夏は疲れが出やすい季節──。腰痛やぎっくり腰で悩んでいる人が多いかもしれない。現在、5人に2人が腰痛といわれており、東大の研究によると、プレゼンティーズム(出社しているものの何らかの健康問題で業務効率が落ちている状態)の観点で、腰痛だけでも年間の経済損失額が3兆円にも上るとか。今は大丈夫と思っても、ぎっくり腰やヘルニアになる可能性があるため、今の自分の腰痛の状態を知り、対策を立てるのが重要だ。整形外科医監修の企業向けフィジカルケアを提供しているWell Body(東京)がまとめた手軽にできる腰痛セルフチェック項目を参考にしてみよう。
まず、腰痛は2つの種類に大別できる。一つは特異的腰痛で骨折(転倒や骨粗しょう症による圧迫骨折)や重篤な病気(がんの転移、脊柱の感染など)、神経症状を伴う疾患(腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症など)を指す。もう一つが非特異的腰痛で、明らかな原因疾患がない腰痛だが、腰痛全体の8〜9割を占め、医療機関での画像所見(レントゲン、MRI)でも原因が特定できない。
以下にチェック項目を挙げてみる。
|
|
〈超危険腰痛チェック〉
□転倒や尻もちをついた後に、痛みが出て日常生活に支障が出る。
→骨折の可能性
□横になっても、うずくことがある。痛み止めを服用しても効果がない。
|
|
→がんの転移や脊柱の感染の可能性
□痛みやしびれがおしりから膝の下まで広がり、毎日痛みを感じる。
→腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の可能性
□歩きにくい、つまづくことが多い、足の脱力感がある
→重度の腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症
|
|
1つでも当てはまる人は要注意! 医療機関を受診した方がいい。
〈腰痛発症リスク・悪化リスクチェック〉
□3カ月以上続く腰痛がある。
□最近1週間を平均すると0〜10までの11段階で7以上。
□前屈や後屈した際に、痛みやしびれがおしりから膝の下まで広がる。
□長時間座っていると、腰がだるくなる、立ち上がるときに痛みがある。
□重い荷物を持った際に、腰に痛みが出る。
□前屈した際に、手首が膝のお皿より下にいかない。
1つ以上当てはまる人は、ぎっくり腰の発症や、現在の腰痛が長期間続く可能性があるので要注意だ。