両選手権の制覇を目指すレッドブルF1。ペレスの後任を検討、リカルドとローソンがイモラでテストへ

　来週、ダニエル・リカルドとリアム・ローソンの重要な対決の舞台が整うことになる。レッドブルがセルジオ・ペレスの後任候補の選択肢を検討しているためだ。

　リカルドとローソンは、来週イモラで直接対決することになる。ふたりは2022年仕様のアルファタウリAT03での走行を分担してベンチマークテストを行い、レッドブルの意志決定者にとって重要なデータを収集する。

　ペレスが調子を落としていることで、チーム内での彼の立場はますます危うくなってきており、それと同時にマクラーレンが復活を遂げている。レッドブルはかつてF1のコンストラクターズ選手権で圧倒的なリードを誇っていたが、F1第14戦ベルギーGPを終えてそのリードもわずか42ポイントにまで縮まった。チームメイトのマックス・フェルスタッペンに比べてペレスの成績が大きく劣っているためだ。

　先月、ペレスは苦闘が長引いているものの、レッドブルとの契約を2年間延長した。しかしながら、この契約にはパフォーマンス条項が含まれており、来るF1のサマーブレイクまでにフェルスタッペンの合計ポイントから100ポイント以内に達しない場合、彼は解雇される可能性があると考えられている。ペレスとフェルスタッペンの現在の差は、146ポイントだ。

　ペレスの件については、月曜日にミルトン・キーンズでレッドブルの幹部が長時間議論することになる。

「セルジオは、コンストラクターズ選手権ではできれば2台のマシンをマクラーレンより前に出さなければならないことをわかっているが、ここ数戦はそのようになっていない」と、土曜日にスパでヘルムート・マルコは『Servus TV』に語った。

「目標はドライバーズとコンストラクターズ両方のチャンピオンシップを制することであり、それを達成するための最善の方法については月曜日に話し合う予定だ」

　したがって、来週はリカルドとローソンの間で大きな賭けとなる戦いが繰り広げられることになる。一方で、RBの角田裕毅がレッドブル・レーシングへ移籍する可能性は低いと予想されている。経験豊富なベテランであるリカルドは、F1に関する豊富な知識と8回のグランプリ優勝を誇っている。しかし、今シーズンのRBでの成績が不安定なため、彼がトップレベルに復帰できるかどうか疑問視されている。

　一方のローソンは、昨シーズンのリカルドの代役としてのパフォーマンスや、シルバーストンで行われたレッドブル・レーシングの最近のプライベートテストなど、限られた機会で印象的なパフォーマンスを見せてきた。彼の若さと素質は否定できないが、経験不足は克服すべき大きな障害となるかもしれない。

　イモラのテストでは両ドライバーの能力に関する貴重な情報が提供され、レッドブルはより情報にもとづいた決定を下すことができるだろう。これにより得られるものは非常に大きく、ペレスが離脱した場合に誰もが求めるレッドブルのシートをめぐる戦いは、2024年F1シーズンの最も興味深いサブプロットのひとつとなるだろう。