マーガレット&ジェラルディン&ビーニーを選んだ理由とは?『ドライブアウェイ・ドールズ』インタビュー

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2024年06月08日 16:01  cinemacafe.net

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『ドライブアウェイ・ドールズ』NYプレミアにて ©2023 Focus Features. LLC.
『ノーカントリー』『ビッグ・リボウスキ』『ファーゴ』などを兄ジョエルと手がけてきたイーサン・コーエン監督最新作『ドライブアウェイ・ドールズ』の日本公開に合わせ、イーサン監督と共同脚本・製作のトリシア・クックの日本独占オフィシャルインタビューが到着した。

本作は、ガールフレンドと破局したことを嘆く自由奔放なジェイミー(マーガレット・クアリー)と、堅物で自分の殻を破れずにいる友人のマリアン(ジェラルディン・ヴィスワナサン)が、日々の生活に行き詰まりを感じ気分転換に行き当たりばったりのドライブ旅行に出かけることになるが、謎のスーツケースをめぐってスリル満点&予測不能なアメリカ縦断ドライブを繰り広げる、というストーリー。

『哀れなるものたち』『憐れみの3章』に出演するマーガレット・クアリー、マーベル映画『Thunderbolts*』(原題)にも参加するジェラルディン・ヴィスワナサン、さらに、『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』が話題を呼んだビーニー・フェルドスタインら、注目のキャストが集結している。

――あの3人の女優を選んだ理由を教えていただけますか?

イーサンそれに答えるのは難しいですね。オーディションにやってきた俳優たちは、とても良いか、そうでないかのどちらか。マーガレット、ジェラルディン、ビーニーの演技を見て、僕たちは、すばらしいと思ったんです。

キャラクターが息吹を持ち出したと感じました。それはよくあることではないんですよ。めったにないことと言ってもいいです。自録りの映像を送ってもらった時であれ、部屋に実際に来て演技をやってもらった時であれ、それが起きる時、それを見ているのは本当に楽しいことです。「よし、これだ!」と思う。僕たちが頭で思い描いたキャラクターそのままになったか、あるいはそれ以上に興味深いものになったか。彼女たちはとても良かったんです。

トリシアジェラルディンが演じるマリアンは抑圧されたキャラクターですが、彼女はそこに温かさとユーモアを入れてくれました。逆にマーガレットにはちょっと大袈裟とも言える自由奔放さがあって、それはジェイミーにぴったりでした。ビーニーは、部屋に入ってきたかと思うと、あのキャラクターを完璧にやってくれました。ユーモアと怒りを。あれを見ているのは本当に楽しかったです。

イーサンジェラルディンのキャラクターは心を閉鎖したキャラクターなので、多くの女優は、ただ心を閉ざした退屈な演技をしてしまうんです。でもジェラルディンはその奥に何か生き生きしたものを見せるんですよ。それが共感させるんです。マーガレットのキャラクターは、ほかの女優たちがやるとはちゃめちゃになってしまうんですが、マーガレットはとても良い具合にやってくれる。彼女らとの仕事はとても良かったです。



――トリシアへの質問です。女性のチームメイトがたくさんいることは重要だと何かの機会に仰っているのを読みましたが、なぜあなたはそこを重視するのでしょうか?

トリシア男の人にああしろこうしろと言われたくないですよね(笑)。パワーを持つ女性がほかにもいるのは心強いこと。元気をもらえます。

この作品で、アリ(撮影監督)、美術監督のヤン、衣装デザイナーのペギーらが、ほかのクリエイティブで興味深い女性たちとコラボレーションをするのを見て、私は大きなインスピレーションを得ました。助監督のリズ・タンもすばらしくて、タイトなスケジュールの現場を見事に仕切ってくれました。イーサンはこれ以前にも女性を重要な地位に起用してきていますが、ここまでのレベルは初めてです。そうしたことで、女性特有のニュアンスを足すことができたのではないかと思います。

――イーサンへの質問です。ジョエルはソロの監督作にシェイクスピア(2021年の『マクベス』)を選びました。一方、あなたは、この明るいロードムービーを作りました。兄弟で組まれる時、どんなふうな感じなのでしょうか? ひとりがコメディに強く、もうひとりがシリアスなところに強いとか?

イーサンそれに答えるのは難しいですね。誰が何をするのかを分析するのは困難です。僕とジョエルにしろ、僕とトリシアにしろ、全部奇妙な感じで進むんですよ。あなたは、脚本を書く時に僕がファニーなことを提案してジョエルがシリアスなところを書くのかと質問しているのかもしれませんが、僕らが書くコメディは、僕らが一緒に話しながら、相手を笑わせようとする中で生まれてきたものです。

トリシアジョエルのほうがファニーなことを言いますよ(笑)

イーサン(笑)そうかな。とにかく、どの映画も、パートナーとの会話の中で生まれるものです。僕ら両方によるもので、どちらか一方が自分の強い個性を入れることはない。きちんとした答になっていないかもしれませんが、言っていることわかってもらえますか?

トリシア私からひとつ付け加えるなら、(ジョエルの妻)フラン(フランシス・マクドーマンド)は「マクベス」を演じたことがあるし、ジョエルにとっては(彼女を起用するのは)自然なことだったのだと思います。とりわけ、イーサンなしで監督するとあれば。彼女は彼の人生で最も近しい人ですから。この映画は、私たち(トリシアとイーサン)の人生にもっとコネクトしているんです。

『ドライブアウェイ・ドールズ』はTOHOシネマズ シャンテ、渋谷シネクイントほか全国にて公開中。




(シネマカフェ編集部)
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