旬の花の撮影を楽しもう! 梅雨どきに咲く「アジサイ」を鮮やかに撮るポイント【カメラマンが解説】

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2024年06月14日 20:50  All About

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梅雨どきに咲くアジサイの花。せっかく撮るなら、少しレベルアップした写真を目指してみませんか? アジサイを鮮やかに撮るためのちょっとしたコツを紹介します。
梅雨どきになると私たちの目を楽しませてくれるのがアジサイ。この季節に写真を撮るには絶好の被写体です。

ただ、単純にレンズを向けてシャッターを切るだけでは同じようなアジサイの写真が並ぶばかり。せっかく撮るなら、いつもより少しレベルアップした写真を目指してみてもいいかもしれません。

そこで今回は、アジサイを鮮やかに撮るためのちょっとしたコツをまとめてみました。スマホカメラでの撮影時にも意識できるポイントですので、ぜひ参考にしてみてください。

アジサイの「花」はどの部分?

ガクアジサイ。さて「花」の部分はどこでしょうか。

撮影のコツの話に入る前に、アジサイにまつわる豆知識をご紹介しましょう。

こちらは「ガクアジサイ」というアジサイの一種です。手前の花びらのような形をした部分が花だと思われがちですが、実はこれは花ではないのです。

その後ろにある青い粒のような部分が花で、これを「真花」と言います。花びらのようなものは「装飾花」と呼ばれる部分で、「ガク」が変化したものなのです。

「ほら、このアジサイの花びらの色きれいでしょ」と写真を見せながら語ったはいいけど、間違っていたなんて後で気がつけば結構恥ずかしかったりします。

せっかく写真を撮るのですから、アジサイの真花と装飾花の違いを知っておくといいでしょう。

アジサイの一部を被写体にして撮ってみる

真花と装飾花について理解したところで、まずは装飾花を中心に撮影してみましょう。アジサイの中でも目立つ部分なので、撮り方はたくさん見つかりそうです。
装飾花を被写体にして。


真花を狙って撮ってみる

真花の部分を狙って撮ってみるのも面白い方法です。この部分は小さいので近接撮影で行います。カメラにマクロモードが付いているなら、ぜひ使ってみましょう。肉眼では見えにくい箇所も写せます。
真花をクローズアップ。


散り跡を撮ってみる

アジサイの真花も旬を過ぎれば散ります。花自体が小さいので気づきにくいのですが、よく見ると下に花びらが散っていることがあります。
散ったアジサイの真花。

桜の散った様子が絵になるように、撮り方によってはアジサイの散り跡もシャッターチャンスかもしれません。

背景をぼかしてメインを際立たせてみる

背景ボケを活かして狙った花を際立たせる。

近年はスマホのカメラも性能が向上し、背景ボケを活かした撮影が簡単にできるようになりました。

背景ボケとは、ピントを合わせた被写体の背景をぼかすこと。背景ボケを作ることで被写体の存在感をより際立たせて見せることができます。

アジサイを撮るときも、メインを強調した写真に仕上げたい場合はこの背景ボケを活用するとよいでしょう。

背景ボケを作らずに撮ってみると……

背景ボケを作らずに撮った例。

背景ボケを使わずに撮影した写真がこちらの例。画面全体にピントが合っているため、手前のアジサイは存在感が薄くなっています。
背景ボケを作るだけで雰囲気のある仕上がりになる。

背景ボケを作って撮ることで、雰囲気感のある写真が撮りやすくなるというメリットもあります。アジサイを撮るときは要所要所で背景ボケを活用してみると、メリハリの利いた作品が撮れそうです。

下から撮ってみる

アジサイを下から撮ってみた例。

雨の季節に咲くアジサイですが、晴れているときに撮影に行くのであれば、アングルを少し変えて撮ってみるのもおもしろいです。

アジサイは上から写すことが多いと思いますが、下からもレンズを向けてみましょう。晴れの日の太陽光を利用してやや逆光気味で撮ってみると、今までにないアジサイの写真が撮れるかもしれません。

装飾花を太陽光に透かしてみるとインパクトのある写真になります。装飾花の色によって太陽光に透かされる度合いも変わり、想像以上の写真になることも。なかなか楽しい撮影方法です。
様々なアングルから見え方を探ってみる。

太陽光の強さとレンズを向ける位置によって写り方が変化するので、様々なアングルから見てみるのがポイントです。いろんなポジションからアジサイを撮ってみることで、バリエーション豊かな作品を撮ることができそうです。
(文:瀬川 陣市(写真撮影ガイド))

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