【四川牛肉麺】バーミヤンの本気を感じる「肉展(ニクフェア)」限定メニュー「四川牛肉麺(ニューローメン)」が、辛うますぎた:パリッコ『今週のハマりメシ』第142回

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2024年07月12日 13:20  週プレNEWS

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バーミヤンの四川牛肉麺

ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。

それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。

そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。

【写真】ワンタンもあなどれない

* * *

「ガスト」や「ジョナサン」などを擁するレストラングループ、「すかいらーく」の中華料理チェーンである「バーミヤン」。その美味しさとリーズナブルさは多くの人たちが知るところだが、実はハッピーアワーの時間帯が午後2時から6時と長く、早めの夕方のちょい飲みに持ってこいなところも、僕が大好きなポイントだ。


そんなバーミヤンの前を通ったら、なんともやんごとないフェアが開催中らしい情報が目に入ってきた。ずばり「肉展(ニクフェア)」。


ちょうど遅い昼食になにを食べようか迷っていたところだったので、迷わず入店。 通常メニューももちろん魅力的だけど、やっぱり肉展のメニューの訴求力がやばい。シンプルに肉! で攻めている「肉盛りつけ麺」が、定価が税込み989円で、そこに329円をプラスすると肉2倍にできるのが魅力的すぎる。


「よだれ鶏冷やし麺」は、この季節に嬉しい冷たい麺に、酒のつまみが一品どかっとのっかってしまっているとも考えられるメニュー。これまたいいな。


ただ、辛いものが大好きな僕にとって、それらを超えて興味深い一品を見つけてしまった。「四川牛肉麺(ニューローメン)」。


真っ赤なスープが見るからに辛そうで、牛肉がたっぷりとのった麺料理らしい。一気に夏らしい気候になってきたこの季節に、エアコンの効いた店内でこいつをすする快感を想像すると、もうたまらない。ちょうど始まったハッピーアワーの生ビールとともに、お願いします!


不可抗力で頼んでしまったビールをぐいっと飲み、最高な昼下がりがスタートした。麺が届く間のつまみ用に、小皿メニューコーナーからぬかりなく頼んでおいた「紅油(ホンユー)皿雲呑(ワンタン)」(329円)の本格的な味わいに、初めて頼んでみたゆえにちょっとびっくりしてしまった。ここはもう、中国だ。


そして牛肉麺が到着。これが、見た目も香りも、あまりにもガチにガチな大陸中華的で、またまたテンションが上がる。食べる前からもうわかる。本気だな、バーミヤン。そのことを証明するように、中国で定番の黒酢「鎮江香酢」が味変用についてくるのも頼もしい。


まず、かなりたっぷりごろごろっと入った牛肉に、肉展の意地を感じる。ステーキ肉のような厚みで、歯ごたえはあるが柔らかく、そして、しっかりと甘めの下味をつけて煮込んであって独特だ。


そしてスープ。これがもう、あきらかに日本のものではない。ここまでガチでくるか、バーミヤン。塩気が強めで、豆板醤由来の深みがあって、そして麻辣、つまり、山椒と唐辛子の両ベクトルの辛さが容赦なく襲ってくる。すするたびに舌のしびれが強まり、その刺激が好きな僕的には、快感に満ちたスープだ。オーソドックスな中太麺もちょうどいいな。


ところで気になるのが、黒酢の存在。ついてきたからには合うのだろうが、しかしベースに酸味のないスープに足せば、現時点で満足している味の方向性が変わってしまうことが想像できる。どうするべきか。よし、いったんれんげにミニラーメンを作って、そこにたらして様子を見てみることにしよう。


するとこれが、見事に合う。ありすぎる。もう少し、そうだな、現状の味を3/5ほど楽しんだところで、思い切って全体に回しかけてやることにしよう。 当然途中でビールはなくなり、いも焼酎「黒霧島」の炭酸割り「黒ッキリハイボール」(329円)を追加し、黒酢の酸味と深みが加わった牛肉麺をひたすらにすする。


炭酸で割ることで不思議に爽やかになる黒霧島との相性もばっちりだ。いつものバーミヤンの2杯目定番、紹興酒を選ばなくて、今日は正解だったかもしれない。

食べ終えて中空を見上げ、あらためて、そのガチガチな攻めっぷりに思いを馳せた。あぁ、大満足。バーミヤンにはこれからも、いろいろと楽しませてもらえそうだ。

取材・文・撮影/パリッコ

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