富裕層専門FPに聞いた!一般人と年収1億円を稼ぐ人の決定的な違い

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2024年06月08日 19:31  All About

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年収1億円を稼ぐ人の考え方やスキルは幼少期からの教育の影響も大きいが、努力次第で今は平凡な20〜30代を過ごしている人でも年収1億円を十分目指せるという。富裕層専門FP(ファイナンシャルプランナー)として活躍されている、『年収1億円思考』の著者・江上治氏に、一般人と年収1億円を稼ぐ人の違いをうかがった。
一般人と年収1億円を稼ぐ人は、どのような違いがあるのだろうか。年収1億円を稼ぐ人の考え方やスキルは幼少期からの教育の影響も大きいが、努力次第で今は平凡な20〜30代を過ごしている人でも年収1億円を十分目指せるという。

富裕層専門FP(ファイナンシャルプランナー)として活躍されている、『年収1億円思考』の著者・江上治氏に、一般人と年収1億円を稼ぐ人の違いをうかがった。

年収1億円を稼ぐ人はプロの領域が深い

――年収1億円を稼ぐ人は一般人と比べてどのような点で違いを感じますか。

江上さん:まず私が感じるのは、プロフェッショナル領域の深さです。基本的な能力もさることながら、特定のスキルが突出して高い。一芸に秀でているというとイメージしやすいでしょうか。広く浅く何でもこなすジェネラリストではなく、この分野ならこの人しかいない、というタイプ。だから、自分を決して安売りしません。

――代替できる人がいないということですね。

江上さん:はい、代わりがいない特別な人です。例えば、「世界のこんまり」といわれている近藤麻理恵さん。2010年に出版した『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)は今や世界で1300万部以上の世界的な大ベストセラーとなっています。著書のタイトルからも分かるとおり、「ときめく片づけ」という独自性のあるキーワードを切り口にしていますね。当たり前ですが、ただの片づけ教室では誰からも見向きされません。「絶対にリバウンドしない片づけ」「思い出のものでも捨てる」といった、多くの人が一目置く特殊な型が、オリジナル性となり、付加価値になります。

年収1億円を稼ぐ人は目先ではなく10年先を見据えて事業をする

――年収1億円を稼ぐ人は、特定領域の深さや独自性以外に、共通する特徴や考え方の違いはありますか?

江上さん:目先ではなく10年先というように、長期的な考え方をしている人が多い印象ですね。目の前の利益を追い求めるのではなく、事業を長く継続させたいという思いを感じます。

例えば、不動産投資会社を経営しながら、全国賃貸管理ビジネス協会の会長を務めているT会長。40年以上不動産事業をしていて、物件の見極めや売り方が突き抜けてプロフェッショナルだと感じます。彼は、不動産投資のセミナーで「2000万円以上貯金してから不動産投資を始めましょう」と言います。2000万円に達していなければ、働いてお金を貯めてから投資の相談にきてくださいと伝えるんです。他の不動産投資会社が間口を広げて多く売ろうとするなか、あえて絞る。

――2000万円以上の貯金というのは、だいぶハードルが高いですよね。購入できる層を絞ってしまうと、売上が減ってしまうのではないでしょうか。

江上さん:そうですね、減ってしまいます。すぐに売上を増やしたいなら、保有資産によって顧客を選ばずに誰でも受け入れた方がいいでしょう。ただ、長く事業をやろうとするなら目先よりも長期が大事だとよく理解しています。なので、T会長の会社は、あえて2000万円の貯金がある人にターゲットを絞ってます。十分な貯金があると、金融機関からの評価も高くなるので、有利な条件でお金を借りられ、利益も大きくなる。彼から物件を買った人は不動産投資で失敗していないんですよね。

貯金2000万円のハードルを設けてきちんと失敗しない顧客を選んでいるともいえるかもしれません。そして誰も失敗していないとなると、強力な口コミの力で彼から不動産を買いたがる人がさらに増える、という好循環が生まれます。

経営者の子どもは経営者脳になる

――T会長のように、目先の利益に飛びつくのではなく長期目線で考えられるのは、これまでの事業経験が影響しているのでしょうか。

江上さん:事業経験も大事ですが、やはり環境的な要因も大きいと思います。経営者として成功している人は親が経営者であったり、周りの友人が優秀であったりする傾向はありますね。日常的に経営者の考え方や生き方に触れることで、自然と長期目線を持てる「経営者脳」がインストールされます。子どもの頃から、経営者として働く親の姿や行動をよく見ているので、大人になってからも時間への投資がうまく自分がやるべきことに時間を割く。

例えば、朝早く起きて読書をしたり、夜は人脈作りのために時間を使ったりなど。一方で会社員は安定志向なので、朝や夜の時間をスキルアップに充てる人はまれで、仕事に向き合うのは良くも悪くも勤務時間のみの人が多い印象です。それが悪いとはいいませんが、普通の人と同じ行動を続けている限り、どうしても平均的な収入になるでしょう。日々の過ごし方の積み重ねが、投資でいう複利(※)のように効いて、時間の経過と共に大きな差となるんですよ。

※利子に対してさらに利子がつくこと

――経営者の親は、子どもへの教育も一般とは異なると聞きますが、その点はいかがでしょうか。

江上さん:彼らは、若いうちから一流に触れる機会が多いような印象がありますね。例えば、上場企業の社長が多く集まる美術館を貸し切ったイベントがあるとします。そうすると意外に思うかもしれませんが、子どもを連れてくる人が多いんです。小さいときに超一流に触れる体験は、感性が磨かれる絶好の機会と捉えているのだと思います。一流と接点が増えると、自然と想像力とか、価値を見極める力が育まれるのでしょう。

もちろん、大人にとっても一流に触れる経験は刺激になりますが、若ければ若いほど効果は大きい。年収1億円を稼ぐ人は、小さい頃に超一流に触れる意義をよく理解していて、自分の子どもにも体験させようと考えている人が多いですね。

平凡な20〜30代でも年収1億円を目指せる

――では、一流に触れた経験がないと、年収1億円を稼ぐ人になるのを目指すのは難しいのでしょうか。

江上さん:若くして一流に接した経験があるに越したことはないですが、平凡な20〜30代を過ごしていたとしても、これからの行動次第で今から年収1億円を稼ぐ人になるのを目指すことは十分可能です。

焦って若いうちに稼ごうとすると、(経験不足で)悪い人にだまされたりするので、時間をかけてお金持ちになるくらいの意識でちょうどいいと思いますよ。まずは自分の武器を見つける。一流の思考に触れて、行動する。20代ならまだ40歳まで10年以上あるので、ゆっくり時間をかけてスキルを磨き、人脈を増やしていければ、まだまだ間に合いますよ。今はクラウドファンディングで融資を募ったり、YouTubeで認知を広げたりして、いろいろな方法で人とつながれます。自分の武器を見つけ、それが他の人に認められれば、お金持ちと共同事業しましょうなんて話もあるかもしれませんね。

江上 治(えがみ・おさむ)

オフィシャルインテグレート 代表取締役。1967年生まれ。有名プロスポーツ選手から経営者まで年収1億円超えのクライアントを50名以上抱える富裕層専門のカリスマファイナンシャルプランナー。サラリーマン時代には大手損害保険会社、生命保険会社の代理店支援営業において、新規開拓分野にて全国1位を4回受賞。今は、1億円思考倶楽部という次世代リーダーを育成するコミュニティを運営し勢力的に活動している。主な著書に、ベストセラーとなった『年収1億円思考』(経済界)、『一生お金に嫌われない生き方』(PHP研究所)など多数。

取材・文/七海 碧

不動産・金融に特化しているフリーライター。「本質を捉えて分かりやすく伝える」をモットーに、初心者でもすぐに理解できるシンプルな言葉で説明することが得意。ファイナンシャルプランナー、資産運用検定資格を保有。
(文:All About 編集部)

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