元セクシー女優が「女優のSNS事情」を暴露。“身バレ覚悟”でないと稼げなくなったワケ

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2024年06月08日 16:01  日刊SPA!

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元セクシー女優で現在はフリーライターの「たかなし亜妖」
 元セクシー女優でフリーライターの「たかなし亜妖」がお届けする連載コラム。2016年に「ほかにやることがなかったから」という理由でセクシー女優デビュー。女優生活2年半が経過したところで引退を決意し、現在は同人作品やセクシービデオの脚本など、あらゆる方面で活躍中。
◆セクシー女優のSNS戦略事情

 SNSは現代人にとって必要不可欠なツールだ。情報収集はテレビではなく、最新のニュースや流行を知るのも、新たな“推し”を見つけるのも全てSNSに頼る人が多いだろう。

 SNSの重要性はセクシー業界にも影響を与え、今となっては女優が個人アカウントを持ち、活発な動きを見せるのが一般化している。SNSの活用も業務の一つで、時代の経過と共にビデオに出演するだけでは活動を続けるのが難しくなっているという。

 セクシー女優にはパブリシティという露出制限を意味する業界用語があり、パブリシティ全開(露出制限なし)を「パブ全」と略す。「ブティックホテルに自分の作品を流してほしくない」「作品の雑誌掲載NG」「身バレ防止のためにSNS運用不可」などパブの設定範囲は広く、どうするかは個人の自由なので、事務所やメーカーは露出を強制できない。

 ただパブ全は大々的な宣伝が可能であることの現れ。制限なくプロモーションできる女優は、ビデオの売り上げが期待できるためオファーが入りやすい。高収入を狙うならSNS稼働はほぼ必須といっても過言ではなく、アカウントの有無やフォロワー数で案件の金額や内容が変動するのだ。

 セクシー女優がSNSを上手に使えばファンを作れるし、作品の宣伝費も無料だからメーカーとしても非常にありがたい。メリットそのものは、非常に大きいことだろう。

 相当ルックスが良ければ多少パブが狭くとも多めに見てもらえるが、SNSさえも不可だと仕事が絞られてしまう。現在はネット上での活動がOKな“身バレ上等”でないと大きな稼ぎが見込めなくなった、何とも世知辛い状態である。

◆“SNSテクニック”が要求される厳しい時代

 SNSで代表的なのはX、Instagram、TikTokの3つ。マメな人はいくつもツールを使いこなすのを楽しく思うけれど、苦手意識が強いとアカウントがほぼ放置状態になり、仕事のために運用するなんてもってのほかではないだろうか。

 それでも売れたいセクシー女優は、これらをうまく使いこなさなければならない。たまにXのみ、Instagramのみという場合もあるけれど、やる気があるのなら全てのアカウント作成を事務所から推奨される。ファンの流入経路は多ければ多いほど良いので、フル活用するに越したことはない。

◆SNS運用の難しさ

 たしかに、セクシー女優は肌の露出が多めの画像を載せていればフォロワーは増えるけれども、そうなるとヨコシマなファンばかりになり、ファンの質が落ちる。SNSの肌色画像に群がる輩など実際のイベントには来ないし、ビデオ購入の期待もできないことから「客の質」はかなり重要な問題なのだ。

 もちろん、ギリギリの写真はX等の規定でBAN(サービス利用停止)をされるし、かといって無難な内容ばかり投稿しても「セクシー女優のくせにメシの写真ばかりかよ」と思われてしまう。

 頭を使う且つ、労力がかかる作業なので近頃の女優は本当に大変。事務所からの案件を待つだけでは一人前になれないからこそ、個々の力が必要不可欠と言えよう。

◆「アカウント凍結」との戦いは凄まじい

 先ほど「BAN」について触れたが、セクシー女優やグラビアアイドル等、肌の露出が多めのインフルエンサーは“アカウント凍結”との仁義なき戦いを日々繰り広げている。職業柄、彼女たちはオトナな写真を載せることが仕事の一つなので仕方がないものの、SNS内のルールはそう生易しくない。プラットフォームが「アカン」とジャッジすれば速攻で処置に入るため、毎度毎度BANされる女優や、あまりにBANされすぎて避難用のサブアカウントを予備に2つも作成しているなど、とにかく運営側と火花を散らしまくる。

 正直なところ規定はやや曖昧で、「なぜこれが?」という投稿が引っかかる時も多々あるそう。しょっちゅうBANを喰らったり、凍結を繰り返すと何度も同じ状態を招くので、凍結→解除を延々と繰り返す悲しき例も……。数万フォロワー以上を失う最も痛いパターンも頻発しており、演者の間ではなかなか深刻な問題のようだ。

◆どの世界でもSNS運用が重要な時代に

 また、凍結の心配もしながら運用を続けるのはなかなかのリスクだけれども、凍結を恐れてSNSをやらないのも勿体ない話。彼女たちはただアカウントをお遊びのように稼働させるのではなく、仕事の一環として割り切り、常にネット上でも戦い続けているのだ。

 セクシー女優に対する偏見がなくなりつつあるのは、SNSが普及したお陰もあるが、恩恵を受けた分の頑張りは見せなければならない。今は水商売のキャストも入店時に専用SNSをできるか否かで基準が大幅に変わるそうなので、どの世界もSNS集客に力を入れている。

 ビデオ出演のみならずアカウント運用のチカラを試されるセクシー界隈は、もはや“ラクな仕事”なんて言い切れない。

文/たかなし亜妖

―[元セクシー女優のよもやま話]―

【たかなし亜妖】
元セクシー女優のフリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ソーシャルゲームのシナリオライターを経て、フリーランスへと独立。WEBコラムから作品レビュー、同人作品やセクシービデオの脚本などあらゆる方面で活躍中。

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