熟女キャバクラに通う70代の老人が「“お兄ちゃん”って呼んで」“熟女人気”のリアルとは?

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2024年06月12日 16:21  日刊SPA!

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オトナのお姉さんなみずえちゃん
 大人の社交場・銀座のクラブにホステスとして勤めているみずえちゃんと申します。今年で35歳になります。皺くちゃのおじいさんにまで「オトナのお姉さんに甘えたくなるんだよね……」と、上目遣いされることが増えてきました。70代にとっての“お姉さん”は80代だろう、と言いたいところですが、オトナなのでグッと堪えています。
 その傍ら、ライターとしても活動しており、これまでに私がお酌をさせていただいたおじさま方との実体験をもとに、夜遊びやモテに関する情報を発信をしています。

◆熟女に惹かれるおじさんたち
 
 成人向け総合エンタメサイト「FANZA」による性にまつわる統計調査「FANZA REPORT 2024」が2月29日に発表されました。

 前回(2018年)は、最も検索されたキーワードは「熟女」でした。ところが、2023年は「乳首」で、熟女は2位にランクダウンしていました。とはいえ、熟女の人気はなお根強いことがうかがえます。

「ご主人とは長年レスで欲求不満」「性欲旺盛でスキモノ」「若い女の子よりアグレッシブ」このあたりにおじさんは惹かれるのでしょうか。

 かくいう私ですが、コロナパンデミック真っただ中でなかなか銀座に出勤できなかった頃、郊外の熟女キャバクラに出勤していたことがあります。在籍している女性のほとんどが40歳から50歳で、報酬は当時在籍していたクラブの半額以下。それでも自室にこもって悶々としているよりはマシでしたし、気晴らしにもなりました。

 今回は、某熟女キャバクラで実際に体感した“熟女人気”のリアルを振り返ってみたいと思います。
  
◆客層はめちゃくちゃ良い

 緊急事態宣言や、まん防の影響で銀座に出勤できなかった2021年頃のこと。とある熟女キャバクラの面接を受けました。当時、日中は恋人の部屋で原稿を書いていることが多かったので、彼の家から徒歩で通えるお店を探していたのです。ちなみに生活拠点から徒歩圏内のお店で働くことは絶対におすすめできません。「家まで送っていくよ〜」とかメンドクサイことになるのは容易に想像できますよね。

 さて、熟女キャバクラに採用が決まり、週2日から3日程度働かせていただけることになりました。

 お客様は基本的には良い方ばかりでした。上野公園で競馬新聞を片手にワンカップ大関をあおっているような雰囲気のおじさんも数名いらっしゃいましたが、基本的には優しい男性ばかりです。

 セット料金はタックス&サービス料別で3500円。ボトルが7000円からで、カラオケも歌いたい放題の格安店です。多少の不満があっても「安いからこんなもんか」と、見逃してくれるお客様が多いように感じました。

「キミちゃん、ちょっと痩せた?」「キヨちゃんはビール党だっけ……アサヒで良かったかな?」と、おばさんキャバ嬢を優しくもてなす男性がほとんどでした。コンビニで菓子パンや栄養ドリンク、スイーツなどを買ってきて「子どもの分も持っていきな」と、おばさんたちに配っているおじさんもいました。

◆ガチ恋おじさんの切ない日常

 とはいえ、おじさんだって色っぽいハプニングに全く期待していないわけではありません。指名嬢がいれば、いつかは結ばれたい、あんなことやこんなことがしたいと夢見ることもあるでしょう。

 格安店ながら、ひと月に200万も400万も売り上げる人気嬢もいます。今晩は誰が彼女と「ロンリーチャップリン」をデュエットするのだろう……と、おじさんたちはハラハラドキドキしているようでした。

 ある日、人気嬢の幼馴染さんが来店したことがありました。おじさんは、彼が彼女のことを下の名前で呼び捨てにしているのが癇に障ったようで「節度を持ってくれないと困る」と、腹を立てていました。おばさんが呼び捨てにされようが、ちょっと女の顔になっていようがけっこうどうでもいい気がしますが。

 おじさんの目には「初恋の彼と再会したヒロイン」として映ったのかもしれません。

◆熟女人気の実態
 
 おじさんは、大切な宝石に触れるように彼女の手に触れました。「ああ見えて苦労してるんだよ」「あんなに小さな身体で頑張っちゃってさ……」とおじさんたちは彼女について私に語りました。“若い女にはない弱さ”がおじさんの父性をくすぐるのかもしれません。

 生意気なキャバ嬢の「シャンパン飲みたい」より、おばさんキャバ嬢の「シャンパン飲みたい」の方がより切実さがあるというか、健気さがあるというか。

 若い女の子にはキモおじ扱いされるかもしれない、というかほぼ確実にされるのですが、おばさんなら自分を受け入れてくれるかもしれないなどの期待もあってか、かなりお金を使い込んでいるおじさんもちらほらいらっしゃいました。

 とはいえ、お客様は60代から70代がメインです。熟女扱いされているおばさんたちですが、彼らより20も30も若いわけです。それでもおじさんにとっては、おばさんはおじさんをバカにしないだろうという安心があるのかもしれません。

 冴えない、なんならちょっと頑張れば手に届くおばさんを、安心して追いかけたい、というおじさんの心情が熟女需要を支えていそうです。

 同じ40代、50代の女性を追いかけるとしても、高級クラブのママなど、いかにも手強そうな相手ではなく、熟女キャバクラに勤める女性を選んでいる点もミソな気がします。

◆30代は若手扱いですが……
 
 さて、当時32歳だった私ですが、熟女店では若手扱いです。ウブな素人娘……設定はさすがに厳しかったのですが、それなりに可愛がっていただきました。

 とある70代のお客様がご自身を“お兄ちゃん”って呼ばせてご満悦そうにしていらっしゃいました。ある日、お帰りになる彼を見送るために、一緒にエレベーターに乗ったことがあります。

 何を思ったのか、彼は「“お兄ちゃん”にチューは?」と言って私に迫りました。

「兄妹はチューしないよ」

 と、一蹴するとシュンとしておとなしくエレベーターを降りてくれました。だいたい、70代のおじいさんが“お兄ちゃん”設定なのはさすがに図々しすぎます。せめてお父さんだろうが、と言いたいところでした。

◆娘や孫のように慈しむべき

 今回は、某熟女キャバクラで実際に体感した“熟女人気”のリアルについて書いてみました。可哀想なおばさんを安心して見下したい——熟女人気のワケは、そのあたりにありそうです。弱いものを守り、支えたいという男性らしい優しさも熟女人気を後押ししているのかもしれません。

 しかし、です。60代70代の男性が20も30も年下の女性に抱く正常な感情は「性愛の対象ではないが娘や孫のように可愛いのでお小遣いをたっぷり与えたい」じゃないでしょうか。与えたものの見返りは強制するものではありません。愛はgive&giveです。

 いつかは……と、夢を見てしこたまお金を使うのも楽しみ方のひとつですが、お相手に見返りを強制してしまうような遊び方は、やはり常軌を逸しているというか、シンプルに「頭がおかしい」としか言いようがありません。お気を確かに。

 今晩も節度を持って、楽しい夜遊びを。

<文/みずえちゃん>

【みずえちゃん】
1989年生まれ。新潟県長岡市出身。関西外国語大学卒業後、大阪市内の広告代理店に勤務する傍ら、キャバ嬢デビュー。結婚、離婚、地方の激安キャバクラを経て、現在は銀座ホステスとライターを兼業。X(旧Twitter):@mizuechan1989

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