食中毒にあっても泣き寝入り?ずさんなイベント運営に「ショックを受けた」男性の話

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2024年06月13日 16:31  日刊SPA!

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※画像はイメージです
 行楽日和が続き、イベント情報を目にする機会が増えている。土日など休日にはイベントへ出かけ、フード系の出店を楽しみにしている人も多いかもしれない。けれど、そんなフード系の出店について、道場風馬さん(仮名)は注意してほしいと話す。
◆イベント出店を繰り返す男性

 道場さんは数年前まで畑違いの仕事をしていたが、ふとしたキッカケからイベント出店をするように。保健所への許可申請や食中毒にも対応してくれる事業者向け賠償責任保険など必要な手続きを済ませ、自身もイベント出店を楽しんでいた。

「そんなときに、今回お話する出来事がありました。身元がバレるのが怖いので、自分の年齢や出店予定だった販売物など詳しいことは言えません。でもイベントに行く人には、こういうこともあるのだと知ってほしいと思い、お話しすることにしました」

 イベント出店を繰り返すうち、イベントの主催者や運営委員のメンバーと知り合う機会も増加。また、さまざまなイベントにかかわることも多く、あるイベントでは運営委員の中心人物として活動するFさん(男性)とも親しくなった。

◆保健所に申請せず出店してほしい

「そしてFさんに誘われ、あるイベントに出店することにしたのです。それは、地域活性を掲げる団体が主催するイベントで、多くの大学生がボランティア協力し、花火も打ち上がる大規模なもの。嬉しいお誘いに二つ返事し、参加が決定。事前説明会の日がやってきました」

 その説明会で道場さんは、とんでもないやり取りを目の当たりにする。県外からの出店者Aが「季節営業の許可を取るつもり」と話したところ、運営委員の一人が「季節営業は必ず保健所がチェックに来るので、申請せずにそのまま出店してほしい」と言いはじめたのだ。

「季節営業の許可は各都道府県によって臨時営業や季節的営業などとも呼ばれ、イベントなどでの一時的なフード系の出店をするときに必要(※居住地や開催内容によっては不要)です。Aは、これまでに自身が居住する地域以外でも複数回の出店経験があったようです」

◆説明会の会場は静まり返ってしまった

 そのためAは「それは無許可で出店しろということですか? ほかの県で出店したときには季節営業の許可を取っていたし、問題はなかったですが」と反論。けれど、Aの意見を後押ししてくれる人は誰もいない。説明会の会場は静まり返ってしまったとか。

「実は事前説明会は複数回に分けて開催されていて、その日に集まった出店者は、初出店だったウチとAの2事業者のみ。あとは古くから運営に携わってきた人たちばかりで、さらには『保健所がチェックに来るとうるさいので、それでお願いします』と締め括りました」

 道場さんは運営委員の中心人物Fと知り合いだったこともあり、「そんなことを聞いても、黙っているだろうと思われたのかもしれません」と話す。散々考えた挙げ句、道場さんはそのイベントへの出店について、理由をつけて取りやめている。

◆ずさんな運営にショックを受けた

「ただ気になって、お客としてイベントへ行きました。Aが出店していなかったことにはホッとしましたが、テント出店の場合は三方囲いといって三面をテントで囲んで出店空間を作らなければならないのに、片側や背面を捲り上げている露店も多かったです」

 テントを捲り上げる理由は、「暑いからとか、店の人が移動や補充用の荷物を運びやすいようにとか、いろいろ」だと、道場さん。また、許可証の掲示がない露店が多く、飲食店経営をしていない人が自宅キッチンで手作りしたスイーツを販売する姿も見かけたとか。

「地元では割と大きく、毎年のように開催されているイベントだったので、ずさんな運営にショックを受けました。大きなイベントでは、運営者に営業許可証の提出が必須の場合も多いですが、来場者に内情はわかりません。イベントへ行くときは気をつけるべきだと思いました」

◆無許可の露店だと泣き寝入りになることも

 なぜなら、「無許可の露店だと、食中毒対応の事業者向け賠償責任保険なども掛けていないと思うので泣き寝入りになる可能性もあり、気をつけてほしいです。路上でのお弁当や総菜の販売も無許可というケースもあるようなので注意してください」と警鐘を鳴らす。

「あと、路上販売や露店でレシートをもらうイメージはないと思いますが、食中毒の発生などに備え、店名の印鑑が押された領収書を必ずもらってほしいです。領収書を準備していない出店者もいるので、発行してもらえるか確認してからの購入をおすすめします」

 無許可営業者の見極めは困難だが、「何かあってでは遅いので、営業許可証の掲示がある露店での購入や食中毒に備えて店名記載の領収書をもらうのがおすすめ」だと道場さん。あとから後悔しないよう、会場の雰囲気や混雑に流されず注意してイベントを楽しんでほしい。

<TEXT/夏川夏実>

【夏川夏実】
ワクワクを求めて全国徘徊中。幽霊と宇宙人の存在に怯えながらも、都市伝説には興味津々。さまざまな分野を取材したいと考え、常にネタを探し続けるフリーライター。Twitter:@natukawanatumi5

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