会社の“ブラックな方針”に反発、年収600万円⇒300万円になった男の転落劇「後悔は毎日しますよ」――大反響トップ5・年収が激減した人たちの後悔

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2024年06月08日 16:01  日刊SPA!

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山田陽介さん(仮名・51歳・バツ1)
あのときの決断で年収が激減してしまった人たち。これまで取材した記事の中から、そんな彼らの後悔の声を集めてみた。今回は反響の大きかった2019年の記事をランキング形式で発表する。第4位の記事はこちら!(初公開2019年3月15日 記事は取材時の状況) *  *  *

「ギリギリ逃げ切れるはず!」。そんな楽観的な見方をしがちな50代だが、少し目を凝らせば、すぐそこは阿鼻叫喚の地獄絵図。30代で年収600万円オーバーするも、順風満帆な人生から一転して負け組への転落。それは明日の我が身なのだ。彼らに一体何が起こったのか? その一部始終を明らかにする!

◆正義感からブラック企業を退職も自己破産・年収半減
年収600万円→40歳で転落→年収300万円
山田陽介さん(仮名・51歳・バツ1)医療介護

 正義感に燃える中間管理職が、旧態依然の上層部に反発し、組織の改革を求めて立ち上がる――。ドラマではよく見かけるストーリーだが、現実にはなかなかうまくいかない。大手運送会社にドライバー職として入社した山田さんは、その勤勉さから入社5年目の30代前半にしてエリアセンター長に抜擢。管理職として600万円の年収を手にするようになったが、彼の堅実なキャリアは、上司とのいさかいにより終止符が打たれることになった。

「トラブルの原因は、彼らが現場に厳しすぎること。僕自身はドライバー上がりなので、いかに過酷な環境かよくわかっていました。しかし、現場を知らない上司は『サボってるに違いない。もっと配達件数を増やせ!』と、次々に無理難題を押し付け、そのしわ寄せがすべて現場にくる組織や上層部の傲慢さに我慢できなくて……」

 上司に反発する日々が続き、最終的には「こんな人間と同類になりたくない」と、管理職を自ら降りた山田さん。その後は現場へ復帰するも、一度失ったモチベーションは戻らず、同僚とのちょっとした口論から「こんな会社、辞めてやるよ!」と40歳で退社。だが、その後の人生は泥沼化していく。

「年齢のせいで転職先もなかなか決まらず、思い切って自分で配送会社を立ち上げたのですが、不景気で会社は倒産。3000万円の借金を抱えて自己破産しました」

 現在は介護施設の正社員として働くが、年収は300万円と半減。自己破産で離婚したため養育費の支払いもあり、経済的にも肉体的にもギリギリだという。

「運送会社を辞めたことへの後悔は毎日しますよ。今の職場は年収も低いし、昇給の目もない。ブラックさは、前職以上かもしれない。それでも、この年になると、黙ってしがみつくしかないんです。今こうして砂を噛むような日々を過ごすくらいなら、なぜあのとき、我慢できなかったのか? もっと出世してから改革を訴えるなり、冷静な立ち回り方はできたはずなのに……」

 人生は決してドラマのようにはいかないのだ。

取材・文/週刊SPA!編集部

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