連対率34.4%を誇る驚異的なニックス 函館SS覇者は短距離王者を掛け合わせた“近年最高”の配合

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2024年06月10日 20:00  netkeiba

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函館スプリントSを制したサトノレーヴ(撮影:山中博喜)
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】

◆血統で振り返る函館スプリントS

【Pick Up】サトノレーヴ:1着

 短距離重賞を3勝したハクサンムーンの半弟。父がロードカナロアなので、強いスプリンターを作りたい、という生産者の意図が見える配合です。その狙いは成功しました。

 父ロードカナロアと、母の父サクラバクシンオーは、いずれもわが国における歴代最強クラスのスプリンター。種牡馬としても成功しました。芝1200mに限った勝利数ランキングを調べると、サクラバクシンオーは10回(05〜11年、13〜15年)、ロードカナロアは5回(19〜23年)首位に立っています。

 この2頭の組み合わせは、近年最高のニックスのひとつといえるでしょう。サトノレーヴのほかに、ファストフォース(高松宮記念、CBC賞)、テイエムトッキュウ(カペラS)、キルロード(高松宮記念-3着)、サンキューユウガ(CBC賞-2着)、キープカルム(京都新聞杯-5着)などが出ています。連対率34.4%、1走あたりの賞金額449万円は驚異的です(ロードカナロア産駒全体の数値は連対率19.8%、1走あたり231万円)。ちなみに、昨年の優勝馬キミワクイーンは、「父ロードカナロア、2代母の父サクラバクシンオー」なので、やはりこの組み合わせを持っています。

「母の父サクラバクシンオー」は、活躍馬が牡馬に偏る傾向があり、「ロードカナロア×サクラバクシンオー」の組み合わせも同様です。また、スプリンターだけでなく、キタサンブラックのような中長距離向きの超大物も出しており、今後、キタサンブラックとその息子イクイノックスが種牡馬として存在感を増していくはずなので、サクラバクシンオーの血統的な重要性はさらに大きくなるでしょう。

◆血統で振り返るエプソムC

【Pick Up】レーベンスティール:1着

 先週はリアルスティール産駒が4勝と好調。総合種牡馬ランキングで18位に上昇してきました。フォーエバーヤングが稼いだ海外分の賞金(UAEダービー、サウジダービー、ケンタッキーダービー-3着)は算入されていないので、本来であればもっと上位にいる種牡馬です。

 芝とダート、どちらも走れるのが特長で、これは同じニックス(ディープインパクト×ストームキャット)から誕生したキズナと似た傾向です。

 母トウカイライフは「トウカイテイオー×リアルシャダイ」というニックス(トウカイポイント、チタニックオー、アースシンボル、トウカイオスカー、トウカイアローなどが出る)から誕生しています。繋ぎがゆるいトウカイテイオーと、硬く立っているリアルシャダイがうまくフィットするのか優秀な成績です。この組み合わせの繁殖牝馬も成功しており、レーベンスティールのほかにブレイブスマッシュ、オツウなどが出ています。

 母の父トウカイテイオーは皐月賞と日本ダービーの二冠のほか、ジャパンC、有馬記念などを制覇しました。その父シンボリルドルフは無敗で三冠を達成し、合計7つのGIを制覇しました。サンデーサイレンス導入以前にわが国で活躍した名馬の血が、埋もれることなく血を繋いでいるのは素晴らしいと思います。

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