【ネタバレあり】「スター・ウォーズ:アコライト」3話、双子とジェダイと魔女の不思議な関係

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2024年06月14日 16:31  cinemacafe.net

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「スター・ウォーズ:アコライト」3話 (C)2024 Lucasfilm Ltd.
「スター・ウォーズ:アコライト」第3話は一転、過去へ。アマンドラ・ステンバーグが一人二役で演じる双子のメイとオーシャ、イ・ジョンジェ演じるマスター・ソルらジェダイたちとの因縁の始まりである16年前の出来事が描かれた。

先週、満を持して「スター・ウォーズ」最新実写シリーズとして初回1話、2話が一挙配信されると、かのロッテントマトでは批評家からは85%フレッシュを維持しているが、オーディエンス・スコアとなると21%(6月13日現在)。コメント欄は散々な言われようである。

だが、今作は新たに創り出された、誰も知らない全く新しい物語。個人的にはファンが最も気になっている、メイのマスターであるシスの起源(?)らしい仮面の主は誰なのかはきっちりと見届けたい。

今回、双子のメイとオーシャが生き別れるきっかけとなった16年前の故郷の星ブレンドクでの出来事や、双子の出自について描かれた第3話は素晴らしい転調だったように思う。A24製作の『アフター・ヤン』や小津映画にオマージュを捧げた『コロンバス』の韓国系アメリカ人監督コゴナダがメガホンをとっている。

古の時代の岩山を砦にする魔女集団はさまざまな種族で、持つ力が“異様”(unnatural)だとして迫害されてきた者たち。その指導者マザー・アニセヤ(ジョディ・ターナー・スミス)と、マザー・コリル(マルガリータ・レヴィエヴァ)は「キャシアン・アンドー」のヴェルとシンタに続く女性同士のカップルで双子たちの母である。この魔女たちの登場はもしかしたら、クィアな女性やLGBTQ+の人々を示唆しているのかもしれない(6月はプライド月間だけに)。

双子には父親がおらず、マザー・アニセヤがクリエイト=創り出したという。後にダークサイドへと堕ちるアナキン・スカイウォーカーと同じであり、『シスの復讐(エピソード3)』でも同様の話が「シスの伝説」としてパルパティーンからアナキンに語られている。

第3話での注目ポイントは、この魔女たちとジェダイ、対照的な双子、フォースとスレッド、過去と現在、光と闇のような二元論的視点だろう。

自信家で行動的、残酷な一面を持つメイと、理想を胸に秘めているが内気で消極的なところがあるオーシャ。自身の特別な力を試してみたいという思いは共通しているが、オーシャは未知のものに対する好奇心が強く、ここではないどこかへ行ってみたいと願い、結果的にジェダイについていくことを決める。

また、おそらくダース・モールと同じザブラクという種族のマザー・コリルは、子育てに関してより厳格。マザー・アニセヤは理解があり寛容に見えるが、2人ともジェダイには敵がい心がある。

対して、ジェダイも魔女たちの居住地を侵害し「有望なパダワンを試す権利がある。無論許可を受けた上で」とことわりを入れつつ、幼少期にフォース感知者を家族と引き離すのだから、なかなかに傲慢な集団である。

そこでオーシャの命を助け、ジェダイオーダーの庇護のもとに置こうとしたマスター・ソルの慈悲深さ、家族愛のような思いやりを示したイ・ジョンジェの情感あふれる演技が目を引く。まるで『ファントム・メナス(エピソード1)』でのアナキン少年とクワイ=ガン・ジンの出会いのようだった。愛着や執着はジェダイの教えに反しているが、これから共に生きていく同志に対しては当たり前の感情だ。

そうなると、相反するメイを訓練しているのはやはり魔女側? 海外のSWファンの間では、マザー・コリルが実は生きていて、あの仮面のマスターではないかという声が上がっている。ただ、それではあまりにも単純すぎる気がする。

全8話のうち、次回でもう折り返し。近いうちに真相は明らかにされるはずだ。

「スター・ウォーズ:アコライト」は毎週水曜日、ディズニープラスにて独占配信中。








(上原礼子)

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