平井理央が語る、経営者トーク番組で学んだ「古舘アナの凄さ」や「教育と健康の大切さ」

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2024年06月12日 09:20  日刊SPA!

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フリーアナウンサーの平井理央さん
 スポーツニュース番組『すぽると!』(フジテレビ系列)ではキャスターを務め、2012年にフジテレビを退社して独立した平井理央さん(41歳)。現在はシングルマザーとして6歳の娘を育てながら、フリーアナウンサーやタレントとして活動している。
 2024年4月からは、ABEMAで放送開始された“社長が主役の番組”の「For JAPAN -日本を経営せよ-」では、総合司会の古舘伊知郎さんと共に番組のアシスタントを務めている。

 初共演となる古舘さんの印象や番組を通して学んだ「気づき」や「発見」について話を聞いた。

◆古舘アナの“神技”のような事前準備に驚嘆

──2024年4月から「FOR JAPAN」を担当されていますが、共演する古舘さんにはどのような印象を抱かれていますか?

平井理央(以下、平井):古舘さんは本当に準備が素晴らしくて。番組に出演する経営者の方が4月、5月は10人だったのが、6月からは15人に増えたんですね。それでも、全ての方のデータを事前に漏れなくチェックしているんですよ。

 手元に資料もお持ちなんですけど、それにも手書きでびっしりとメモが書かれていて、まさに“神技”を見ているかのようで驚いています。

 こうした入念な準備があるからこそ、古舘さんは流れるようなパス回しができるんだなというのを、間近で見させてもらっているというか。「隣で勉強させてもらっている」と言うのがおこがましいぐらい、本当にすごさを感じていますね。

◆「思ったことはなるべく発言していいよ」

──古舘さんのアシスタントとして、何か意識していることはありますか?

平井:私はあくまでアシスタントという立場なので、あまり前に出すぎずに進行の妨げにならないように気をつけています。ただ、古舘さんからは「自分が思ったことはなるべく発言していいよ」と言われているので、経営者の方たちのお話を聞くなかで思うことがあれば、感想や意見を言うようにしていますね。

 また、今回の番組が古舘さんとの初共演だったこともあり、最初はとても緊張していました。そんななか、実は私の伯父が古舘さんと小学校の同級生で、今もたまに同窓会をするくらい仲が良くて。なので、古舘さんからも私の伯父や、祖父祖母の話をしてくださったりと、最初からアットホームな雰囲気を作っていただいたこともあって、変に肩肘張らずにリラックスして収録に臨むことができています。

◆世の中に届けたいメッセージやビジョンを感じる

──番組にはさまざまな経営者が出演されていて議論が白熱しています。現場で古舘さんを見ていて、話の盛り上げ方や雰囲気づくりで感じることはありますか?

平井:一見すると対立しているような意見でも、古舘さんは“共通項”を見つけて、そこから、経営者の方たちの持っている世界観をわかりやすく言語化して紐解いてくださるのはすごいなと思います。

 最初は全然違う意見だと思っていても、結局は同じことを言っているということも多いので、 古舘さんと経営者の方たちに共通しているスピリットがあるからこそ、議論の軸はぶれない気がしています。特に成功されている企業の経営者の方たちは、世の中に届けたいメッセージやビジョンをとても大事にされていて、愛とパワーに溢れているなと感じますね。

──業種、業界が異なる経営者が一堂に会する機会はあまりないですよね。平井さん自身もさまざまな社長と共演するなかで感じた気づきや発見はありますか?

平井:皆さん共通しているのは、成功するための精神的な部分や軸にしていることが、1本筋が通っていて、振り切っている方も多い印象を持っています。常に変化を恐れずにチャレンジしていくことで、新しい景色を見に行くためには、本当にパワーがないとできないことで、そうした姿勢がないと会社を引っ張っていくことも難しいのだと感じました。

 私もフットワークが軽いほうではないんですけど、積極的にチャレンジをして新しい景色を見に行く姿勢はとても刺激になっています。それは経営だけでなく、人生においても大事なマインドだと思うんですよ。古舘さんもそうですし、経営者の方たちも含めてパワフルな人に囲まれると、圧倒されてしまいそうにみえますが、むしろ逆にパワーをもらっていますね。

◆自分の気持ちに素直になり、嘘をつかない

──「FOR JAPAN」は日本の現状に向き合い、岐路を作るきっかけとなる番組という印象ですが、平井さんは自身の人生において課題と向き合う際に、どのようなことを大切にされていますか?

平井:4月は「教育」、5月は「やる気」、そして6月は「健康」と毎月番組のテーマが変わるんですが、今回の収録では内的評価と外的評価の話が出ていました。「人からどう見られてるんだろう」、「こんなこと言ったらダメなの?」とか、「母親はこうあらねば」など、周囲からの外的評価だけを気にしてしまうと、どうしても自分の視野が狭くなり、辛くなってしまうなと感じています。

 そのため、内的評価はとても大事にしていますね。何か新しいことに挑戦する際の初めの一歩を踏み出すときには「本当にやりたいと思っているのか」「自分で自分のことをいいと思えるか」というのを心に問いかけるようにしています。

 自分の気持ちに素直になり、嘘をつかないようにするのが大切なんだと、番組収録を通してあらためて学ぶことができました。子育てをするなかで、「人はその人のままでいるだけで価値がある」と考えるようになったというか。自分の子供をみていて、あなたは、ありのままでいるだけで素晴らしいということを伝えたいと思うときに、「自分もそうあらねば」というのを意識するようになりましたね。

◆「体の健康」を保つために予防医学を学んでいる

──普段から健康のために取り組んでいることはありますか?

平井:健康には「体の健康」と「心の健康」、「社会的健康」の3つの柱があると番組で紹介されていましたが、私の場合はありがたいことに、性格のおかげか、心の健康と社会的健康は比較的に健やかに保つことができています。

 その一方で、やはり40歳を超えると体の健康が一番気になるようになったので、最近では予防医学の観点から食事・運動・睡眠の3つのバランスを保つために大事なことを勉強しています。

──予防医学を学んでいるとのことですが、何か実践していることはあったりするんですか。

平井:自分の体内にどういう栄養素が蓄積されているのかを検査でチェックできるんですが、そこで判明したのは非常に葉酸が足りないことでした。 葉酸はビタミンBの一種で、血を作る働きをする栄養素なんですけど、それが著しく少ないみたいで……。

 人は息を吸い込み、血中の赤血球がその酸素を体の隅々まで運んでくれるのですが、赤血球が足りないということは、私は十分に酸素を身体に届けられていないようなんです。いわば、高地で生活しているみたいな状態になってしまっているので、葉酸が豊富に含まれるブロッコリーやレバーなどを積極的に摂るように心がけています。そういった知識を理解した上で食事を摂ると、より美味しくいただけるなと思っていて、予防医学を学びながら自分の体でも実践できるのはとても楽しいですね。

◆一番嬉しいのは「周りの人の笑顔を見られた瞬間」

──会社で働いていると、ある程度は健康を見てくれるわけですが、フリーランスの場合は自身で健康のケアをする必要があり、食事以外で気をつけていることがあれば教えてください。

平井:会社にいた時は、もし自分がどうしても出られなくなっても、他のアナウンサーの人が代役を務めることで穴埋めできる環境がありました。それが、独立して個人で働く場合には替えがきかず、今は本当に自分1人しかいないので、体調管理にはとても気を付けています。現在は局アナ時代に比べたら、自分のペースでスケジュールを組めるため、無理をしないように留意しています。

──「自分をいたわる」ことや「無理をしない“ゆとり”」を大切にしながら挑戦を続けている平井さんにとって、活動の原動力になっていることは何でしょうか。

平井:自分にとって、最も嬉しいことは「周りの人の笑顔を見られた瞬間」です。例えば、スタッフの方や関係者の皆さんが準備してくださった番組に出演させていただいた上で自分のパフォーマンスをスタッフの方から「ありがとう、助かったよ」と言っていただけたりするとすごく気持ちが弾むんですよ。

 自分がインタビューするときも、インタビューした相手の方がいい表情になっていったりとか、「こんなこと話したの初めてです」と言って笑ってくれたりすると、それが自分へのご褒美というか、周りの人の幸せを感じられると嬉しくなっちゃうんです。

◆フジテレビ時代に感じていた「愛社精神」

──公開されている番組の中で「愛社精神」が取り上げられていましたが、平井さん自身も以前はフジテレビに勤めていました。平井さん自身は愛社精神はありましたか?

平井:私がフジテレビに入社したのは2005年だったんですけど、その当時は、内定者全員が夏休みに「お台場冒険王」でアルバイトをすることになっていて、イベントの最終日にはお台場で打ち上げ花火が上がるなど、とても活気に満ちあふれていました。大学生の時から印象に残る経験ができたこともあって、「なんて楽しい会社だ」と自然と思うようになりましたね。

「こんな楽しい場所で働けるのが、待ち遠しくてたまらない」と感じるくらい、会社のことが大好きでしたし、実際に入社後もフジテレビのアナウンス室の皆さんと過ごす時間もかけがえのないものでした。

──今はフリーで活動されているということで、フジテレビ時代とは違った働き方をしていくなかで、意識もだいぶ変わってきているのではと思っています。他方で、個人で仕事することに寂しさを覚えたり、会社が懐かしいと思ったりすることはないのでしょうか?

平井:今でも、フジテレビ時代のアナウンサーの同僚やいろんな部署に同期入社の知人がいるので、たまに会って話をすると、「同期入社の人がどこの部署へ異動になった」といった話に若干ついていけないというか(笑)。みんなは盛り上がっているのに、自分だけテンションの違いを感じ、少し寂しくなることもありますね。

 それでも普段は、私が所属する事務所のマネージャーやメイクさん、スタイリストさんなど、常に現場にはチームがいるので、ひとりぼっちで孤独さを感じたことはあまりないかもしれません。

◆経営者ならではの子育ての仕方に共感

──最後に今後の展望についてお聞かせください。

平井:教育や健康だったりと、私にとって今まさに興味のあるテーマが多いので、毎月どんなテーマになるのか毎回とても楽しみにしています。自分の実生活に活かせる知識はタメになっています。毎回学びの連続です。

 特に教育がテーマだと、経営者の方がどういう子育てをされているのかを知れるのが非常に面白い。印象に残っているのは、「自分の価値の押し付けではなく、子供の持っている特性を見抜いて選択肢を与える」という子育ての仕方です。まさに経営者ならではの考え方だなと感じており、自分もその見極める目を養えたらと思っています。

 一方で、「怒るのではなく叱ることが大切」だというのを知ると、なんかドキドキしちゃうんですよ。怒るのは自分の感情を出すための行為なのに対し、叱るはその人が良くなることを望んでやっている行為だというのを聞くと、私がこの前子供にお説教したのはどちらに該当するのか考えたりするんです。子供は現在6歳ですが、ひとりっ子でちょっと甘えん坊に育ちつつあります。これからは叱ると怒ることのバランスにも気をつけながら子育てをしていきたいですね。

<取材・文/古田島大介 、撮影/林紘輝>

【平井理央】
1982年11月15日、東京生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、2005年フジテレビ入社。「すぽると!」のキャスターを務め、オリンピックなど国際大会の現地中継等、スポーツ報道に携わる。2013年より、フリーで活動中

【古田島大介】
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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