重賞4勝を挙げたワンカラットの孫 初陣へダイナミックなフットワーク/関西馬メイクデビュー情報

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2024年06月17日 18:00  netkeiba

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今週デビュー予定のワンモアスマイル(5月14日撮影:井内利彰)
 今週は土曜日に東京芝1800mの新馬戦が組まれている。出走予定の美浦所属馬で注目されているのが、母プリモシーンの初仔、プリモシークエンス(美浦・木村哲也厩舎)や全姉にメイケイエールがいるソロモン(美浦・堀宣行厩舎)といったところだろう。

 この番組に栗東から参戦予定は下記でも紹介したワンモアスマイル(栗東・藤岡健一厩舎)。3回東京開催の芝1800mは2週目にクロワデュノール(栗東・斉藤崇史厩舎)が衝撃的な勝利を挙げて話題になったが、美浦と栗東が激突する今週の一戦もレベルの高いレースになりそうだ。

【6月22日(土) 東京芝1800m】

◆ワンモアスマイル(牡、父ブリックスアンドモルタル、母ワントゥワン、栗東・藤岡健一厩舎)

 祖母に短距離重賞で4勝を挙げたワンカラット(父ファルブラヴ)、母に芝で5勝を挙げたワントゥワン(父ディープインパクト)、半兄に今年1勝クラスを勝ったワンダイレクト(父ハービンジャー)と、すべて藤岡健一厩舎で管理されている、ゆかりの血統。

 個人的に衝撃を受けたのは、6月5日の坂路。この日、最後の追い切りだったため、馬場は相当踏み荒らされていたが、そんな中、前半ゆったり入ったとはいえ、後半2Fが24.6秒。ラストは12.0秒で素晴らしい伸びを見せた。3F目区間で追い出された時に体が沈み、伸びる姿勢ができていて、このあたりは血統的なセンスなのだろう。

 切れるというよりは持続力のありそうなタイプ、血統は全く違うが毛色からイメージできるのはジャックドールのような走り。ダイナミックなフットワークは東京にフィットするはずだ。鞍上は戸崎圭太騎手が予定されている。

【6月22日(土) 京都芝1400m】

◆ラプラーニュ(牝、父モーリス、母フレジェール、栗東・渡辺薫彦厩舎)

 祖母にスキーパラダイス(父Lyphard)の名があり、競馬オールドファンにはおなじみの血統。母系には2008年皐月賞を制したキャプテントゥーレ(父アグネスタキオン)や先日引退が発表された2022年ステイヤーズSの勝ち馬シルヴァーソニック(父オルフェーヴル)などがいる。

 1週前追い切り以前でも水準以上の動きは見せていたが、6月13日のCWでは3頭併せが秀逸。先行していた3歳未勝利をあっさりと捕まえて突き放し、追いかけてきていた古馬3勝クラスとの追い比べになって同入。6F83.2秒は前半が遅かった分で、3F36.4秒が速く、ラスト11.2秒も評価できる。

【6月23日(日) 京都芝1800m】

◆エリキング(牡、父キズナ、母ヤングスター、栗東・中内田充正厩舎)

 母は現役時代にBRCクイーンズランドオークスでG1を勝利。本馬が初仔になるが、2023年セレクトセール1歳では、2億1000万円(税抜)で落札されている。

 6月12日の1週前追い切りはレースでも騎乗が予定されている川田将雅騎手が跨り、CWで古馬3勝クラスを追走する併せ馬。6F標識の通過こそ遅いラップだが、5F標識を通過してからはそれなりのラップを踏んでいき、最後の直線にきてからは楽な手応えで前に並んで、楽に先着してみせた。6F82.8秒で3F36.7秒、1F11.2秒。ラスト2Fを22.6秒でまとめるあたりは素晴らしいポテンシャルの持ち主ということだろう。

◆ルージュレアリーズ(牝、父レイデオロ、母ラストグルーヴ、栗東・福永祐一厩舎)

 半兄に2023年京王杯スプリングCを勝ったレッドモンレーヴ(父ロードカナロア)がいる血統。JRAに登録されたきょうだいはすべて勝ち上がるという、優秀な成績を残す血統といってもよいだろう。

 本馬は5月16日にゲート試験を合格して、栗東に在厩のまま調整。3週前追い切りのCWでの3頭併せが上々の内容、2週前追い切りが軽くなったのは気になるが、1週前追い切りのCWがこれまた目立った。レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨り、3歳未勝利を追走。手応えに余裕がある形で先着しており、時計は6F80.9秒。ラスト1F11.9秒は父のレイデオロっぽさかも知れないが、6Fトータルで見た時の能力の高さは感じる動きだった。

(取材・文:井内利彰)

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