洋菓子店の2024年倒産件数が過去最多ペース 原材料の価格高騰などが要因

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2024年06月17日 17:41  ITmedia ビジネスオンライン

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洋菓子店の2024年倒産件数が過去最多ペース 原材料の価格高騰などが要因

 帝国データバンクは2024年の洋菓子店の倒産発生状況について調査・分析を行い、その結果を発表した。5月までの倒産件数は18件だった。


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●洋菓子店の2024年倒産件数は過去最多のペース


 「街のケーキ屋さん」を中心とした洋菓子店の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は5月までに18件発生した。2000年以降で最も多かったのは2019年の49件で、2024年はこれを上回るペースで増加している。洋菓子店の倒産は閑散期となる夏以降に増加しやすく、2024年の倒産件数は過去最多を更新する可能性もある。


●洋菓子店倒産の要因


 倒産が急増した2019年は、コンビニなどの安価で手軽なスイーツとの競争激化に耐えられなくなったケースが多かった。


 2023年以降は砂糖や生クリームなど、洋菓子作りにおける原材料の値上げラッシュに耐え切れずに事業継続をあきらめたケースが目立つ。中でもチョコレートは、カカオ豆の不作に円安の影響が加わり、輸入品の平均価格が5年前に比べ約2倍に上昇した。


 2023年の猛暑で収量減が目立ったフルーツも、全体の平均価格で5年前比1.4倍に値上がりした。価格が落ち着きつつあるのは、鳥インフルエンザによるダメージから回復した鶏卵などわずかにとどまる。


 原材料価格上昇のほか、電気代や人件費増が重なってコストアップが続く一方、客離れへの懸念から十分に価格転嫁できたケースは少なく、やむなく店をたたむ決断をしたケースも多かったとみられる。


 集計対象は負債1000万円以上の法的整理による倒産。集計期間は2024年5月31日まで。


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