、それでも24匹の猫たちの命がここで救われたことは不幸中の幸いだったかもしれません。現に、ねこけんに来てからの猫たちは日に日に元気を取り戻し、メンバーの家で穏やか表情をくつろぐようにもなりました。

ねこけんでは、保護したこの猫たちを1匹ずつ幸せへと繋げられるよう、今もお世話をし続けています。ここまでの経緯から借主が連れていった3匹が心配ですが、あの3LDKにいた27匹の猫たち全てが幸せをつかんでほしいと願うばかりです。

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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