『デカレンジャー』が再集結! 20周年記念Vシネマと高知の地方創生に込めた思いとは

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2024年06月09日 08:10  クランクイン!

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クランクイン!

(左から)林剛史、吉田友一、さいねい龍二、菊地美香、伊藤陽佑  クランクイン! 写真:高野広美
 特撮ドラマ『特捜戦隊デカレンジャー』のテレビ放送から20周年を記念して製作されたVシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』が、6月7日より新宿バルト9ほかにて期間限定上映される。 “スーパー戦隊シリーズ”の第28作にあたる『特捜戦隊デカレンジャー』は、宇宙に多発する星間犯罪組織を取り締まるために設立された銀河系宇宙警察・地球署を舞台に、選ばれし刑事たち「S.P.D」――“スペシャルポリス・デカレンジャー”の6人が、宇宙犯罪者・アリエナイザーたちに立ち向かうストーリーで人気を博した。本作では、赤座伴番/デカレッド(さいねい龍二)をはじめ、戸増宝児/デカブルー(林剛史)、江成仙一/デカグリーン(伊藤陽佑)、日渡茉莉花/デカイエロー(木下あゆ美)、胡堂小梅/デカピンク(菊地美香)、姶良鉄幹/デカブレイク(吉田友一)らオリジナルキャストが再び集結し、地球署史上最悪の事件の真相に迫る。今回クランクイン!では、さいねい、林、伊藤、菊地、吉田の5人にインタビューを実施。20周年を記念して制作された本作への思いを、当時と変わらない和気あいあいとした雰囲気で語ってくれた。

【動画】「デカレン」キャストたちが語る作品と高知の魅力

■デカレンジャーが再集結! 高知の地方創生がきっかけに

――高知のPRを絡めているという、未だかつてないプロジェクトとなった本作ですが、どういった経緯で制作されることになったのでしょうか?

林:企画段階から参加しているメンバーがいて、それを他のメンバーに共有し、スケジュールを調整するというところからスタートしました。

菊地:「こんな企画が進んでいて…」ということを少しずつ聞いていたので、「20周年を記念した作品を作ります!」みたいな唐突感は全くなかったんですよね。

林:2022年に「Road to 2024」というイベントを実施したのですが、「20周年に何かやれたらいいよね」とみんなで思いを通わせていたこともあって、「何かあったら絶対に出よう!」という思いはその頃からずっとあったんです。

伊藤:そうなんです。だから、急に「20周年を記念した作品を作ります!」「わー! 嬉しい!」みたいな喜びはなく、「何か作れたらいいね」という企画から始まり、今回やっと皆さんに届けられるという喜びの方が大きいかもしれません。

さいねい:すべては「何か作れたらいいね」という“0”を、プロジェクト化という“1”にしてくれた友一のおかげですね。

――なるほど。その“0”を“1”にする段階で、大変だったことはありますか?

吉田:本当のきっかけとなったのは、2022年10月末に行った高知大学の黒潮祭りです。学生さんとディスカッションした際に、「作品を使った地方創生」を提示してくれたんです。僕も是非それを実現したいと思い、翌日、制作会社の東映や舞台となる高知県にプレゼンしました。Vシネクストは簡単に「作ろう!」と思って作れるものではない。さらに、スーパー戦隊としても未だかつてやったことのない企画だったので賛同を得るまでの苦労はありましたが、こうして実現して本当に嬉しいです。

さいねい:『忍風戦隊ハリケンジャー』や『爆竜戦隊アバレンジャー』など過去の作品も20周年をやっていたので、東映の中でも『デカレンジャー』の20周年を考えなきゃいけないタイミングだったそうです。その中で、友一が地方創生をテーマに案を持ってきてくれたおかげで、推進力がついたことになりました。

――せっかくですので、代表して吉田さんに高知の良いところをアピールしていただきたいです。

吉田:企画を話し合う中で、特産物や観光名所を盛り込んだシーンをたくさん登場させました。高知出身の方や、高知に来たことがある方にとっては懐かしんでもらえると思います。そして、高知に来たことがない方にとっては、高知の特産物や観光名所を知るきっかけになるような作品になると思います。是非この夏休みの旅行の選択肢の1つにしていただきたいですね。

菊地:渋滞もないし、食べ物も美味しいしね!

吉田:そうなんです。コンパクトシティと謳っているので、車を20〜25分ほど走らせればきれいな山、海、川にたどり着けます。お父さんは楽ができるのではないでしょうか。車さえあれば、30分ほどでどんな場所にも行けますしね。

さいねい:それと同じくらい、広島も良いところで…!(※さいねいは俳優のほかに、故郷の広島でローカルタレントとしても活躍中)

林:それを言い出すとインタビューが2時間レベルになるぞ(笑)。

さいねい:次は広島の良いところをアピールしたいので、30周年は広島で撮影したいですね(笑)。

■関係性も現場の雰囲気も「当時と変わらない」

――久しぶりに制服を着てみての“着心地”はいかがでしょうか?

さいねい:僕が今着ているものは、レギュラー放送で着ていた制服じゃないんですよね。みんなと同じ衣装が着たかったな(笑)。せっかくの20周年なので、是非どこかのタイミングで着たいですね。

菊地:私は全く着心地が変わらないかも。当時よりはちょっとスカートを伸ばしてもらったけど(笑)。

林:僕は当時からずっと思っていることがありまして、ここ(足についている金具部分)いる? っていう(笑)。夏場の撮影でアスファルトに倒れるシーンがあると、熱を吸収してとんでもなく熱くなるんですよね。芝居中なのに「あっつ!」と言ってしまうくらい。火傷するレベルですよ!

菊地:もともとスタイル良いから気にならないけど、それがあることによってスッと見えたりするよ? かっこいいじゃん!

林:龍二とかは当時よりガタイが良くなったけど、サイズアップしたりしたの?

さいねい:ゆとりをもって作ってもらっていたから、今回そんなに手を加えてもらってないかも?

林:そうなんだ。俺は当時より痩せたから、当時よりもだいぶベルトの穴が縮まっちゃった(笑)。

――作品を拝見させていただきましたが、皆さんのスタイルも作品のテンション感も、当時と全く変わっていない!と思いました。

さいねい:本当ですか? ありがとうございます! でもそれはきっとプロデューサーの狙い通りなんだと思います。僕も最初に台本をいただいた時は「周年作品だから、ド派手な展開があるんだろう」みたいな特別感を期待していたんです。だけど実際はそんな特別感はなかった。それをプロデューサーにぶつけてみたところ、「それが狙い」なのだと仰っていました。TVシリーズから20年が経ちましたが、「S.P.D」内では毎日・毎週何かしらの事件が起きて、変わらない日常が続いている。「ずっと続いている日常の中の1日」を描いた作品なので、特別感がなくて当然なんです。それを聞いて「なるほど!」と理解しました。

林:本当にその通り。TVシリーズの最終回(第50話)以降の物語は皆さんの頭の中で自由に想像してもらって、それが『ファイヤーボール・ブースター』へと繋がると思って劇場に足を運んでもらえれば。

伊藤:きっとその中でも何かしらの事件が起きて、プライベートでも色々変化があったんだろうな…ってね。

林:テツは副所長になったしね!

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

伊藤:それもあんまり変わんないかなぁ。

吉田:当時から、そんなに干渉し合うような関係性じゃなかったしね。それぞれの距離感を保ちながら現場にいて、カメラ前ではちゃんと仕事する、という感じ。そこは変わっていませんでした。

菊地:TVシリーズが終わってからも連絡を取り合っていたり、オンラインサロンがあったからこの企画が始動してからも月に1回オンラインで顔を見ながら話す機会もあったので「久しぶり」という感じもなかったんです。

林:イベントで全員集合する機会もあったので、歴代のスーパー戦隊の中で見ても相当密に関係性を築いている方だと思います。

伊藤:お久しぶりでいうと、白鳥スワン役の石野真子さんかな?

菊地:確かに! 真子さんが現場に入られると、やっぱり温度がグッと上がりました。

林:みんな当時と変わらないから、当時のままの良い雰囲気で撮影することができました。

■長妻怜央&川村文乃の印象は「現場に溶け込む姿が本当に素晴らしかった」

――バンが指導するファイヤー・スクワッド所属の新人・江戸川塁役として、長妻怜央さんが参加されました。共演してみていかがでしたか?

林:現場の雰囲気というより本人についてなのですが、スタイルが良すぎる! 僕は身長が181cmあるのですが、これで一番小さいって何事か? と。TVシリーズ放送当時もそうでした。僕以上に大きいバンとセンちゃんがいて…。ブレイクが入って来る時、スタッフさんは「今度は林さんより小さい人を連れてきますね!」と言っていたんですよ。それなのに入って来たのは183cmの友一で。これ以上スタイルの良いやつを連れてこないでくれと言いたい(笑)。

菊地:スタイルもそうなんですけど、現場での佇まいが一番大人な気がしました。わざとおバカなことをしてみんなを笑わせてくれたり、とても気を使ってくれた印象です。すごく自然体で、スッと我々の仲間に入ってくれた感じ。

伊藤:もともと雰囲気が出来上がっている中に入るのってすごく大変なことだからね。本当に気を使ってもらったし、現場を盛り上げてくれたし、本当に良い子でしたよね。

――そんな長妻さん演じる塁の教育係を務めるバン。一緒にいる機会が一番多かったさいねいさんは、長妻さんにどのような印象を持たれましたか?

さいねい:とても団体行動に慣れている感じがしました。役者なので役を演じなければいけない一方、撮影現場での自分の役割を見つけて演じるのが上手な方だな、と。それは、モクミス役の川村文乃さんも同じでした。アイドルとして活躍しているからこそ、自分の役割を瞬時に理解して現場に溶け込む姿は本当に素晴らしかったです。

吉田:わかる。協調性に富んでいるけれど、主体的にも考えを至らせることができるところはすごいと思いました。当時の自分を振り返ると、まったく出来ていなかったなと(笑)。

菊地:私より歳は若いですけど、私より現場で揉まれる機会が多かったんだろうなと。尊敬できる部分がたくさんあるお2人でした。

――最後に、上映を楽しみにしているファンへメッセージをお願いいたします。

吉田:20年前に見ていたデカレンジャーの日常が再び見られるのはもちろん、今作は新たな挑戦も含まれた作品になりました。Vシネクストを観て、高知に来るまでがこの作品の完結だと思いますので、是非高知に遊びに来てください。お待ちしています!

菊地:先ほどさいねいさんが言ってくれたように、TVシリーズから続いている物語を再び感じられるような、そんな『デカレンジャー』が出来上がりました。20年の時を経て変わっている部分もありますが、それは“進化”だと思います。これからも長く愛していただけたら嬉しいです。

伊藤:脈々と受け継がれてきたスーパー戦隊の文化が醸成して、先輩方の頑張りもあって『デカレンジャー』の20周年を迎えることができました。子どもたちにとっては楽しい、当時見ていた方や親御さんにとっては癒やしになるような文化の一端を担えて、本当に嬉しいです。これからも応援のほど、よろしくお願いします。

林:『あぶない刑事』も復活しましたし、2024年は“デカの年”にしたいなと思っています。今年の12月に行われる流行語大賞に「デカ」が入っていたら嬉しいですね(笑)。それは僕たちだけの力ではできないので、是非皆さんの力を貸してください。この作品を通して、皆さんが頑張る活力になったり、幸せになってほしいです。是非楽しみにして劇場に足を運んでください。

さいねい:インタビューを最後まで読んでくれてありがとうございます。僕はこの作品の見どころを、ズバリ“スーツアクター”さんにあると思っています。変身後の演技にも注目してもらうことが、特撮作品の醍醐味だと思っているので。そういった部分も含めて、隅々まで『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』を堪能してください。

(取材・文:米田果織 写真:高野広美)

 Vシネクスト『特捜戦隊デカレンジャー20th ファイヤーボール・ブースター』は、6月7日より新宿バルト9ほかにて期間限定上映。
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