藤井貴彦アナが英映画を元に都立西高で授業、平和の尊さ訴える

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2024年06月19日 17:54  日刊スポーツ

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日刊スポーツ

都内の都立西高で英映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」に関する特別授業を開いた藤井貴彦アナウンサー(撮影・村上幸将)

元日本テレビのフリーアナウンサー藤井貴彦(52)が19日、都内の都立西高で、英映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」(ジェームズ・ホーズ監督、21日公開)を元にした特別授業を開いた。


都立西高では、2016年(平28)11月に英映画「未来を花束にして」を題材にしたことを皮切りに、日本で公開前の映画を鑑賞し、専門家と議論、討論する取り組みを続けており、この日の特別授業も、その一環として行われた。


映画は、ナチスから逃れてきたユダヤ人難民が、チェコのプラハで悲惨な生活を送る姿を見て、669人の子どもたちを英国に避難させようと里親探しに奔走した、英国人ニコラス・ウィントンが50年後に救った子どもたちとの再会した実話を描いた。ウィントンを91年、20年に米アカデミー賞主演男優賞を受賞した英俳優アンソニー・ホプキンス(86)が演じた。藤井は同作を2回、見たという。


<1>戦争を直接知らない私たちが考える平和の尊さ


<2>現代におけるメディアの役割(劇中のメディアの役割と比較して)


<3>いま、そしてこれからにむけて、なにができるか


この日は、この3つのテーマで高校生と議論した。


冒頭で「本物がやって参りました。今日は授業をするより、皆さんの意見を聞いて、この先の日本がどうなっていくか、予測できると思うので」と切り出し、高校生を笑わせた。その上で、戦争を知らない世代が、戦争を語り継いでいく必要性を訴えた。


「私はかろうじて、おじいちゃん、おばあちゃんが戦争に行っていたので、話を聞いています。うちの祖父はコミュニケーションを取るのが得意で、敵陣までお馬さんでパカパカ行って、タバコをもらってきたと。ちょっと盛られているかも知れないけれど、戦争があったことは史実として残っている。体験した事実を語る人がだんだん、いなくなります」


「戦争の経験のない我々が、戦争をなくしていかなければいけません。ロシアとウクライナの紛争を見ていかなければいけない。世界の紛争から目をそらさない…知ることが大事」


藤井は特別授業の終盤で、高校生たちに「平和じゃない日本では、受験勉強はできません、平和を維持するために、どうすればいいか?」と呼びかけた。そして「(話が)最初に戻ると、日本は戦争をしていました。(生徒が)戦地に行くことが誉れだと思うような報道をメディアがしていた、させられていた」と続けた。


さらに「戦争に行ったことも、聞いたこともないよね…昔の話だよね。これから、みんながどうするか。みんなの世代が平和を、どう意識するのかって、ある程度考えてくれないと、攻められるような状況を抑えこめるかというと、できなくなる」と警鐘を鳴らした。そして「酷かも知れないけれど…受験勉強が終わったら、平和について考えてください。勉強じゃなくていい。いくらで見られる?」と、映画を見ることも、平和について考える一環だと指摘。高校生が「1000円」と返すと「1000円? 1000円で自分が知らないことを知って、意見を形作れるなら、お父さん、お母さん、おじさんは喜んでお金を出す。知らないジャンルの映画を見て欲しい。1000円の使い方を考えて欲しい」と、映画を見ることの重要性も訴えた。


藤井は、日本テレビ系「news zero」(月〜木曜午後11時、金曜同11時30分)でメインキャスターを務めている。高校生に向かって「テレビを見ていない人? テレビがない方?」と呼びかけた。さすがに、1人も見ていない生徒はいなかったが「テレビ、見なくなったと思います。『news zero』やっています。夜更かしすると、出ています。今日も出ています。たまに見る人は今日の11時…私がちょっと真面目にやっています」とジョークを交えて視聴を呼びかけた。


その上で「テレビを見て欲しい、新聞、雑誌を読んで欲しいのは、メディアには役割があるからです」と声を大にした。「メディア、テレビの役割は、いろいろな意見の選択肢を皆さんに提供しています。教えるわけじゃない…こういう意見があるよ、という社説みたいなものを出しています。キャスターは正しいことを言って欲しいという意見があります。先生、政治家ではなく選択肢を提供する人だと思ってください」と強調した。

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