必勝を期すシビックがトップ3独占。ポールシッターは同門対決で一歩抜き出た8号車ARTA【第4戦GT500予選レポート】

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2024年08月03日 19:20  AUTOSPORT web

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2024スーパーGT第4戦富士 鈴木亜久里監督/松下信治/野尻智紀(ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8)のポールポジションインタビューに乱入する元ARTAの大湯都史樹(KeePer CERUMO GR Supra/左)
 連日のように体温越えの猛暑日が続く2024年。本格的なサマーシーズンを迎えた8月3日(土)に行われた、スーパーGT第4戦富士スピードウェイでのGT500クラス公式予選は、Q1担当の松下信治、そしてQ2を担当した野尻智紀ともに、新型ホンダ・シビック・タイプR-GTのスピードを遺憾なく引き出した8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTが今季初ポールポジションを獲得。タイム合算フォーマットも含め、フロントロウ2番手に100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GT、2列目3番手にも64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTと、明日の350km決勝に向けホンダ勢が必勝体制を固めている。

 静岡県小山町の“霊峰”富士山麓に位置する国際レーシングトラックだが、標高約600mの高地条件も吹き飛ばすかのように、土曜9時開始の公式練習から気温は30度を超え、路面温度も走行開始早々に40度を突破。朝から照りつける日差しが容赦なく降り注ぎ、県下の熱中症警戒アラートも『危険、または厳重警戒』が並ぶなど、ドライバーにも、クルマにも、チームにも、そして勝負を見守るファンにとっても厳しいコンディションとなった。

 そんななか、好調さを披露したのは今季よりベースモデルを刷新したホンダ陣営で、とくにダンロップタイヤを装着する64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが混走時間帯、そしてクラス専有走行枠でも最速を誇示。専有の2番手にも100号車STANLEYが続くなど、前回の富士でポールポジションを獲得している17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTや、8号車、16号車のARTA MUGENらを含め、待望のシビック初優勝に向け午後の予選で上位グリッド獲得を狙う。

 一方、その富士で前回ワン・ツー・フィニッシュを達成したニッサン陣営も、今季まだ表彰台のない12号車MARELLI IMPUL Zが3番手につけ、搭載するサクセスウエイト(SW)により燃料流量が絞られている3号車Niterra MOTUL Zが6番手、同23号車MOTUL AUTECH Zが7番手と、やはり富士との好相性を見せつける。

 そして開幕戦岡山、前戦鈴鹿でのワン・ツー制覇と、車両特性的なトレードオフながら、富士の苦戦から光明を見い出したいトヨタ陣営がどこまで喰い込んでくるか。明日も同様の暑さが予報され、そして急な雷雨の可能性も囁かれる未知数の決勝350kmへの足掛かりとして、まずは午後の予選に注目が集まった。

■Q1:トップ6のうち5台がシビック・タイプR-GTに
 この酷暑のもとでも、今季4回目を迎える予選“タイム合算”方式での勝負が予定されていたが、ここでコース上に漏れていたオイルの処理により5分遅れのディレイが発生。14時25分開始予定だったGT300クラスQ1B組開始は30分ちょうどへと変わり、さらに勝負はWETフォーマットで決することに。

 これでGT300はタイム合算や上位下位の入れ替えがキャンセルされたが、GT500は引き続きタイム合算と、予選Q1/Q2と翌日決勝スタートでの使用も見据えた“マーキングタイヤ1セット”での勝負が繰り広げられる。そのGT300クラスQ1B組開始時点で、気温は33度ながら路面温度は54度まで上昇する過酷な条件に。

 時刻は15時を3分回ってピット出口が開放されると、まずは午前中にマイナートラブルを経験した39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraからコースへ。さらに2分経過で8号車ARTAがピットを離れ、続く3分経過ではトヨタ陣営の各車がトラックに向かっていく。

 さらにセッション開始4分で24号車リアライズコーポレーション ADVAN Z、そして17号車Astemoが隊列の最後でウォームアップへ向かうと、先行していた39号車DENSOの中山雄一が計測5周目で1分28秒台へ突入する。

 するとここからホンダ勢が牙を剥き、100号車STANLEYの牧野任祐がいきなり1分28秒026の好タイムを叩き出し、午前のFCYテストやサファリ枠でもつねに最高速首位だった16号車ARTAが、ここでも292.683km/hまで伸ばして1分28秒356の2番手とする。

 しかしニッサン陣営からSWが26kgと比較的軽量な12号車MARELLIのベルトラン・バゲットが1分28秒316で割って入り、ホンダの一角を突き崩しに掛かる。その背後では、午前首位タイムを記録した64号車Moduloの大草りきが最初のアタックで前走者に詰まる一幕も。これがタイヤのピークに響いたか、続く最終チェッカーラップでは1分28秒133と、100号車の背後2番手に留まる結果に。

 それでも計測5周目で1分28秒244まで伸ばしていた8号車ARTA松下信治が3番手に続いてホンダがQ1トップ3を占め、5番手の16号車、6番手の17号車と、やはりシビック全車が上位へ飛び込む結果となった。

■Q2:初優勝に向けて準備は整った
 GT300クラスの予選Q2を終えGT500クラスのポールシッターを決める戦いが近づく。この最後のセッションを前に少しずつ路面温度も降下し50度を切ってくるなか、引き続き同一セットのタイヤを装着した合算のQ2が、15時59分に開始時刻を迎えた。まずは14号車ENEOS X PRIME GR Supraの福住仁嶺を先頭に、開始2分で各車が続々とコースへ向かい、残り5分のセッション半分までステイした24号車リアライズの名取鉄平が最後にピットを離れる。

 ここで先行組2台目でコースインしていた64号車Moduloの伊沢拓也が、計測4周目で1分28秒673を記録。そこへ17号車Astemoの塚越広大が、自身3周目で1分28秒703と続いていく。

 続くラップでは、64号車の伊沢が1分28秒572まで伸ばしたものの、ここでトヨタ陣営も奮起。計測4周目の38号車KeePer CERUMO GR Supraの大湯都史樹が、1分28秒529としQ2セッション2番手へ。さらに14号車ENEOS X PRIME福住も、ラストアタックで1分28秒566として背後の3番手に浮上してくる。

 しかし、ここで主役を張ったのは野尻智紀がドライブする8号車ARTAで、自身最初のアタックで1分28秒160と早々にライバルを圧倒すると、続くチェッカーラップでも28秒135までタイムを詰める圧巻の走りでQ2でも、合算でも、ともに最速のポールポジション獲得となった。

 その背後には合算で100号車STANLEYが続き、これで決勝フロントロウのみならず2列目3番手の64号車まで、必勝を期すシビック・タイプR-GTがトップ3グリッドを独占。その隣に並ぶ38号車KeePerを挟んで3列目には17号車Astemoが着けるなど、まずはホンダ陣営が盤石の布陣を敷く予選となった。ニッサン勢の最上位は6番手につけた12号車MARELLIだ。

 レース距離350km、周回数にして77周で争われる明日4日(日)の決勝は、14時30分に戦いの火蓋が落とされる。

GT500ポール・ポジション8号車 ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8野尻智紀/松下信治/大湯都史樹?松下選手GT500初ポールおめでとう!💬「野尻選手に感謝です」#SUPERGT 2024第4戦 #富士スピードウェイ🔽ご視聴/ご購入は🔽https://t.co/meaNrSQOtl#スーパーGT #SUPERGT30th pic.twitter.com/kQ4Leac34H— J SPORTS❤️モータースポーツ🏁 (@jsports_motor) August 3, 2024

このニュースに関するつぶやき

  • 普段でも話題にならないのに、ましてやオリンピック期間中は空気以下の存在感。
    • イイネ!1
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