【陸上】佐藤風雅「人生を変える」初五輪狙う28歳のロングスプリンター、日本選手権へ強い決意

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2024年06月10日 23:11  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

オンライン取材に応じた陸上男子の佐藤風雅(スクリーンショット)

陸上男子400メートルで日本歴代3位の自己記録(44秒88)を持つ佐藤風雅(ミズノ=28)が、27日開幕の日本選手権(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)へ決意を示した。


10日、オンラインで取材対応。パリオリンピック(五輪)切符獲得へ「人生を変える日本選手権にしたい」と闘志を燃やした。


2週間半後に迫る日本選手権は、3年前の雪辱を果たす舞台でもある。


東京五輪の選考を兼ねた21年6月の同選手権。佐藤は46秒70で5位にとどまり、個人とリレー種目での代表入りを逃した。その前年には3位に入っていただけに、悔しさが募り積もった。


レース直後は焦燥に駆られた。「ふてくされて、ひたすらベンチプレスをしていました」。ぶつけようのない怒りも込み上げた。


ただ、時間が経過するにつれて、自分自身から目を背けようとしていたことにも気が付いた。


「自分の弱さを感じました。単純に足が遅かったんだなと」


冷静に己を見つめ直した。「個人種目で世界へ」。目線を上げ、再出発を切った。


翌22年の日本選手権で初優勝を収めると、同年の世界選手権から2大会連続で400メートル代表入り。ともに準決勝に進出した。「(東京五輪後から)個人で上にいきたいと思うようになった。その思いが今の自分を支えてくれている」と胸を張る。


すでにパリの参加標準記録(45秒00)は突破しており、日本選手権で優勝すれば一発内定となる。3位以内でも代表入りが有力だが、志はずっと高い。


「44秒半ばで優勝することが目標。日本選手権は自分の人生を変える価値があると思っている」


目標に掲げるのは、佐藤拳太郎の日本記録(44秒77)を上回る好タイム。その先には、パリでの躍動を思い描く。


「(五輪は)現時点の陸上人生では最大の目標。国内で盛り上がっている熱を世界へ持っていきたい」


言葉に自然と力がこもった。28歳のロングスプリンターが、熱い風を吹かせていく。【藤塚大輔】


◆佐藤風雅(さとう・ふうが) 1996年(平8)6月1日、茨城県笠間市生まれ。友部中時代は野球部。茨城県立中央高から本格的に陸上競技を始め、3年時の14年全校高校総体(インターハイ)茨城県大会400メートルで優勝。15年から栃木・作新学院大へ進学し、17年関東インカレ2部で優勝。19年に足利銀行に就職し、20年に那須環境技術センターへ転職。同年の全日本実業団対抗で優勝。22年日本選手権で初優勝し、同年から2大会連続で世界選手権に出場。23年4月からミズノに加入し、同年世界選手権ブダペスト大会準決勝では日本歴代3位となる44秒88をマークした。


◆男子400メートルのパリ五輪への道 出場枠は最大「3」。参加標準記録(45秒00)を突破した上で日本選手権(6月27〜30日)で優勝すれば一発内定。標準未突破や2位以下の場合でも、同選手権の成績や6月末時点の世界ランキング次第で代表入りとなる。佐藤風雅に加え、佐藤拳太郎も参加標準突破済み。決勝は30日に行われる。

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