びっくりドンキー、完食イベント参加者が65万人に増加 「残してはダメ」ではないアプローチとは?

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2024年06月09日 06:41  ITmedia ビジネスオンライン

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どんなイベントなのか(出所:びっくりドンキー公式X)

 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」が、完食応援イベント「もぐチャレ!!」に注力している。2022年度の参加者は約45万人だったが、全店に展開した2023年度には約65万人まで増加。「食品ロス対策」「子どもの食育に役立つ」といった点が注目されている。どういった取り組みなのか、びっくりドンキーを運営するアレフ(札幌市)の担当者に聞いた。


【画像で見る】チャレンジ達成でこんなのがもらえるの!? イベントのルール、表彰状をもらって喜ぶ様子、店内のポスター(全8枚)


 もぐチャレ!!は「もぐもぐチャレンジ!!」の略で、小学生以下を対象としている。基本的な流れは以下の通りだ。


 まず、もぐチャレ!!に挑戦することを店舗の従業員に宣言する。タブレット端末が設置してある店舗の場合は、端末から参加表明が可能だ。


 子どもが食べたい商品を注文すると、従業員がテーブルに「もぐチャレ!!中」と記載してある旗を持ってくる。ここから、好きなものだけでなく、嫌いなものも食べきる挑戦が始まる。無事に食べ終わった場合、従業員が日付と名前を書いた表彰状をプレゼント。この表彰状には、チャレンジが1回成功したことが分かるスタンプが押してある。


 2回目の来店時にこの表彰状を持参し、再びもぐチャレ!!に取り組むと宣言する。完食できたら、表彰状に2回目のスタンプを押してもらえる。


 そして、3回目の来店時に表彰状を見せると、オリジナルデザートがもらえるというものだ。もぐチャレ!!の対象となるのは、デザート、飲み物、みそ汁、スープを除く全商品としている。


●表彰状を7種類用意


 子どもが積極的に何度もチャレンジしたくなるような工夫もしている。例えば、表彰状は全部で7種類用意しており、ランダムで渡す。担当者は「コンプリートした! と喜ぶお子さまもいらっしゃいます」と説明する。


 3回目の来店時にデザートをプレゼントしたり、何種類も表彰状を用意したりしているのは、来店動機につながる取り組みといえるだろう。


 もぐチャレ!!に参加する子どもはどのくらいいるのか。1店舗当たり1カ月の平均参加人数は約160人で、デザートの提供数は約40食だという。参加人数が最も多い店舗だと、1カ月の参加人数は約1000人となる。


 食品ロス削減の効果はどのくらいあるのか。もぐチャレ!!だけの成果を厳密に測るのは難しいものの、確かな手ごたえを感じているという。


 びっくりドンキーの看板メニューに、ハンバーグディッシュがある。ご飯、ハンバーグ、サラダで構成されており、サラダの上にはミニトマト(約10グラム)が乗っている。もし、もぐチャレ!!参加者のうち半数がミニトマトが苦手だと仮定すると、ミニトマトを残さないことで年間約3トンの食品ロス削減につながる。


 もぐチャレ!!を始める前は、1店舗から1日約50キロの生ごみが排出されていた。現在、ごみの排出量は1日当たり20〜30キロに抑えられている。生ごみが減ったのは、もぐチャレ!!だけでなく、食べ残しを持ち帰る容器を配布したり、サラダやフライドポテトなどを小さいサイズで選べるようにしたりした結果である。


●前向きに取り組む工夫


 もぐチャレ!!は2006年に一部の店舗で始まり、徐々に他の店舗に拡大していった。2024年5月末時点で、全国333店舗で実施している。取り組みを始めたきっかけについて担当者は「小さいお子さまだと、食べることが苦手だったり、集中できなかったりすることがあると思います。そういう時期に『残してはダメ』ではなく、『よく食べたね』『がんばったね』と前向きな言葉をかけることが大切だと考えました。そうすれば、嫌いなものも一生懸命食べようという気持ちになって、食事が楽しくなりますよね」と説明する。


 あくまで、一番の狙いは食事を楽しく、大切にしてもらうことだという。その結果、「食品ロス削減」「子どもの好き嫌いがなくなる」「食育」といったことにつながればよいという考えだ。


 食品ロス削減のため、外食大手はさまざまな取り組みをしている。例えば、しゃぶしゃぶ食べ放題のチェーン「しゃぶ葉」では、2024年4月から「こまめどりプロジェクト」をスタートしている。これは、利用客がきれいに食べ終わったテーブルの写真を撮影し、会計時にスタッフに提示するとドリンクバー110円券を提供するという仕組みだ。ドリンクバーのチケットは次回の来店時に使えるようになっており、再来店を促す点が特徴だ。


【お詫びと訂正:もぐチャレ!!の実施店舗に関する記載で「2024年末時点」としていましたが、正しくは「2024年5月末時点」でした。】


このニュースに関するつぶやき

  • アレルギーで食べれないんならともかく、好き嫌いは食育=躾の失敗だよ。
    • イイネ!3
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