大雨で終盤に赤旗中断。波乱のワトキンス・グレン6時間をポルシェ7号車が制し今季2勝目/IMSA第6戦

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2024年06月25日 07:20  AUTOSPORT web

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優勝したデイン・キャメロン/フェリペ・ナッセ組6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)
 6月2日、アメリカ・ニューヨーク州のワトキンス・グレンで、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第6戦『サーレンズ・グレン6時間』の決勝レースが行われ、デイン・キャメロン/フェリペ・ナッセ組7号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)が総合優勝を飾った。

 2024年シーズンの6戦目、チャンピオンシップ内の耐久レースシリーズ“ミシュラン・エデンュランス・カップ”の第3戦として、ル・マン24時間レースの翌週に開催されたザ・グレン。日曜の11時10分にスタートが切られたレースは序盤からアクシデントが相次ぎ、最初の1時間でフルコース・コーションが2回、レース全体では計6回セーフティカー(SC)が出動した。なお、最後のフルコース・コーションは、大雨のため残り81分から約40分にわたって続いた赤旗中断からリスタートに向かうためのものだった。

 レッドフラッグが出る直前、土砂降りがトラックを襲った時間帯は6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)がトップに立っていた。しかし、ニック・タンディがドライブする963はスリックタイヤからウエットタイヤに履き替える際に姉妹車の7号車ポルシェにピットで接触され、複数のポジションを失ってしまう。

 代わって首位に浮上した今戦のポールシッター、40号車アキュラARX-06(ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ)はSCラン中の一斉ピットでも順位を守ることに成功する。しかし残り15分でレースが再開されると、2番手につけていたナッセの7号車がターン1でアキュラのイン側に飛び込みオーバーテイクを決める。レース中盤から後半にかけてトップを走っていたポルシェがこの段階で首位に返り咲き、そのままフィニッシュを迎え、開幕戦デイトナ24時間以来となる今シーズン2勝目を飾った。

 0.749秒という僅差の2位は01号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・レーシング)で、3位にはペンスキーの6号車ポルシェが入った。リスタート直後のターン1で順位を失った40号車アキュラは4位。5位と6位にはBMW MチームRLLが走らせる24号車と25号車のBMW MハイブリッドV8ペアが並んだ。25号車BMWはプラクティスでのクラッシュからシャシー交換を経て“復活”した後、ピットスタートとドライブスルーペナルティを乗り越えてのリードラップ・フィニッシュとなっている。

 LMP2クラスは、先週末のル・マンで総合優勝ドライバーとなったニクラス・ニールセンと、同じくフェラーリドライバーのリル・ワドゥ、そしてブロンズドライバーのルイス・ペレス・コンパンクのトリオがドライブした88号車オレカ07・ギブソン(リシャール・ミル・AFコルセ)がクラス優勝を達成。GTDクラスはラッセル・ウォード/フィリップ・エリス/インディ・ドンティエ組57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング)が表彰台の頂点に立った。

 GTDプロでは4号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(コルベット・レーシング・バイ・プラット・ミラー・モータースポーツ)がレース最終盤にクラス首位を走っていたが、燃料が底をつきラスト2周でスプラッシュのためピットに戻らざるを得なくなった。これによって労せず2番手からトップに浮上した23号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3エボ(ハート・オブ・レーシングチーム)のロス・ガン/アレックス・リベラス組がクラスウイナーに。同2位は9号車マクラーレン720S GT3エボ(パフ・モータースポーツ)、3位にはコルベット・レーシングの姉妹車3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rが入った。惜しくも優勝に手が届かなかった4号車コルベットはクラス7位でレースを終えている。

 ウェザーテック・スポーツカー選手権の次戦第7戦は、カナディアン・タイヤ・モータースポーツ・パーク(CTMP/通称モスポート)で開催される『シボレー・グランプリ』だ。シーズン唯一のアメリカ国外ラウンドとなる一戦は7月12〜14日に開催される。
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