今年の路線価 渋谷は大規模再開発で路線価初の全国2位 全国平均は昨年比2.3%増で2010年以降で最高の上昇率 インバウンド回復が影響か

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2024年07月01日 11:10  TBS NEWS DIG

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相続税などの申告で、土地の評価額の基準となる「路線価」。今年は、大規模な再開発が行われている渋谷が初めて全国2位となりました。

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記者
「来週月曜日、渋谷ヒカリエの隣には、新しいビルがオープンします」

東京・渋谷の青山通り沿いに、今月8日に開業する予定の複合ビル「渋谷アクシュ」。渋谷ではいま、「100年に1度」と言われる大規模な再開発が行われています。

渋谷駅ハチ公口前。8年前と比べると、2019年に開業した「渋谷スクランブルスクエア」など、高層ビルが増えています。その影響は、土地の評価額の基準となる路線価にも表れています。

国税庁がきょう発表した今年の渋谷の「QFRONT」前の路線価は、東京・銀座の「鳩居堂」前に次いで、統計を開始して以来、初めて全国2位となったのです。

今年の全国平均の路線価の上昇率は2.3%。比較できる2010年以降で最も高い上昇率となりました。背景にあるのは、「インバウンドと円安による消費の回復だ」と専門家は指摘します。

都市未来総合研究所 湯目健一郎 主席研究員
「訪日外国人の人数は2019年を超えているが、それに加え円安があるので、1人当たりの旅行の支出額が大きく伸びている。消費が回復してくると、例えば、店舗やホテルの出店需要が増えていく。テナントの需要が高まると、不動産の価格も上がるサイクルが生まれ、地価の上昇に結びついてくる」

実際、都内で1位の路線価の上昇率を記録したのは観光地・浅草。雷門の近くには大勢の外国人観光客の姿が…。

人力車の車夫
「(去年と比べて)海外のお客様をご案内する数は圧倒的に増えた。この前『なぜ来たんですか?』と訊いたら『円安』と言っていて『おおー』と思った」

コロナ禍を経て、再び上昇に転じている路線価。今後について、専門家は…

都市未来総合研究所 湯目健一郎 主席研究員
「1年前と比べて今の(1ドル=)160円は2割ぐらい円安の水準だと思うので、2019年時点と比べると、まだまだ円安なので、その追い風は引き続き残るだろう」

路線価の上昇傾向は続く見通しです。

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