指名漏れに泣いた「打てる捕手」が急成長! NTT東日本・野口泰司、プロのトップクラスに匹敵する“強肩” パワーも社会人上位クラス

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2024年06月11日 06:43  ベースボールキング

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NTT東日本・野口泰司選手【写真提供・プロアマ野球研究所】 
 社会人野球で最大の大会と言える都市対抗野球。その出場をかけた予選が全国各地で行われており、プロが注目するドラフト候補のアピールも続いている。そんな中で「打てる捕手」として面白い存在となりそうなのが、NTT東日本の野口泰司だ。

▼ 野口泰司(NTT東日本) 
・23歳 
・捕手 
・180センチ/94キロ 
・右投右打
・栄徳→名城大

<2024年公式戦成績>
11試 率.325 (40−13) 本0 点5
打席42 二塁打3 三塁打0 盗塁2 犠飛打1 四死球1
出塁率.341 長打率.400 OPS.741

<各塁へのベスト到達タイム>
一塁到達:4.48秒
二塁到達:8.60秒

<二塁送球ベストタイム>
1.80秒

 野口は愛知県で近年力をつけている栄徳の出身で、1年夏から公式戦に出場。2年夏には正捕手として愛知大会準優勝を果たしている。

 名城大に進学すると、1年秋からレギュラーとなり、ベストナイン2回、MVP1回を受賞した。3度出場した全国大会でも、通算9試合で打率.452、2本塁打と結果を残し、4年時には大学日本代表に選ばれるなど、大学球界を代表する捕手に成長した。

 だが、2022年のドラフトではプロ志望届を提出しながら指名がなく、NTT東日本に進んだ。1年目の昨年は春先から4番を任され、期待が大きかったものの、守備が安定せずに目立った成績を残せず、チームも都市対抗、日本選手権の出場を逃して、悔しいシーズンとなった。

◆ セカンド送球タイム、「1.8秒台」を連発!

 今シーズンは、この悔しさをバネに大きく成長。ここまで出場した試合は全て4番として起用され、4月のJABA日立市長杯では4試合で12打数7安打、打率.583と見事な成績を残した。

 その成長ぶりを大きくアピールしたのが、5月23日に行われた都市対抗予選のJR東日本戦だ。昨年と比べて、スローイングが大きく変わった。

 もともと地肩の強さは十分だったが、捕球から送球までの動きが明らかにスムーズになり、より速く正確に投げられるようになったのだ。

 イニング間のセカンド送球タイムは5度計測することができた。その全てで2.00秒を切り、そのうち4度が1.8秒台を記録。視察したスカウト陣の計測では1.7秒台もあったという。

 これはアマチュアではもちろん、プロのトップクラスに匹敵する数字である。しかも、タイムが速いだけでなく、全てベースの横に正確に送球しており、コントロールも見事だった。

 ミットをしっかり止められるキャッチング、ワンバウンドを正面で止められるブロッキングの能力は高い。社会人での1年間で守備面の全てが大きくレベルアップしている。

 持ち味であるバッティングでは、第1打席で初球のストレートを振り抜いて左中間への先制タイムリーツーベースを放ち、4番の役割を果たした。ヒットはこの1本だったが、第2打席のセンターフライ、第3打席のショートゴロもしっかり芯でとらえた打球で、凡打の内容の良さが光った。

 構えが大学時代よりも大きくなり、タイミングをとる動きにも無駄がなく、余裕を持ってボールを見ることができている。長打力を兼ね備えて、打撃技術とパワーは、社会人で上位クラスにある。

 近年のプロ野球界は“投高打低”の傾向が強くなっており、そういう意味でも「打てる捕手」は、非常に貴重な存在と言える。この状態を維持して、都市対抗本選でもアピールに成功できれば、ドラフト指名が見えてくる。

文=西尾典文(にしお・のりふみ)
☆記事提供:プロアマ野球研究所

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