25年度後期のNHK連続テレビ小説『ばけばけ』 脚本・ふじきみつ彦氏「何も起きない物語を書いています」【コメント全文】

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2024年06月12日 11:30  ORICON NEWS

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脚本のふじきみつ彦氏
 NHKは12日、第113作目となる2025年度後期(大阪制作)の連続テレビ小説がタイトルが『ばけばけ』に決定したと発表した。松江の没落士族の娘・小泉セツがモデル。本作のヒロイン・松野トキが生まれ育つ島根県から物語は始まる。脚本を務めるふじきみつ彦氏が執筆にあたりコメントを寄せた。

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 外国人の夫・ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と共に、「怪談」を愛し、急速に西洋化が進む明治の日本の中で埋もれてきた名も無き人々の心の物語に光をあて、代弁者として語り紡いだ夫婦の物語を届ける。実在の人物である小泉セツ(1868-1932)をモデルとしているが、大胆に再構成して登場人物名や団体名などは一部改称してフィクションとして描く。原作はない。

 ふじき氏は早稲田大学卒業後、広告代理店勤務を経てコント、小劇場の世界へ。シティボーイズライブ等でコントを書く一方、演劇では日本の不条理劇の第一人者・別役実氏に師事。その後、『みいつけた!』などEテレでテレビ脚本を書き始める。主な執筆作にNHK『阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(第30回橋田賞受賞)、テレビ東京『デザイナー渋井直人の休日』『きょうの猫村さん』、WOWOW『撮休シリーズ』、映画『子供はわかってあげない』(沖田修一監督と共同脚本)、岡部たかし・岩谷健司の演劇ユニット『切実』、舞台『muro式』など。

 ふじき氏は「何も起きない物語を書いています」と切り出し、「人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました」と思いを明かした。

 「セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢をかなえたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。『夢は○○だけん!(島根言葉)』なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたらうれしいです」と呼びかけている。

■ふじきみつ彦氏「執筆にあたって」
何も起きない物語を書いています。
人生、光もあれば影もあると言いますが、人生って光でも影でもないところがほとんどだなぁというのが僕の実感です。キラキラしているわけではないけど影というほど暗くもない、取り立てて人に話すほどでもない他愛もない時間。そんな光でも影でもない部分に光を当てる朝ドラを書いてみたい。今回のモデルである小泉セツさんのことを知ってそういう考えに至りました。セツさんは特別なことを成し遂げたりとてつもない夢をかなえたりした人ではありません。少し変わった、しかし何気ない日常を送った、言ってみれば普通の人かもしれません。だけど、だからこそ愛おしいのです。
「夢は○○だけん!(島根言葉)」なんて一度も叫ばない朝ドラですが、好きになってもらえたらうれしいです。
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