BRZが第4戦富士でピットB棟……!? スーパーGTのピット位置はどう決まっているのかをおさらい

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2024年06月29日 16:50  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第2戦富士 ピットアウトするSUBARU BRZ R&D SPORT
 2024年のスーパーGTは第3戦鈴鹿から約2ヶ月のインターバルを経て、次戦は8月3〜4日に富士スピードウェイで行われる第4戦となっている。すでにチケット等発売されているが、6月27日に富士スピードウェイから告知されSNSで話題にもなったのが、SUBARU BRZ R&D SPORTのピット位置。今回はピットB棟になるため、毎戦設置されるSUBARUファンシートから離れた位置となる……という告知。人気チームだけにB棟に入ることへの驚きの声が寄せられたが、ではスーパーGTのピット位置はどのように決まっているのだろうか。ご存知の方も多いとは思うが、第4戦を前におさらいしておこう。

 毎戦GT500クラス、GT300クラスと40台以上の車両が参戦するスーパーGT。レース前に公式ホームページでピット位置が告知されており、ピットウォーク等のイベントでお目当てのチームの位置で迷うことは少ないと思うが、実はスーパーGTのピット位置には法則性がある。

 これは長年採用されている仕組みなのだが、まずピット位置はGT500クラスに参戦する3メーカーのピットから決まってくる。第1戦岡山の場合、前年のチャンピオンを獲得したメーカーがいちばん1コーナー寄りのピットとなる。2024年の場合、2023年にau TOM'S GR Supraがチャンピオンを獲得したGRスープラ勢が1コーナー寄り。チャンピオンカーのau TOM'Sが最もピット出口になっていた。続いて、ランキング2位にNiterra MOTUL ZがつけていたニッサンZニスモGT500勢が真ん中。4位にARTA MUGEN NSX-GTがつけていたホンダがいちばん最終コーナー寄りとなっていた。

 この各メーカーのピット位置は、第2戦以降順番にピット位置が前に変更されていき、前戦1コーナー寄りだったメーカーは最終コーナー側に回っていく……という仕組み。今シーズンの場合は下記の順番となる。ちなみにGT500が並ぶピットの間には、トヨタ=TCD、ニッサン=ニスモ、ホンダ=HRCの各メーカーのピットがひとつずつ入る。ちなみに第1戦、第2戦の場合、それを想定した公式テストのピット位置もこれと同じになる。

■2024年スーパーGTにおける各メーカーのピット位置
←最終コーナー1コーナー→第1戦岡山ホンダニッサントヨタ第2戦富士トヨタホンダニッサン第3戦鈴鹿ニッサントヨタホンダ第4戦富士ホンダニッサントヨタ第5戦鈴鹿トヨタホンダニッサン第6戦SUGOニッサントヨタホンダ第7戦オートポリスホンダニッサントヨタ第8戦もてぎトヨタホンダニッサン

 これらのGT500クラスの各チームのピット位置の間にGT300チームが入っていくことになるのだが、関係が深いチームの場合は隣同士になるように並べられる。例えば、GT500クラスのTGR TEAM KeePer CERUMOとGT300クラスのmuta Racing INGINGはスーパーフォーミュラの体制を見ても分かるとおり関係が深いことからピットは隣となる。またGT300の場合でも国産車の場合は各メーカーに近いピット位置が与えられることが多い。

 また、メンテナンスガレージが同じ場合もピットが隣、もしくは近い位置となる。例えば、ニッサンZで参戦するGAINERとフェラーリで参戦するPONOS RACINGはどちらもGAINERがメンテナンスをしているので隣。ホンダNSXで参戦するTEAM UPGARAGEとBMW M Team Studieはメンテナンスが同じであるため隣となる(ただし例外もある)。

 その他のチームの場合は、各メーカーの間のピットに割り振られていくことになるのだが、車種が同じなどで特定のチームが近いピットになることも多い(GOODSMILE RACING & TeamUKYOとK2 R&D LEON RACINGなどが好例)。なお、各チームともサーキットのピット上にある看板はピット位置の検討材料とはならない(鈴鹿等。ただしピタッと合うこともある)。また、チームからピット位置については希望が出されることもあり、例えばHOPPY team TSUCHIYAは岡山、もてぎ、SUGO、オートポリスではいちばん最終コーナー寄り、富士、鈴鹿ではいちばん1コーナー寄りのピットという希望がある。ただし、チームの要望についてはすべての希望が叶えられるわけではないという。

■A棟、B棟がある富士スピードウェイは特殊なケース
 サーキットによっては特殊な例も存在する。それが今回のSUBARU BRZ R&D SPORTの例にもあるとおり、富士スピードウェイの場合だ。富士スピードウェイはピット番号1番から34番がA棟、35番から45番がB棟となっている。A棟は各ピットに部屋がついているほかトイレもあり、設備面で充実している。

 スーパーGTの場合、GT500各メーカーのピットがA棟に入っていき、前述のように関係が深いGT300チーム等が順番に入っていくのだが、第2戦の場合はGT300チームランキングにおけるAシードから優先してA棟に入っていく。GT300の前年チームランキング下位でCシードのチーム、参戦初年度でシード権がないチームはB棟に入ることになる。つまり、ランキング上位を勝ち取りシード権を上げなければA棟には入れない。シード権を持っているかどうかは、スーパーGT公式サイトのGT300エントリーリストを見ると、車名の前に『S』とついているので分かる。

 ただしすべてシード権、チームランキング順になるかというとそういうわけではなく、2台体制のチームの場合は、ランキングが低い方の車両がB棟に入ったために隣同士を希望してB棟になることもある。また、同じメンテナンスガレージでも1台がランキング上位だった場合、A棟とB棟に分かれることもあるという。

 そして第2戦では前年のチームランキングで決まっていたB棟に割り振られるチームだが、第4戦については、第1戦〜第3戦までのチームランキングで決まっていく。残念ながら今季、R&D SPORTは第3戦終了時点でまさかのチームランキング最下位。そのため、定位置であった2番ピットではなく、B棟に入ることになったのだ。なお、新規参戦チームの場合はそのシーズンはずっとB棟になるという。そのため第3戦鈴鹿で優勝を飾ったD'station Racingも、第4戦はB棟だという。

 ピット位置については狭いコースの場合、隣が空いているかいないかでピット作業の順位逆転があったりと、レースの展開を左右することもある。また隣近所のピットとの付き合いも大切で、お互いがロスなくレースができるようコミュニケーションを欠かさない。サーキットに観戦に訪れてみた際には、お気に入りのチームの場所をチェックするとともに、ピット位置がレースに与える展開を予想してみるのも一興かもしれない。

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